駐車場のある小さな公園で昼食を取りながら、
境界線の植え込みを見ていると、
桜の蘂などが溜まったところに網目模様の奇妙なキノコを発見した(巻頭の写真)。
おぼろげな記憶によるとこれがアミガサタケと呼ばれる茸であろうと思った。
が、初めて見るものなのでネットで調べる資料として写真を撮った。
その光景を車の中から見ていたらしく中年男性が声をかけてきた。
「何を撮っているんですか?」
「変なキノコを見付けたので調べようかと・・・
多分アミガサダケではないかと思うのですが」と、私。
そのキノコを見ながら
「あっそれは食べられないよ、ほこりのような胞子がたくさん出るキノコなんだよ」
「あっ、そうなんですか、はじめてみるキノコなので調べてみようかと思って撮ったんですよ」
互いに時間に迫られる状況ではなかったので、そのまま立ち話が続いた。
全国を車に乗って旅をしていて、
所要の為数時間前に青森の竜飛岬から帰ってきたこと。
自宅が公園の近くであること。
旅をしながらパソコン通信でブログの発信をしているが、
家族や親族に居場所を知らせる為のものという、
非常に個人的なものなのでURLは教えられないこと。
車にはパソコン、デジカメ、海釣具一式、寝具、着替え等‥が積んであり、
時には車中泊もするという。
ただ、
奥さんに先立たれての一人旅なので、
気ままではあるが「妻のいない寂しさは払拭できない」ことなどを吐露していた。
さらに話は続いて、
「出身地は?」
の問いに「茨城です」と答えると、
「俺もそうだよ、茨城のXX市に疎開していてそのまま住み着いて、
40数年前今の家に越してきたんだよ」
「あっ、奇遇ですね、私はそのXX高校の卒業生です」
「えっそうなの、俺はその高校の裏手にあるお寺の檀家で、今でも法事はそっちでやってるんだよ」
と・・・・さらに私が高校時代によく登っていた筑波山にもよく登っていたらしく、
お互いに急な親密感を感じることとなった。
当時はケーブルカーの線路が無かった等(戦争による供出の為)、
四方山話は一時間以上も続いた・・・。
私が時折行っている「大町公園」にはよく行っているとのことで、
「公園で逢った時はよろしく」と言って別れた。
お互い名乗ることは無かった。
その大町公園は「キショウブ」が見頃となってきた。
緑一色の雑草の中の黄色の花はこの時期ならではの美しさが有る。
リュウキンカもよく目立っている。
まったく見ず知らずの人に声を掛けられ、
偶然にも同じ郷里だった人はこれで2人目となった。
最初の一人は、海上自衛隊時代に教錬の柔道で怪我をして入院したときで、
たまたま隣のベットに入院していた人が、高校の同窓生で10年程先輩だった。
アミガサタケは食用として欧州では人気のあるキノコのようである。