鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

トヨタ自動車の苦悩

2006-05-20 | Weblog
連結決算で売上高が20兆円を突破し、GM(ゼネラル・モーターズ)を抜いて世界一になることがほぼ確実となったトヨタ自動車に足元から火の手があがっている。北米トヨタの日本人女性社員がトヨタ自動車を相手どって総額213億円にものぼるセクハラ訴訟を起こしたからで、まずトヨタ側が敗訴する可能性が強い、という。そこで、不思議なのは米国では提訴の内容が克明に報道され、原告の顔写真まで掲載されているのに、日本では一切伝えられていないことだ。マスコミはじめメディア各社が大スポンサーであるトヨタに気を遣って自主的に報道規制しているからに他ならない。
米ビジネスウィーク誌5月 22日号の46ページから3ページにわたって「こばやしさやか」なる42歳の日本人女性が大高英昭・北米トヨタ自動車前社長から何時、何処で、いかにセクハラを受けたかが事こまかに書いてある。しかもカラーの全身の写真すら掲載してある。例えば、2005年9月6日、大高社長はビジネス旅行に彼女に同行を求め、さらに夜、ホテルの部屋に来るように強要し、2005年10月17日には大高社長は彼女にグリィーティングカードとネックレスを送った、といった具合いにいくつかの事例を詳細に伝えている。
これに対し、トヨタ自動車は大高社長を今月8日付けで退任させるとともに、内定していたダイハツ工業の監査役就任も取り消した。渡辺捷昭トヨタ自動車社長は「トヨタはセクハラ、差別を容認しない。必要で、適切な措置をとる」と語り、早速、ハーマン元労働長官をトップとする特別対策チームを発足させた。
トヨタ自動車は最近、米フォーブス誌が選ぶ「米国でもっとも尊敬できる企業ランク」に日本企業として初めてトップ10入りしたうえ、2006年3月期連結決算によると、売上高は前期比13.4%増の21兆 369億円と世界一のGMの約21兆3800億円に迫った。
セクハラ訴訟はこの栄光に水をかける出来事である。米国の消息通によると、過去のセクハラ訴訟を見ると企業側が敗訴するケースが圧倒的に多いし、訴訟額がそのまま認められる可能性が高い、という。
世界のトヨタの面目がつぶれるのもいい気味だが、それにしても日本のマスコミ各社はじめメディアの及び腰が気になる。
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