鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

醒めたワールドカップ熱

2006-06-23 | Weblog
 ワールドカップで日本の最終戦とあんった対ブラジル戦が実力通り、1対4のスコアで敗退し、予想通り日本の1次リーグ敗退が決まった。初戦の対オーストラリア戦で1対3で破れたことが最後まで響いた。2戦目の対クロアチア戦を引き分け、まずブラジル戦を2点以上の差をつけて勝たない限り1次リーグを突破できないことになり、ここ数日、テレビで”僅かな望みをつないだ”という接頭句がついてワールドカップが放送されるようになっていた。優勝候補のブラジルに2点以上差をつけて勝つことなんてありうる筈がないのだが、すでに1次リーグ突破を決めているブラジルが控え選手を使ってくるとか、ジーコ監督がブラジル出身だから頼み込めばなんとかなるのでは、という後で考えればありそうもないことが巷間言われるとひょっとしたら、という気になってくる。
 しかし、蓋を開けてみればやっぱりだった。最初から全力でいった日本が前半1点をとったところでは、わずかに期待を抱かせたが、前半終了間際に同点とされたところで、もう勝負あった、という感じだった。先取点を取った玉田圭司選手が終了後のインタビューで、「あれでブラジルの選手を本気にさせてしまった。顔付きが違ってきた」と語っていた。
 後半、ブラジルに立て続けに2点を取られると、もうブラジルの余裕のペース。自陣でも相手陣地でもボール回しをして、日本選手にボールを触らせない。あげくの果てに、後半36分にロナウド選手が決定的な4点目のシュートを決めて、ジ・エンド。
 日本の敗退が決まった。終了後、中田英寿選手が観客席に向かってか、参りましたと言わんばかりに大きく頭を下げていたのが印象的だった。その後10分以上、ピッチの上に仰向けに横たわり、タオルを顔の上に乗せたままの状態でいたのもいままでにない映像であった。恐らく、中田選手はこの大会が最後のワールドカップで、もう4年後のワールドカップに出場することはないであろう、最後に有終の美を飾れなかったのが悔しいのだろう。そんな思いを自らかみ締めていたのだろう。この間、テレビはジーコ監督と玉田、中村選手の敗戦の弁を聞くインタビューを流していた。中村俊輔選手は最初、質問されても20秒くらい、じっと黙って感情を押し殺していたのも悔しさがにじみ出ていた。
 王者、ブラジルとの実力の差をこんなにも見せつけられると、日本のサッカーって一体何だったんだろうか、という気にもなってくる。ジーコ監督は4年間、日本のサッカーをどう指導してきたのだろうか。一説にはジーコ監督には4年間で20億円の報酬を払った、と言われている。こんな悲惨な結果にあんるのなら、その半分でも返せ、と言いたくなる。
 ワールドカップ狂想曲で、世界中がサッカーに明け暮れる。小泉首相がジーコ監督に日本が決勝に出るようなら、応援に行く、と言った。小泉首相なんかに応援に行ってもらいたくないが、諸外国でも国家元首自ら応援に行くのが当たり前になっている。平和な世の中をサッカーで楽しみたいのか、いやつらい世のうさをサッカーで忘れたいのか、よくわからないが、サッカーファンでない人から見ると異状な盛り上がりようだ。
 米国にはワールドカップに反対するグループがある、という。日本にはそこまでアンチ ワールドカップの動きはないようだが、今回の余りにも実力差の出た敗退ぶりには改めて、異常なワールドカップ熱を醒ますこととなるのは避けられないことだろう。
 
コメント
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