鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

なぜか不振極めるマンガ市場

2007-04-17 | Weblog
 少子化の影響か、このところマンガ市場が低迷している。かつて発行部数1000万部を誇った週刊少年ジャンプはいまや4分の1強の280万部にまで落ち込んでいる。全体でも95年には3400億円近くあった年間の販売金額が06年には2300億円程度にまで減少してきている。幸い、コミックス(マンガ単行本)は年間2500億円の市場規模を保っているものの、マンガ雑誌に連載したものをコミックスにすることで、二重に収益をあげてきた講談社、小学館など出版大手の収益構造が崩壊しつつある。この先10年、さらに半減する、との厳しい予測も出るほどで、世界でマンガ、アニメの日本としてもてはやされていることにも赤信号がともり始めている。
 出版科学研究所によると、週刊少年ジャンプだけでなく、週刊少年マガジンも95年に410万部だった発行部数が06年には215万部に、週刊少年サンデーも同じく140万部から100万部に、ヤングジャンプも同202万部から100万部に、大人向けのビッグコミックスピリッツも同110万部から39万部に、コミックモーニングも80万部から43万部に、少女向けのりぼんも同218万部から40万部に、別冊マーガレットも同73万部から32万部へと軒並み部数を大きく下げている。この間わずかにコロコロコミックとちゃおだけが部数を伸ばしているが、部数そのものが少なく焼け石に水といった感じで、全体の趨勢を変えるまでには至ってない。
 マンガの減少に引き替え、コミックスは堅調で、05年にはマンガの市場規模を上回ってしまったが、これもマンガ全体の不振を補うまでにはなっていない。
 なぜマンガ市場が不振なのか。1つにはやはり最大のターゲットである子供の数が年々減少していることがあげられる。2つには携帯電話の普及で、携帯電話を経由したゲーム、アニメに金額面でもコンテンツ面でも代えられてしまっていること、そして、3つには子供を含めて多種多様なエンターテインメントが出現してマンガ離れ減少が出てきたことがあげられる。市場が縮小すれば、マンガ作家としての才能も寄ってこなくなり、面白い作品が生み出されなくなる悪循環も始まるだろう。少子化が続く限り、マンガ市場の縮小は避けられないだろう。
 出版市場は04年を除いて97年以来、減少の一途を辿っており、97年には2兆6374億円だった市場規模が06年には2兆1525億円にもで減ってきている。マンガ市場の縮小も大きいが、ダカーポの最近号に各界の名士による20年後の業界展望が出ていて、出版業界は新聞と並んで下位に位置付けられていた。趨勢を見る限り、だれしもそう思うことだろう。しかし、出版は文化の一翼を担っている。それなのに、こんなことで果たしていいのだろうか、と思う。
 
コメント
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