拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ネット合唱で歌っていたのはメンデルスゾーンではなくブラームスのドイツ・レクイエムだった件

2020-04-06 20:00:58 | 音楽
Zoom(ネットで会議をするアプリ)で合唱をする様子をNHKの6時台のニュースでやるというので録画して見た。やっぱ、ずれますなー。各人、各パートの声がそれぞれ時間差で来るんでぼわぼわして曲の認識が困難なほど。だから合唱には難しい感じ(個人レッスンには使えるかも)。ところで、かろうじて認識できた曲は、アナウンサーはメンデルスゾーンと言っていたが、ドイツ・レクイエム(ブラームス)の第4曲のように聞こえる。え?これって元曲がメンデルスゾーン?いや、どう聴いても第4曲そのものである。巻き戻して楽譜が映ったところで停止してテレビにかじりついて見たらやはり第4曲。まあ、ときどきあることだ。因みに、この日のアナウンサーは音楽を専攻した方だが、原稿をそのまま読まされたんだろうね。

十柱戯

2020-04-06 13:47:22 | 言葉
スーパーの混み具合についてのコメントが多く聞かれるようになった。ほーら、やっぱみんな不安を感じてるんだよ。私も決意した。近くのスーパーの卵1パック99円の特売には行かない。通常でも1パック168円なんだから(これでも他所より相当安い)、わざわざ500円以上の買い物をして(99円で買うための要件)、コロナにおびえながら99円の卵を買う必要はない。必要品の買い物にはがらんがらんの時間帯をねらって行きます。休校の延長も相次いでいる。若い頃「おーい、吉川くん」と言ってた某県の知事も県立学校の休校を延長すると言っていた(「吉川君」の口調はまだ残ってる)。そう言えば、どっかの教育委員会が作ってる「ネット授業」の様子をテレビで見たら、「草という漢字は、発音を表す「草」の部分と植物(意味)を表すくさかんむりの部分から成っている。こういう漢字を「形成文字」という」と言っていた。へー、面白い授業である。こういう授業を受けたいものだ。ということで、今回は言葉の話である。ドイツ語で読んでる「トム・ソーヤーの冒険」に「Kegelschieben」が出てきた。直訳すると「ピン押し」、つまりボーリングのことだが、これがあんちょこ(日本語訳)では「十柱戯(テンピンズ)」となっていた。ボーリングのことを「十柱戯」と言うのか!初めて知った。ちょうど私が中学生の頃ボーリングが流行っていたが、当時から「ボーリング」は「ボーリング」であって、「十柱戯」なんてのは聞いたことがない。日本語訳を書いた方はどんだけ昔の方なのだ?と思ったら、なんと私の(たったの)4歳上。アメリカ文学研究者として有名な方だそうだ。だったらこの方だって子供の頃は「ボーリング」と言っていたろうになぜわざわざ「じっちゅうぎ」のだろう。そう、十柱戯はこう発音するらしいが、ルビが「テンピンズ」になっているのも奇っ怪である。いや、これこそがこの怪の解答なのかもしれない。つまり、ボーリングは英語で(正式には)「Ten-pin bowling」と言うらしいから、もしかしたらマーク・トゥエインが書いた原文が「ten-pins」だったから、あえて「ボーリング」と訳さず「十柱戯」と訳したのかもしれない。よし、原文を見てみよう。直ちにキンドルでダウンロード。ドイツ語訳も日本語訳も有料だったが原文は無料のがあった。おっ、やはり「ten-pins」だ。この原文のニュアンスを伝えるためにあえて「十柱戯」と訳し、ルビを「テンピンズ」にしたのだろうか。因みに、ドイツ式のボーリングはピンが9本だそうで、その場合の日本語訳は「九柱戯」である。独和大辞典では「九柱戯」のオンパレード。これこそが正式名称と言わんばかりに「ボーリング」は括弧書きである。あるいは、文学者は「○柱戯」という言い回しが好きなのだろうか。それから、ドイツ語を1字入れ替えて「Kugelschieben」にすると、「玉押し」の直訳から連想するとおり、「ビー玉遊び」の意味になる。