柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

有難

2016-09-24 08:14:13 | Weblog
月刊誌「新潮45」に山折哲雄が稿を寄せてます。山折哲雄とはよく聞く名前でしょう、クレジットは宗教学者ですが新聞や週刊誌はじめ多く公に文章を載せてる人です。天皇病むとき、国衰える との題です。生前退位についての論考です。学者の文章らしく過去の史実との比較や語句の説明定義に紙幅の多くを割いてますが、へぇと思ったことでした。天皇陛下の第一の仕事(と平易に言い過ぎてはならぬのでしょうが)は祈りだ、祭祀だ。国民の安寧のために祈る祭主としての役目を第一に考えておられるところ、東北大震災、原発事故、その後も連続して起こる大雨や地震による大災害。つまり天災を鎮めるために祈る存在としての忸怩たるお気持ち。言葉が適当でないのかもしれませんが、力不足を感じておられるのではないかと忖度させる文意です。ああなるほど。合点がいくことではありました。だから代わりたい、霊能あふれる新しい天皇に変わるべきだとのお考え。いえ、これだけ天災が続いて起きる事態に老齢の身では役目が果たせないからとお考えなのだろうというもっと単純な理由もあるのでしょうが、もう一歩踏み込んだところ、この天変地異は我が身(呪術主としての天皇)の霊能の衰えと感じておられるのだという推定です。なるほど。腑に落ちる気がしました。今この科学の時代に天皇さまがいくら祈ってくだすっても天災が治まるなんては申し訳ないけれど思っていませんが、それでもそれをお役目と思われ天皇としての力不足と考えておられるとすれば、これは有難いことでしょう。そう思われませんか。
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