鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

美術の一大集積地となった六本木

2007-04-30 | Weblog
 連休の29日は2月に完成なった東京・六本木の新国立美術館へ行った。地下鉄千代田線の乃木坂駅の6番出口を地上へ出るとそこは新東京美術館の入口で、美術展のチケット売り場がすぐ横にある。同時に2つの美術展を開催しており、一緒にチケットを買うと3000円のところ、200円割引する、となっている。しかし、2つもハシゴする気はないので、1人1500円也でお目当てのモネ展のチケットを買い求める。丁度お昼時とあって、入場まで20分待ちということだ。なぜか、モネはじめフランス19世紀の印象派の画家は日本人に人気があるようだ。
 15分くらい待って、中へ入ると、入場前の4列のまま絵画観鑑賞するといった感じで、超満員。人の頭越しにチラチラと絵を眺めながら、通り過ぎていくしかない。とてもやったりとタイトル、制作年、所蔵者をじっくりと見ている余裕はない。一番前に出ればよく見られるのだが、牛歩の歩みで絵を見ているとイライラしてくる。モネの絵でも、なかには一目見るだけで十分の絵もあるからだ。絵心ある人なら、構図から絵筆のタッチや、色使いなど十二分に時間をかけて鑑賞するのだろうが、残念ながらそこまでの絵心はない。
 それでも見慣れた睡蓮の絵や、日傘の女性などモネの絵を見るとホッとする。昔、中学校の先生にこうした美術展で、一つだけいい絵を見ればそれで十分、と聞いたことがある。それでいけば、今回は「モントルグイユ街、1878年パリ万博の祝祭」がなぜか気に入った。パリがお祭りで賑わう雰囲気がよく出ていて、いい絵だ、と思った。帰りがけに即売コーナーでそのパリ祝祭の絵のA3サイズの複製画を購入し、家に持ち帰って、額に入れて飾ることにした。
 出口に近いところで「モネを訪ねた日本人」と称して、モネに関わった日本人の消息が展示してあり、そのなかに30年くらい前に仕事でお世話になった人の名前があったのにはびっくりした。久我太郎といって石油会社の役員をしていた人で、小さい時に父親とパリに居たことがあり、モネとの親交を絵にしていた、というわけだ。嬉しい発見であった。
 ともあれ、六本木にはこの新国立美術館と東京ミッドタウンにサントリー美術館、そして、六本木ヒルズに森美術館と上野に対抗して一挙に一大美術地域が誕生したことになる。確か日展が今年からこの新国立美術館で開催されることにあんっている、と聞いている。六本木が夜の街から昼・夜の街へ確実に変わりつつある、ということか。
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