(つづき)
後座へ席入りすると、暗くなりかけた夕去りの設えでした。
床に手燭とエキゾチックな小灯しが置かれ、お軸が掛けられています。
「無為
無事人」 (むい ぶじの人)
鵬雲斎大宗匠の書です。
御年90歳の大宗匠のいまの心境を表わしているのでしょうか?
正直、難しく、よく解らなかったのですが、
「あるがまま自然体に生きる(人)」
という意味でしょうか? 噛むほどに味わい深く、奥が深い語句です。
Sさまが席へ入られ、いよいよ宿題の「お話」です。
どのタイミングで入れたらよいか、三人で考え、
夜咄のように蝋燭の灯りの元で囲炉裏(炉)を囲んで昔話を語る・・・
そんなイメージになったそうです。
お話は二つ、
一つは、グリム童話から「おいしいおかゆ」。
語り口はとても真似できませんが、あらすじは次のようです。
むか~し、貧しい母子が住んでいました。
森で女の子はおばあさん(魔法使い?)から古い鍋をもらいます。
その鍋は不思議な鍋で、女の子が
「おいしいおかゆを炊いとくれ」と言うと、おかゆを炊いてくれ、
「炊くのを止めとくれ」と言うと、炊くのを止めるのでした。
或る日、女の子の留守にお腹を空かしたお母さんは
「おいしいおかゆを炊いとくれ」
お鍋はおかゆを炊いてくれましたが、
止めさせる言葉がわかりません。
おかゆは鍋からあふれ、家からあふれ、町中おかゆで
いっぱいです。そこに女の子が帰ってきて
「炊くのをやめとくれ」
やっとお鍋は炊くのを止め、人々はおかゆを食べながら
家へ帰ったとさ。
鳥取の名峰・大山(だいせん)
もう一つは、鳥取地方の民話「さきざきさん」。
むか~し、あるところにおじいさんとおばあさんがおったそうな。
二人はさきざき(先々)のためにすこしばかりお金をためておった。
おじいさんの留守におばあさんはこの大切なお金を、盗賊に
「おれがそのさきざきさんだよ」とだまされてあげてしまいます。
・・・ひょんなことから二人は盗賊たちから逆にお金を巻き上げて、
大金持ちになったというお話です。
短気なおじいさんと、耳が遠いおばあさんのやり取りが
鳥取地方の方言でユーモラスに語られました。
老い先短いおじいさんとおばあさんがさきざきのために
貧しいふところからお金をためている所では、我が身を反省したり、
お金持ちになって胸をなでおろしたり・・・忙しかったです。
客5人の
Sさま、ステキなお話を熱演してくださって、ありがとう!
Sさまのお話を聴きながら、某家庭茶事の会に入会させて頂いて
本当に好かった!とつくづく思いました。
だって、こんな素敵なお話が聞ける茶事なんて、めったにありませんもの。
これから「お話」茶事がどのように進化していくのか、楽しみです。
岡山・クリスマスの茶事-1へ 3へつづく
後座へ席入りすると、暗くなりかけた夕去りの設えでした。
床に手燭とエキゾチックな小灯しが置かれ、お軸が掛けられています。
「無為
無事人」 (むい ぶじの人)
鵬雲斎大宗匠の書です。
御年90歳の大宗匠のいまの心境を表わしているのでしょうか?
正直、難しく、よく解らなかったのですが、
「あるがまま自然体に生きる(人)」
という意味でしょうか? 噛むほどに味わい深く、奥が深い語句です。
Sさまが席へ入られ、いよいよ宿題の「お話」です。
どのタイミングで入れたらよいか、三人で考え、
夜咄のように蝋燭の灯りの元で囲炉裏(炉)を囲んで昔話を語る・・・
そんなイメージになったそうです。
お話は二つ、
一つは、グリム童話から「おいしいおかゆ」。
語り口はとても真似できませんが、あらすじは次のようです。
むか~し、貧しい母子が住んでいました。
森で女の子はおばあさん(魔法使い?)から古い鍋をもらいます。
その鍋は不思議な鍋で、女の子が
「おいしいおかゆを炊いとくれ」と言うと、おかゆを炊いてくれ、
「炊くのを止めとくれ」と言うと、炊くのを止めるのでした。
或る日、女の子の留守にお腹を空かしたお母さんは
「おいしいおかゆを炊いとくれ」
お鍋はおかゆを炊いてくれましたが、
止めさせる言葉がわかりません。
おかゆは鍋からあふれ、家からあふれ、町中おかゆで
いっぱいです。そこに女の子が帰ってきて
「炊くのをやめとくれ」
やっとお鍋は炊くのを止め、人々はおかゆを食べながら
家へ帰ったとさ。
鳥取の名峰・大山(だいせん)
もう一つは、鳥取地方の民話「さきざきさん」。
むか~し、あるところにおじいさんとおばあさんがおったそうな。
二人はさきざき(先々)のためにすこしばかりお金をためておった。
おじいさんの留守におばあさんはこの大切なお金を、盗賊に
「おれがそのさきざきさんだよ」とだまされてあげてしまいます。
・・・ひょんなことから二人は盗賊たちから逆にお金を巻き上げて、
大金持ちになったというお話です。
短気なおじいさんと、耳が遠いおばあさんのやり取りが
鳥取地方の方言でユーモラスに語られました。
老い先短いおじいさんとおばあさんがさきざきのために
貧しいふところからお金をためている所では、我が身を反省したり、
お金持ちになって胸をなでおろしたり・・・忙しかったです。
客5人の
Sさま、ステキなお話を熱演してくださって、ありがとう!
Sさまのお話を聴きながら、某家庭茶事の会に入会させて頂いて
本当に好かった!とつくづく思いました。
だって、こんな素敵なお話が聞ける茶事なんて、めったにありませんもの。
これから「お話」茶事がどのように進化していくのか、楽しみです。
岡山・クリスマスの茶事-1へ 3へつづく