昨日同様良く晴れ渡った秋日和の一日だった。
こまごまとした雑事を済ませ、11時過ぎから大津川へ釣りに出かけた。
大津川の水流はいつものごとくだったが、
濁っていて「釣れない」予感がしたものの釣り糸を垂れた。
濁っていたのは上流で大津川の拡幅工事のための橋の架け替え工事をしていたためだった。
やはりなかなか魚信(あたり)が無い。
いつもなら第一投目から釣れるのだが・・・
釣りを始めて約30分後、目的のオイカワ(この地方の通称は「やまべ」)が釣れた。
12~13cmと言うまあまあサイズのメス(下の写真)だったが、
以後は釣れそうもないのでこの一匹だけで引き上げた。
喉が渇いてきたので近くの格安自販機へ直行。
標準価格120円のものはすべて100円と言うこともあって、
大津川に釣りやポタリングで来た時は必ず利用している。
自販機で清涼飲料水を買っていると、見知らぬおじさんが声を掛けてきた。
見るからに私より年上の人だったが、言葉遣いが丁寧で、
私の方が恐れ入ってしまうような敬語の入った丁寧な言葉だったのである。
「いいカメラ持っていますね、SONYですか?」
「はい、でも元はミノルタのようなもので古いレンズが使えるのが良くて使ってます」
「ミノルタって言えば、コニカと一緒になった・・・」
「そうです、一時期はコニカミノルタだった」
「私は前は幡ヶ谷に住んでいまして、近くにコニカの工場があり・・・云々」
コニカの初期の頃のカメラを使用していたと言う話であった。
立ち話をしてる間、近くの下総基地のP3Cがしきりなしに飛んでくる。
基地は現在海上自衛隊のパイロットの養成学校があり、
その学生たちの操縦訓練の一つ「タッチアンドゴー」が行なわれているのである。
自衛隊のことや、基地際のことや、春の滑走路ウォークなどとりとめのない話をしていた。
話の中で、おじさんは結構な健脚のようで今度の日曜日は、
埼玉で行なわれる50Kmウオーキングの大会に参加するのだそうだ。
フルマラソンも走ったことがあるとか、高柳から印旛沼まで歩いていったとか・・
凄いのである。そしてなんと年齢が75歳というから更に驚いてしまった。
別れ際も帽子を脱ぎ深々と頭を下げるほどの丁寧さだった。
最近「忘れる」ことが多くなり、人と話をすることが「学び」なのだそうだ。
私もお礼をいい「会った時は何時でも声を掛けてください」と言って別れた。
この周辺には、あちこちにコスモスが咲いている。
花壇と言うよりは下記の写真のように畑の隅っことか、道端とかに咲いているのである。
今日の日没は太陽の中に焼却場の煙突がシルエットとなって写り込んだ。
上記の写真を撮ってから近くのスーパーに買い物に・・・
その帰り道
杖をついたおばあちゃんに花壇のところで声を掛けられ、花の名前を聞かれた。
花の名前は判らなかったので答えられなかったが、
話題が次の花に移った。
その花は「天使のトランペット(キダチチョウセンアサガオ、ダチュラとも)」だった。
で、何とか花の名前を教えることが出来た。
別れ際おばあちゃんはこんなことを言っていた。
最近は物忘れが多くなり、前に教わった花の名前なのに忘れてしまったことがあり、
今は、買い物に行く時に花壇を見て花の名前を思い出すようにしていると・・・
そのおばあちゃんの年は87歳だった。
おばあちゃんのその努力には敬服してしまった。
買い物から帰ってベランダを覗くと、夕焼けの残照が残っていた。
撮っていた時は気づかなかったが、糸のような三日月が写っていた。