MAICOの 「 あ ら か る と 」

写真と文で綴る森羅万象と「逍遥の記(只管不歩)」など。

阿里山のゆで卵

2005年05月28日 | たべもの・料理
その「ゆで卵」は、直径1メートル近い大鍋の黒い液体の中で煮込まれていた。
「おいしいよ」と言う店員の呼び込みに誘われるままに立ち止まってみると、簡素な店の中では4~5組の観光客がおいしそうに食べていた。現地のガイドも「阿里山名物だよ、おいしいよ」と奨めるので中に入って即注文。1個のつもりが3個も食べ、お土産まで買った。

やや黒い卵を例えれば、日本で販売されている燻製卵に似ているが、半熟気味であることと塩分が少なめで「絶妙な味」だった。ガイドによれば黒い液体の正体は「烏龍茶」ということだった。茶葉ごと何日もかかって煮出しているのだという。
作り方や材料を調べれば誰にでも「普通に作れるゆで卵」になるはずなのだが(当然名物にはならない)、阿里山駅は海抜2170mにある。つまり沸点が違うのである。さらに阿里山周辺は高級烏龍茶の産地でもある。こんな諸条件があってこそのゆで卵だったのである。
台湾で食べたものの中で最も忘れられない味として今でも残っている。夏場の竜眼も美味しかった、枝ごと買って来てはホテルで食べていた(虫に食われていることもあり初心者には勧められない、挑戦したい人はぜひ現地の人立会いで)。

なお、台湾の阿里山へは、海抜30mの嘉義駅から海抜2170mの阿里山駅(現在は閉鎖中で「阿里山臨時駅」が近くに出来ている)、さらに日の出の名所「祝山駅」(海抜2216m)などを走る、世界有数の登山鉄道「阿里山森林鉄道」を利用するか、嘉義駅からタクシーで行くことになります。
いずれにしても行きか帰りは、竹林やバナナ畑や茶畑や熱帯原始林の中をのんびりと走る森林鉄道を利用し、南国独特の光景を楽しんでほしいものである。

観光客の殆どは阿里山駅周辺のホテル街に一泊し、早起きして再び森林鉄道に乗り祝山展望台に日の出(御来光)を見に行くことが目的のようです。ということは、登山鉄道や御来光に興味の無い方には、高山病の危険を犯してまで行くところではないかもしれません。


絵は、祝山駅の「日の出展望台」から見た玉山(日本名ニイタカヤマ)からの日の出です。

p/s
5/28日の昼のTV10で、烏来温泉など台北を中心とした台湾特集を放映していたが、そこで、コンビニの「茶葉たまご」なるものが数秒紹介されていた。もしかすると同じ類のものかもしれない。
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