花と遍路傘 (京都・灑雪庵にて)
何人かの茶友や社中の方から
「「女ひとり 70歳の茶事行脚」を見ましたか?」
「再放送があるそうですから是非見て感想を聞かせてください」
2016年5月14日放映の番組情報は頂いていたのですが、我が家のアンテナが故障中で何ともなりません。
やっと7月16日の再放送に間に合うように直してもらいました。
ビデオに撮り、すぐに見ましたが、もう一度ゆっくり見たいとそのままに・・・。
一度見た時の感想として、半澤鶴子さんってとても素敵で共感できる方だと思いました。
私事ですが8年ほど前の四国八十八ヶ所遍路を思い出しました。
各札所で献茶をしながら遍路し、途中出会った方々にお茶を点て飲んで頂いた一期一会、今でもその場面が鮮烈に思い出されます。
京都へ3年間茶事遊学した時、古家・灑雪庵で一人亭主の茶事に精出しました。
灑雪庵へ来てくださるお客さまとの一期一会が愉しく、大変だったけれどなんともいえぬ爽快感、達成感を味わいました。
そんなこともあって、半澤鶴子さんの茶事行脚へ出かける心持や茶事に懸ける心意気に大いに共感し、うんうん頷きながら見たのですが
「花一輪に飼いならされて・・・」
というキイワードの意味するところが今一つピンと来ず、ずっーと心に引っ掛かっていました。
それで、夏休みを待って再度ビデオを拝見、時間をかけて半澤鶴子さんの茶事行脚に寄り添ってみることにしました。
暁庵の心に残った言葉や場面を綴りながら、感想も少々・・・。
長くなりそうですが、よろしかったらお付き合いください。
烏瓜の花一輪・・・夜に花開く
☆プロローグ
千葉県東金市に住む半澤鶴子さんは出張懐石のプロで、1000回を超す茶事をされています。
70歳になった半澤さんは一期一会の茶事行脚の1人旅へ出かける決心をします。
きっと半澤さんの中の何かが「今しかない・・・」「今がその時・・・」と告げていたのでしょう。
「今までは乞われるままに依頼された方が満足されるような茶をやってきました。
今度は自分を自由に開放して楽しい旅にしたい。
立派な肩書を持つ方であれ、一村に住み平凡な暮しを営む方であれ、
どんな方にも同じ心で愉しく無心に茶が点てれるか・・・」
鍋、釜、茶道具を車に積んで、出会った方に茶と料理でおもてなしをする、どんな方でも同心でおもてなしをする・・・ことを心に刻み付けて半澤さんは旅へ出ました。
それは2年に渡る旅になり、命懸けの旅になりました。 つづく
「女ひとり 70歳の茶事行脚」に寄り添って (その2)へつづく