MAICOの 「 あ ら か る と 」

写真と文で綴る森羅万象と「逍遥の記(只管不歩)」など。

美味は出会いとタイミング「鯛の兜煮」

2014年03月01日 | たべもの・料理

今日から「弥生三月」でいよいよ本格的に春となる。
弥生の語源については「奥義抄」に、
「風雨改まりて、草木いよいよ生うるゆゑに、いやおひ月というを誤れり」とあるように、
「いやおひ」が転じたもので、「弥生」には草木がいよいよ生い茂ると言う意味がある。

と言うことでこれからは天然の美味しいものが出回ることだろう。

先日紹介したブロッコリーや、
今回紹介する鯛のかしらなど、
結局は素材の良いものに出会ってこそ、
「美味なるもの」を味わうことが出来る。

ブロッコリーはスーパーに行く度に見ているが、
前回紹介したような素材には出会ってない。

で・・・・今回であったのは、
色が良く、大きくて安くてしかも天然物の鯛のかしら。
これほど大きいものはスーパーではなかなか出会うことはない(巻頭の写真)し、
これよりもずっと小さな色の悪い養殖物が別のスーパーでは380円だったから、
この200円と言う値段もまた破格ものであった。

まずは包丁で鱗取り。
細かなものは取れないが30秒ほど湯通しすると綺麗に取れる。


普通は、酒1、味醂1、醤油1、砂糖適宜の割合で煮込むが、
今回は酒がなかったので水で代用し、
落し蓋はアルミホイルで代用して煮込んでいった。
煮込んでいるときに、スプーンなどで煮汁をかけながら煮込むのが良いとされているが、
今回は、煮込んだ後のニコゴリ(コラーゲンたっぷり)を楽しみたいので、
やや多めの煮汁で煮ている為、煮汁掛けの必要がなかった。


5分ほど火を通し、火から下ろして冷めたら(味を身に浸みこませるため)、
再び火を通して出来上がる。
そのまま煮汁を付けながら4分の1ほどをたべたが、
十分に中までは味が入り込んでいなかった。(翌日には味が浸み込んでいた)
処理に丁寧さがなかったのがやや失敗で、皮が破れ出来栄えは良くなかった。
が、美味しさは抜群だった。


おかずと言うよりおつまみ的な味付けにしたので、
夜食でも細かな骨から身を外しつつちびりちびり食べたが、
後を引く美味しさだった。
というか「早食い」の人には向かない料理でもある。

残りの半身は深皿に入れて冷蔵庫に・・・
翌日には煮汁が固まって美味しいプルプルのニコゴリを堪能できた。


金目鯛のニコゴリが一番美味しいとされているが、
以前食べた金目のニコゴリの味はもう記憶にはない。

なお、魚の臭みを取るために生姜などを入れるが、
鯛の場合には湯通しのみで十分である。
また、薄味のニコゴリではやや魚臭みも残るので工夫の必要はあるかもしれない。

で・・・・
翌々日も鯛を手に入れた魚専門のスーパーに行ってみたが、
「おかしら」は販売していなかった。

やはりいいものに出会うチャンスは少ないと言うことで、
いい物を見分ける目と値段にかかわらずに手に入れるということが、
美味しいものを堪能する条件のようである。
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