暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

2019年「炉開き&口切の会」・・・(2)

2019年11月18日 | 暁庵の裏千家茶道教室



つづき)
次はUさんの初炭です。
大きな瓢の炭斗ですが、大きな炉の炭を置くと丁度釣り合いが取れて好い感じです。
直近の稽古日に初炭を稽古したので、炭手前はUさんに託して、Kさんと昼食の準備に取り掛かりました。

きっと席中では半年ぶりに炉を囲み、
炉縁を清める羽箒の動きに心躍り、
炭の大きさに季節の移ろいを思い、
湿し灰の撒かれる様子にご自身の手前を重ねたのではないでしょうか。


        霰唐松真形釜(美之助造) 

炭道具を以下に記します。
 炭斗  瓢(新瓢ではありませんが、友人から贈られた宝物です) 
 羽箒  シマフクロウ
 鐶   初代畠春斎造
 火箸  利休好 桑枝   清五郎造
 灰器  備前
 灰匙           清五郎造
 香合  染付木瓜     須田菁華造
 香   梅ヶ香      松栄堂
 
初炭の終了後に待合のテーブル席に動座していただき、昼食です。
四季弁当(戸塚区温石製)、煮物椀、八寸と一献をお出ししました。


        昼食の四季弁当と煮物椀

昼食後に亭主がKTさんに変わり、茶壷の紐莊りをお願いし、暁庵は後座の正客として腰掛待合へ座わります。
後座の迎え付けの銅鑼が7つ打たれました。
つくばってKTさんの打つ銅鑼の音に心をゆだね、ツワブキや小菊の咲く露地を進み、蹲の水で心身を清め、順次後入りしました。




四規七則のお軸はそのままで、上座に紐莊の茶壷、床柱に花が莊られていました。
花は白玉椿と花水木の照葉、花入は竹尺八です。
点前座には曲げの水指、その前に茶入と天目台が置かれ、台天目の設えです。
台天目は四畳半で行われ、客は暁庵、Kさん、M氏の3名です。
後方を見学席(椅子席)としました。



座が落ち着くと、襖が開き、N氏が縁高を持ち出しました。
「お菓子をどうぞお召し上がりください」
・・・早速3人で「亥の子餅」を頂戴しました。
再び、襖が静かに開けられ、台天目のお点前が始まりました。
口切の時もそうでしたが、客も見学者もN氏の流れるような袱紗捌きや清めの所作を真剣に見つめます。


       素晴らしい天目茶碗(灰潜天目)と天目台

天目茶碗(灰潜天目)と天目台はN氏のお持ち出しで、今まで蔵の奥深くしまわれていて、実際に使うのは初めてとのことでした。
いつにも増して、ゆっくりと丁寧にお点前が進み、濃茶が天目茶碗に掬い出され、天目台の上で練られました。
天目茶碗が小ぶりな上に、時代のある螺鈿が見事な天目台だったので、さぞかし練るのが大変だったことでしょう。

濃茶がたっぷり入った天目茶碗をバトラの古帛紗の上に置き、頂戴しました。
濃さも丁度好く、薫り高い濃茶が美味しく喉を潤していきます。
「お茶銘は?」
「松花の昔で、小山園の詰でございます」



天目茶碗と天目台の拝見は全員でさせていただきました。
恐る恐る・・丁寧に扱わねば・・と思いながら、皆様、熱心かつ慎重に拝見してくださって、とても好い経験になりました。
愛蔵のお道具をお持ち出ししてくださったN氏に感謝です。

続いてM氏の濃茶点前です。(つづく)


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