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『たかが世界の終わり』(映画メモ)

『たかが世界の終わり』(2016年、グザヴィエ・ドラン監督)

タイトルに惹かれて借りてみたが、これがなんとも渋く、カッコいい映画だった。

12年ぶりに実家に帰ってきた人気劇作家ルイ(ギャスパー・ウリエル)は、母親(ナタリー・バイ)、妹シュザンヌ(レア・セドゥ)、兄嫁カトリーヌ(マリオン・コティヤール)には歓待されるものの、兄アントワーヌ(ヴァンサン・カッセル)はやたらとルイにつっかかってくるため、せっかくいい感じの雰囲気がぶち壊しになってしまう。

自らの死を告げに帰ってきた」と宣言文句に書いてあるけれども、それは自殺なのか、それとも病気なのかもわからない(ちなみに、ルイはゲイ)。

はじめからおわりまで、家族がいがみ合っているだけのストーリーであるにもかかわらず、演技、映像、音楽がすばらしく、目がくぎ付けになってしまうのが不思議である。

終始嫌な感じの兄アントワーヌを見ていると、「もしかしてルイの死を予感しての行動なのか?」「いや、ただ性格が悪いだけかも」と推測しているうちに、どんどん入り込んでしまった

結局なにがなんだかわからないまま終わってしまうのだが、そこも余韻があって良い。ひさびさに没入できる映画だった






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