鈍想愚感

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「桜を見る会」の政治資金規正法違反で、謝罪会見どころか、居直りを表明した安倍前首相にあきれかえった

2020-12-25 | Weblog

 安倍前首相が24日、国会内で記者会見を開き、自らの後援会が「桜を見る会」の前日に開いた夕食会の費用を後援会が補填していた問題について「会計処理は私が知らない中で行われていた」としたうえで、「深く反省し、国民に心からお詫び申し上げたい」と陳謝した。このことについて安倍氏は国会での野党議員からの追及に対し、118回にわたり虚偽答弁を繰り返してきた。こうした答弁に対し、「事実に反するもんがあり、政治への信頼を損なうこととなった。国民、与野党すべての国会議員に深くお詫び申し上げたい」とも語った。しかし、今後については「初心に立ち返って全力を尽くしていくことで、職責を果たしていきたい」と語り、責任をとって議員辞職するには至らなかった。口では反省の弁を述べたものの、いまの議員職には居直ることを明言し、改めて安倍氏に対する世論の反発は強まるのは避けられないこととなった。

 東京地検特捜部は同日、「桜を見る会」での安倍氏側の対応について、安倍晋三後援会代表の配川博之公設第1秘書を政治資金規正法違反の罪で東京地裁に略式起訴し、これを受け、東京地裁は配川秘書に罰金100万円を命じ、配川氏は即日納付した。特捜部の発表によると、配川氏は2016年~19年の4年分の後援会の収支報告書に、夕食会をめぐる計3022万円の収支を記載しなかった。内訳は参加者から会費として集めた計1865万円の支出で、差額の計708万円が安部氏側の補填分であった。配川氏ら共に告発された安倍氏に対して東京地検特捜部は嫌疑不十分として不起訴処分とした。その理由は「記載内容を把握していたなどという共謀を認める証拠はない」としている。

 ただ、一般に社員が不祥事を起こし、社会に多大な迷惑をかけた場合、当該企業の社長が公開の場に出てきて謝罪し、場合によっては辞任するケースが多い。今回の安倍前首相の場合、単に配下の秘書が行ったことで、「申し訳ない」とトップが頭を下げるだけで済まされる問題ではない。問題が発生してから2年間、ずっと国会の焦点になり、虚偽答弁を繰り返してきたことはいくら謝られてもゆるがせにできることではない。総理大臣の職にあって、前夜祭を開催したホテルへの問い合わせをはじめすべての仕切りを部下である秘書任せにして、自ら一度も確認の労を取らず、秘書の作成する答弁書を棒読みして、虚偽答弁をしてきた、というのは全く信じられない。そんな管理状態で、すべての国政に関する事務を執り行ってきたのか、と問いただしたい。

  今回の安倍前首相の不起訴がどのようあな経緯を辿って進められてきたのか、定かではないが、弁護士グループが安倍氏を政治資金規正法違反で検察に告発したのがきっかけとなったのは間違いない。それが不起訴処分となったのに対して、国民の多くはは納得がいかないと思っていることだろう。これを受けて検察審査会が処分不当と見て、再度検察の起訴を促し、最終的には強制起訴に行きつくのは間違いないところだろう。それまで安倍氏に対し、冷たい視線が注がれるだろう。それともうひとつ「桜を見る会」の招待者名簿、および招待基準、招待状発送の解明などの問題が残っている。「招待者名簿は破棄した」というのが政府側の見解であるが、これまでマルチ商法で多数の被害者を生んだジャパンライフの山口隆祥会長を安倍氏のいわゆる首相枠で招待した疑惑の解明も残っている。こうした問題を放置したままでは置いておけない、と思っている国民は多いと思う。「桜を見る会」のもたらしたものは深刻な課題が多く残っているのである。

 安倍氏は7年8カ月もの間、我が国の総理大臣の職を務めてきた。こんないい加減なフットワークで大事な国政の責を務めてきたことに驚きを隠せない気持ちである。国会議員のいずれもがそんな輩であるとは思いたくないし、たまたまカスにあたったのだ、と思いたい。が、安倍氏にはそうした国民の思いが全く届いていないようである。安倍氏は言葉では謝罪の意向を語っていたが、その責任の取り方について聞かれると、職責を果たしていきたいと議員職を継続する意向をはっきりと言明した。これでは謝罪会見どころか、居直り発言である。公正な国会の場において、虚偽答弁を百回以上述べたその政治的責任、道義的責任についてどう考えているのか、実況を見ていて、最後のいは実にあきれはてたお粗末な会見であった。

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