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『小さな哲学者たち』(映画メモ)

『小さな哲学者たち』(監督:ジャン=ピエール・ポッツィ、ピエール・バルジエ)

観る予定の映画の上映時間を間違えて「どうしようか」と考えていた時、「本日最終日」という張り紙につられてを観たのがこの映画。

舞台は、フランスの幼稚園。3~5歳児に対して2年間行われた「哲学の時間」を撮ったドキュメンタリーである。

はたして、3,4歳の子供に哲学なんてできるのか?

映画を観ているうちに、彼らが幼稚園児であることを忘れてしまったくらいだ。「愛とは何か?」「友達と恋人は違うのか?」「死とは何か?」「幸せとは何か?」というテーマについて幼稚園児たちが激論を交わす。

ただ、彼らが初めからディスカッションできたわけではない。出だしこそよかったものの、その後は、関係ない話をする子供、寝てしまう子供などがいて、なかなか集中できない。

しかし、徐々に「その意見には反対だわ」「ちょっと人の話を聞いて」「私は賛成、なぜなら…」などと、議論ができるようになる。はじめのうちは先生が主導権を握っていたが、慣れてくると勝手に自分たちで会話のキャッチボールを始める。

いろいろな人種の子供たちがいる中で、ときに「私は黒人より白人が好き」という発言がとびだし、緊張した雰囲気になることも。「ママはパパとケンカすると、離婚すると叫ぶの」という子がいたり、「貧しい人に恵んであげることは大事」「いや、自分で稼ぐべきだ」という対立があったりする。

よく見ていると、発言する子としない子がいる。この違いは何なのか?頻繁に発言する子は、家に帰った時に親と哲学についてディスカッションしていることがわかった。

「哲学=小難しい」というイメージがあったが、この映画を見て、「哲学とは、社会や人の生き方について考えること」であると理解できた。

また、「大人こそ哲学が必要であるのに、哲学していない」こともわかった。



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