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「治る力」と「治す力」

河合隼雄先生は『対話する生と死』(だいわ文庫)の中で、「自己治癒」について次のように述べている。

「心の病の場合は、どのような治療をするにしろ、根本にあるのは「自己治癒」ということだ、と筆者は考えている。つまり、治るとかよくなるとか言っても、結局それは患者自身の自ら治っていく力によるものなのである。しかし、そのような「自己治癒」の力を促進させるためには治療者の存在が必要となる。ただ、ここで重要なことは、治療者自身は本来的には「治す」人ではなく、患者自らの「治る」力に頼っているということである」(p.169)

同じことが「育てる」ことと「育つ」ことにも言えるような気がする。

育てるという行為は、本人が「育つ力」を引き出すことである、と思った。

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