WALKER’S 

歩く男の日日

初日 バス停鳴門西(鳴門市)~しげる旅館(吉野川市)

2015-05-15 | 15年四国の旅

今回は6年ぶりに納経をするし、そのために写経もしてきたし、オンタイムのブログの方をしっかり書きたいとも思っていたので、帰ってからのブログは書くかどうかはっきり決めてはいなくて、写真もいつもほどは撮りませんでした。昨年までは写真を撮るときに同時に書くことを考えることが多かったので、2ヶ月以上経っても写真を見れば書くことが思い出しやすかったのですが、今回は全く考えずに何となくシャッターを押すことが多かったので、あまり臨場感のあることは書けそうにありません、と先ずは言い訳をしながらふり返っていきたいと思います。


 家を出るときから雨が降っていて、電車の中、バスの中、ずっと降っています。特にバスの中では視界が100m未満になるほど激しい降りもあって、初日からついてないなあと気落ちしていたのですが、四国に上陸する頃からほとんど上がってきました。バスから降りたときには傘を開きませんでした。
 バス停を出発したのは8時45分、2番札所に向かって歩き出します。2年前は3番からお参りを始めて鴨島駅前の宿に着いたのは16時45分、今回はもうちょっと余裕を持って早く宿に入りたいので、6番からお参りを始めることにしました。大好きな3番から4番へ向かうへんろみちは最終日88番から戻ってくるときに歩くことになります。
 2年前はバス停から2番へ向かう道を間違えてしまって10分もかかってしまったのですが、今回は慎重に正しい道を歩いて8分25秒、ベストを更新する快調な歩きです。2番の門前からは点線の近道がありますが、少し登ったりするのでぼくはもっぱら県道を歩きます。門前から250m、県道からへんろみちに入るところで第一歩き遍路さん発見。地図を見ながらうろうろしていたのは60歳台と見られる西洋人男性でした。2番のお参りは終えたはずだから3番への道を知りたいのだろうと思いきや、ニバンニバン、と言うから行き過ぎてしまったようです。指さして教えてあげたら安心してそちらに向かいました。
 そこから1kmほど歩くと第二歩き遍路さんに追いつきました。追い抜くときに挨拶すると、なんと若い西洋人女性でした。これにはさすがにびっくりしました。6年前までは四国を一周して出会う西洋の人は多いときでも5人ぐらいまででした。それが初日にしかも最初に出会った人と2番目に出会った人が共に西洋の人ということは、いかに外国のお遍路さんが増加しているかということにほかなりません。
 2番から3番の前の交差点まで23分08秒、ベストタイでした。6番までの道は日帰りや別格区切り打ちの時にも歩いていてたくさん写真も撮ったので、カメラを出す気にはなれなくてひたすら歩くことに力を注ぎます。


 4番には行かずへんろみちをはずれて5番の近くにある羅漢郵便局の前までやってきました。33分59秒、ここまでのタイムは計ったことはないので比較はできないのですが、時速で計測してみると予定より1分ほど早かったようです。


 郵便局の近くにお茶の用意もしてある休憩所があるのですが、まだ距離が短いのでもう少し歩くことにします。


 10時16分、羅漢郵便局から2.3km、ぼくにとってはおなじみの小柿休憩所に到着しました。日帰りでも別格区切り打ちでもここまで来てまたバス停に引き返すということをしました。1時間半歩いたので初めての休憩をとります。羅漢からここまでの時速は6.62kmでした。文句のないいいペースです。


 休憩所を10時35分に出発、22分で6番札所に到着です。羅漢からのトータルで見るとベストタイでした。ここまではまだ思うように身体が動いてくれています。今年初めてのお参り、そして納経です。四国での納経は6年ぶりになるのでやっぱり少し緊張します。日曜日なので車遍路は境内に多数見られるのですが、歩きの人はいないようです。3番の近くの宿から出発した人ならまもなく追いつきそうな時間ではありますが。


 11時25分、7番札所十楽寺に到着、安楽寺から1276mを10分46秒で歩きました。時速にすると7.09km、7kmはこういう短い距離でないとなかなか出ません。また油断して味わいながら歩いていると簡単にベストより遅くなってしまうから知らずのうちに力が入ってしまいます。お遍路には無用のことなのですが。境内にはやはり車遍路の人でにぎわっていたのですが納経は滞りなく済ませることができました。


 昨年は37番からだったので高速道路の上から眺めるしかなかった熊谷寺の山門の前までやってきました。12時15分、十楽寺から3770mを34分ジャスト、時速は6.65kmでした。平地で体力に余裕のあるときはこれぐらいのスピードがベストになります。
 撮影していたら見るからにベテランの女性が追いついてきました。道中見かけなかったから逆打ちなのかもしれません。境内でもようやく歩き遍路さんを何人かみかけました。3番からだと17kmはあるから5番の門前の宿から来たと思われます。熊谷寺の納経所は6年前来たときには朝一でBGMにモーツァルトのピアノコンチェルトがかかっていたのが忘れられないのですが、今回はBGMはありませんでした。


 12時58分、9番札所法輪寺に到着、8番から2049mを17分32秒、時速は7.01kmでした。大部手前からお寺が見えているので最後はどうしても焦って力が入ってしまいます。まだ全然疲れてはいないようです。


 13時45分、10番札所切幡寺の山門に到着です。ここから本堂まで333段の長い長い階段があるのですが、札所間の距離および時間は原則山門から山門までということにしています。法輪寺から3634mを33分21秒、今までで最高のスピードです。時速は6.54km、初日ならではの馬力というところでしょうか。本堂に上がる途中で2人の歩き遍路さんに追いつきました。境内にもそれらしいザックがベンチに並んでいます。相変わらず車遍路の人も多く、納経所ではしばらく並びました。宿まで9km、休憩はとらないのでここで本日2回目にして最後の休憩です。


 切幡寺の山門を出たのは14時27分、何とか16時には着けそうですが、夕食と朝食を調達するので微妙なところです。階段を登って吉野川の土手に上がってきたところ、吉野川と行っても広大な中州の北側の流れで正式には吉野川とはいわないかもしれません。この手前の休憩所で年配の夫婦連れが休んでいました。その手前でも二組の若いカップルを追い抜いて、本日は合計14人の歩き遍路さんに出会ったことになります。最後の6人はおそらく安楽寺の宿坊に泊まった人たち、とすればずいぶんゆっくりです。本当なら向こうの本流を超えても追いつけないのが普通でしょうから。


 旧渡し場へ向かう道の分岐点、6年前にも撮影したけれど大雨でうまく撮れなかったので撮り直しです。昔のへんろみちだと判っていて歩けないのは何とも歯がゆい感じがします。


 3年ぶりに本流の沈下橋、川島橋を渡ります。鴨島駅の近くに出る阿波中央橋は6回、こちらは5回目です。なにぶん鴨島駅の近くの宿に泊まることが多かったもので。


 川島橋を渡りきると階段を登って右折するのが今のへんろみち、過去4回はそちらの道を歩いたのですが、今回は気になっていた昔のへんろみち、渡し場跡からの道を歩きます。ただしへんろ地図にある赤点線の渡し場跡に向かう川岸の道はじゃり道で歩きにくそうだったので土手に上がって舗装道を歩きました。なにしろ渡し場までの道は昔もだれも歩かなかったはずですから。そうして、渡し場から土手に上がってきたところが上の写真です。道が交差してややこしいのですがちゃんと標識のポールに矢印があります。


 上のポイントから渡し場があったであろう方面を眺めると、点線の渡し場から土手に上がってくる道は全く見あたりません。舗装道を歩いて大正解でした。渡し場がなくなって何年になるか知らないけれど、それ以降何度も大水が出て河原の道なんかあっという間に消滅してしまうのも道理です。


 土手から200m南へ進むと左折ポイントに古い道しるべがありました。ぼくの作ってきた地図にはない新しい大きな道ができていて少しとまどったのですが、これを見て安心して左折します。


 左折してしばらくの所には新しい道しるべもありました。渡し場がなくなってもこちらの道がメインだったのかもしれません。


 左折して300mほどでJR徳島線の下をくぐります。


 何気なく古いへんろ石が残っています。


 そして新しい道しるべ。


 小橋を渡ると


 国道192号を横断していかにもというへんろみちが続いています。


 国道から50m進むと、突き当たって今まで4回歩いてきた道に合流します。
 想像していたより、歩きやすい感じのいいへんろみちでした。なぜ今までこちらの道を歩かなかったのかと思うほどです。そんなに遠回りにもなっていないはずです。


 今ほとんどのお遍路さんが歩く道に入ったところですが、200m先でこの道とはお別れ、宿があるのは鴨島駅の近く、そちらへ向かう近道があるので左折します。その道はへんろみちではないので、写真は撮りませんでした。


 16時16分、本日の宿しげる旅館に到着しました。9年ぶり2度目の投宿です。スーパーが近道から200mほど離れたところにあって買い物に少し手間取って16時を過ぎてしまいました。9年ぶりにこの宿に戻ってきたのは、2年前に泊まったさくら旅館も3年前に泊まった旅館吉野も評判がいいのだけれど、ぼくにとっては少しだけ気になるところがあって、こちらの方がより気持ちよく過ごせるだろうと思ったからです。9年前は素泊まりだったので今回は食事付きでお願いするつもりだったのですが、素泊まりだけになっていました。数年前までは食事もしていてその写真も確認していたのですが残念。でも、全て完璧でした。宿泊はぼくだけで、お風呂もすぐに入れたし静かだし部屋はきれいで清潔な感じ、素泊まり3500円は超おすすめです。奥さんもすごく感じのいい人で9年前にお世話になったというと喜んでくれました。これからは毎年初日はこの宿にお世話になるつもりです。

   初日の歩行距離  32.9km
      歩行時間  4時間56分
      平均時速   6.67km    こんなのは初日だけ