(帷子川沿いの八重桜の並木・・・4月8日撮影)
(帷子川の花筏・・・4月8日撮影)
あんなに待ち焦がれていた桜、4月7日(日)の「ひねもすのたり正午の茶事」の日まで何とか踏ん張って花を咲かせてくれた桜ですが、たった一日で緑の葉桜になりました。
一方で、4月8日は帷子川沿いの八重桜の並木が満開でした。
(アケビ、苧環、壷珊瑚を生けました)
卯月(4月)も半ばを過ぎ炉での稽古も最後になりつつあります。
卯月の奥伝の稽古は大円草(だいえんのそう)です。
大円草ですが、私にとってとてもユニークで不思議な点前と思っていました。いろいろな疑問がS先生のご指導や解釈のお話で、ベールが剥がれるように分かり易くなってきました。納得し理解できるようになると生徒さんに教えるのも気合が入ります・・・
(御軸は「白珪尚可磨」、太玄老師筆です)
裏千家流では3月は釣釜、4月は透木釜をかけます。
五徳を使う12月に行之行台子、1月から3月前半にかけて真の行台子と大円真を稽古するようにし、3月後半から4月になると釣釜や透木釜になるので、相伝(奥伝)は大円草を稽古しています。
大円草は円能斎が考案した相伝科目の一つで、大円盆に唐物茶入と唐物茶入、茶巾・茶筅・茶杓を仕組んだ天目茶碗をのせ、2種の濃茶を天目茶碗でお客さまに差し上げるお点前です。格は行之行台子と同等です。
大円盆は円能斎好み(真塗、径1尺2寸5分)と淡々斎好み(大円真用が真塗、大円草用が搔合塗となっている。径1尺)があります。当方は淡々斎好みの真塗を使用しています。
(炉中の炭の美しさに魅せられます・・・雲竜釜は2代畠春斎造)
許状を持っている生徒さんが次々と取り組んでいますが、最長かつ複雑な点前なので教わる方はもちろん、教える方も大変です。
最近は体力不足でして、大円草の初心者を続けて2名指導すると、もうクタクタになってしまいます。
それでも初心者が1回ごとに力をつけていくのがわかり、大円草の見学をしてもらったりしながら、3月と4月に2回指導しました。2回目になると、「炉のうちに習得できるかしら?」と内心思っていたのが、本人の努力もあり「まぁ!ここまで出来るようになるとは・・・(スゴイ!)」に変わりました。本人たちも少し自信が出てきたらしく
「先生、やっと大円草がわかってきてお稽古が面白くなってきました」
「風炉でも稽古しますから引き続き頑張りましょうね・・・」
(アケビと孔雀椿(だと思う・・)を生けました)
点前の順番、位置、所作(茶道点前の三要素)も複雑で大変ですが、茶道具の問答もとても大切です。茶道具の格を考えることで、点前の所作(道具の扱い)に気持ちが通うようになって欲しいからです。
こうして生徒さんに元気をもらったり、教わったりしながら(曖昧な箇所が確認できる)、一緒に大円草に汗しています。