鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

異例の長寿番組だから様々な仮説が成立する「サザエさん」

2009-07-30 | Weblog
 29日朝、フジテレビの「とくダネ!」を見ていたら、冒頭、夏休み中の小倉智明キャスターに代わる笠井信輔アナウンアサーがいきな「サザエさん」の視聴率の話を取り上げていた。日曜日午後6時半から同じフジテレビで放送している番組の宣伝か、と思ったら、サザエさんの視聴率と景気が反比例する関係にある、という。つまり、サザエさんの視聴率が上がると景気が下がり、逆に視聴率が下がると景気がよくなる、という信じられない話をする。
 本当かな、と思っていたら、フジテレビグループのサンケイ新聞が同日、経済研究所の大和総研のアナリストが分析した記事を見せながら解説する。それによると、昨年のリーマン・ショック以前にはサザエさんの視聴率は16%くらいだったのが、ことし3月には19%台になったという。一方、東証株価指数のTOPIXは1400だったのが700に低下した、という。同記事はさらに歌手のドリーム・カム・ツルーが流行ると景気がよくなるサザエさんの視聴率と逆の関係にある、とも書いている、という。
 笠井アナの解説によると、「サザエさん」は日曜日の夕刻の放送されるので、それを家庭で見ているということは家族そろって外食したり、旅行に行っているのではなく、消費支出の拡大につながらない。番組自体も質素な昔の生活を描いており、地味な昔ながらの生活を彷彿とさせるだけで、そんな番組がもてはやされる、ということは景気が落ち込んでいる証拠だ、という。日曜日の夜は明日じから仕事だ、と思うとブルーな気持ちになり、サザエさんを見た証券関係者はそのまま週明けの取引開始に臨むことになる、という。逆にサザエさんの視聴率が低いということは外出している、ということで、なんらかの消費活動をしている、と推察される、というのだ。
 同じ大和総研のまとめたところによると、人気アーチストの「ドリカム」の歌は元気がよく、聞けば気力が湧いてくるからか、年2回のテレビタレントのイメージ調査に基づき人気度を算出したら、平成14年以降景気の動向と相関関係が見られた、という。
 この調査をまとめた大和総研のチーフクオンツアナリスト、吉野貴晶さんは3年前に景気とサザエさんの反比例関係について本も書いている、ということで、その筋では有名な話ということだが、どう考えても結果論的な話でにわかには信じ難い話ではある。株価は確かにきちんとした数字であるが、視聴率は統計学的には根拠があるとされているものの果たしてそれだけ視聴者がいるのか、いつだって疑問のある数字だけにそんな数字をもとにいかにも学説みたいな理論を組み立てても眉唾の感は否めない。
 サザエさんの視聴率がいまどれくらいかはわかるにしてもそれで株価の動向が予測できるものでもなく、あくまでも後付けした、ということに過ぎない。
 それにしても「サザエさん」は1948年4月22日に福岡の夕刊「フクニチ」に連載が開始され、その後51年4月11日から朝日新聞夕刊に掲載されるようになり、フジテレビでは69年10月5日からアニメとして放送開始となった。ということは以来40年になるという異例の長寿番組となる。そんなお化け番組だから、様々な仮説が組み立てられる、ということなのだろう。
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