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『ニーゼと光のアトリエ』(映画メモ)

『ニーゼと光のアトリエ』(2016年、ホベルト・ベリネール監督)

1943年のブラジル・リオデジャネイロ。女性精神科医のニーゼ(グロリア・ピレス)は国立精神病院で働くことになるのだが、そこで行われていたのは脳の一部を切り取り患者をおとなしくさせる「ロボトミー手術」。また、患者は人間扱いされておらず、看護師たちの態度も最悪レベルだった。

そんな中、ニーゼは患者を「クライアント」と呼び、普段着を着せて、絵を描かせる。狂暴な患者や無表情な患者が、創作活動を通して人間性を取り戻していくというストーリー(ちなみに事実)。

印象的だったのは、絵画の技法は教えずに、本人の描きたいように描かせていること。

はじめ反抗的だった男性看護師が協力的になっていく姿が良かった。

社会心理学者(茨城大学)の石井宏典先生は、研究者と調査対象者の間には「対する関係」と「並ぶ関係」があると指摘してるが、ニーゼは「並ぶ関係」の中で、患者の回復を導いているといえる。

寄り添うことの大切さを感じた。







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