WALKER’S 

歩く男の日日

遍路宿あれこれ

2016-04-22 | 16年四国の旅

 昨年は全部歩いて、全部の札所で納経して、予定通り今までで最短の28日で一巡できたというのに、どうしてでしょう、足を痛めて途中で帰ってきた今年の方が満足度が高いというのは。
 昨年は全部歩きのためにどうしても全ての宿が◎という訳にはいかなかった。知らない宿で最悪の宿も一つあったし、微妙な宿も一つ、素泊まりの宿も二つあり、当然夕食の楽しみもなかったし、◎の宿でも同宿者がいなくて楽しめないことも3回あった。同宿者がいても嫌な感じの人で気分が悪かったり、あまり話ができなくてそんなに楽しめないこともあった。よく考えてみれば、昨年宿がよくて同宿者にも恵まれて楽しかったのは、宍喰の民宿えびす、うまめの木、旅の宿美園、高知屋、民宿田村、磯屋、ときわ旅館、笛ヶ滝、善根宿うたんぐら、の9軒、全体の3分の一でした。それに対して今年は評判の宿に泊まることを目的に計画を立てたから、それは満足のいくことが本当に多かった。同宿者のいない宿も3軒あったのですが、それはそれでとても感じのいい宿で満足できたし、1軒だけ評判がよく判らない宿を選択してそれはかなり残念な宿ではあったのですが、同宿者が佐藤さんだったので結構楽しめてしまったので、結局のところ泊まった21軒全部とても楽しめたしよくしてもらえたし、本当にいい旅ができたなあという感慨を持つことができています。歩き遍路というのは大変な旅です、ぼくのように40km歩かなくても、30kmでも20kmでも1日中歩くというのは本当に過酷なものだしそれを何日も何十日も続けるというのは誰にとってもたとえようのない厳しい戦いになると言ってもいいかもしれない。だからこそ遍路宿の存在は大きい。その迎え方一つで1日の疲れが一瞬にして吹き飛んでいくか、さらに深まっていくかの分かれ道にもなる。だから選びたい、できるだけお遍路さんのことを考えてくれている宿を。だから、ぼくは邪魔にならないように気をつけながら遍路宿情報を配り続ける。本当に心からくつろげる宿にできるだけ多く当たることができるように。
 今年何がうれしかったといって、ぼくのあのコピーを本当に大声を上げてくれて喜んでくれた人が二人いたことです。久百々の同宿者の山口から来た佐々木さんと渋谷区から来た横澤さんです。くももの女将さんもいい人に出会えたねえと二人に言ってくれました。もうひとり美園で同宿だったカナダから来たナジャさんも心から感謝してくれました。若い女の人にああいう形で言葉を、しかも英語でかけてもらうことなど皆無なので、ほんとうにどうしていいか判らないくらいだったし、自分勝手に思いこんで続けてきたことではあるけれど、間違ってはいなかったのだと認めてもらえたようで本当にうれしかった。へんろみち保存協力会を立ち上げた宮崎さんもお遍路で一番は人との出会いだと言っておられます。歩くこと、お参りすることはもちろん一番基本でしっかりしなくてはいけませんが、それにもまして人との出会いをいかに大切にするか、楽しめるかが大きいことだと今回身をもって学ばせていただいたような気がします。

コメント (2)