お気楽ボランティア日記

楽しみながら、ボランティア   広がる、人の輪

「ハガネの女」と「Mother」

2010年05月31日 | 映画・演劇・本
 今,この二本の連続ドラマから目が離せないでいます。

 「Mother」は、「母性」を問題にしたドラマで、ある女性を中心に様々な母親が登場します。
 虐待する母親、我が子を捨てた母親、養子と実子を育てる母親、胎児が重い病気を持っている母親。

 そして、主人公である元教師。
 彼女は独身ながら虐待されている教え子を見て胸を打たれ、子どもと合意の上で誘拐し、子どもから「お母さん」と呼ばれ「母親」になるのです。
(この子役のうまさは天下一品!)

 この五人が複雑に絡み合って物語は進んでいきます。とても暗い話で、娘に勧めたら第一話を見ただけで「もういい」と言ってました。娘は仕事柄重い現実と向き合っているからでしょう・・・

 私は遠い昔を思い出しました。
 それは、担任していたクラスのある女の子に、どういうわけかひどく好かれてしまい、彼女は毎日書かせていた日記にいつも私への思いを書いていました。家庭では一人っ子で、甘えん坊で、頭もいい子で容姿も可愛らしいその子に、なぜそこまで好かれるのか訳が分からずとまどってさえいました。
 教室でもべたべたしてきました。

 その家庭が年度の途中で遠くへ引っ越すことになった時、彼女は「私は先生と別れたくないから引っ越さない。お母さん達だけで行って!」と言うのです。これにはもうびっくり!
 困ったお母さんが相談に来られました。とても優しい、純朴なお母さんでしたから、本当に困っていらっしゃったし、私とて心外の成り行きでした。

 「Aちゃん、あんたはまだ3年生。一人じゃ暮らせないでしょ?」というと「いいもん、先生のうちの子にして貰うから。先生のうちから学校に通う!」と言い出す始末。
 もちろん説得して、結局は家族と引っ越していきましたが、今思えば家庭に何かあったのかもしれませんね。


 「ハガネの女」は、ズバリ現代の小学校のいじめ問題を扱ったお話です。
 主人公は独身で年齢はMotherの主人公と同じくらい30代半ば。でも、とっても元気印でMとは対照的な魅力的な女性です。
 こちらは、大人よりも、登場してくる小学生のすさまじい姿に唖然とさせられます。なんて最近の子は複雑なんでしょう!子ども達が抱える心の闇は、表面上は真逆に現れるので、親も教師も翻弄させられます。
 
 4年生という設定で、確かにこの頃から子ども達の精神的発達は大人へと近づきますが、それにしてもここまでと思わされる話の数々です。

 まだ、二回目が終わったばかりですが、紋切り型の発想しかできない大人達の上を行く子どものすごさに圧倒されて、やはり目が離せません。