WALKER’S 

歩く男の日日

地図にない道

2015-05-11 | 15年四国の旅




 うたんぐらで同宿だった二人のイタリア人が次の日野宿するのに適当な場所を尋ねると、根香寺の近くにできた遍路小屋がいいのではないかと、宿の人がアドバイス、ぼくはその小屋のことを知らなくて首を傾げながら聞いていました。翌日、82番根香寺の300mほど手前まで来ると、見慣れない新しい小屋ができていました。昨年来たときにはなかったから、この1年以内にできたようです。たしかにここだと快適に野宿ができそうでした。
 この前に来ると二人のお遍路さんが休憩中、そしてどういう訳か作務衣姿のお坊さんもいました。そして彼がぼくたちに本当の遍路道を教えてくれました。下りてきた道をそのまま引き返して県道に出て舗装道を下っていくのが一宮寺への道、へんろ地図にはその道にしか赤線が付いていませんが、彼が言うには、この小屋の前から下りてきた道と二股に分かれた道があって左側の道が本来の遍路道なのだ、自動車道ができてからというものだれもこの道を歩かなくなってしまったけれどこちらの方が近道だということでした。
 お坊さんでもあるし、でたらめだとも思えなかったので、実際に歩いてみました。道はほとんど一本道で草もそんなに茂っていなくて全く迷いません、しかも勾配も緩やかで足場も悪くなくてとても歩きやすい道でした。へんろみち保存協会の道しるべや遍路シールは全くなかったのですが、何ヶ所かに白い長方形のプレートがありました、でも書かれた文字は完全に消えていて、それが道しるべかどうかも判らないままでした。でも、ちゃんと赤線の道に合流することができました。しかも、今までのベストと比べても5分以上早いタイムで鬼無の踏切の所までたどり着きました。
 遠回りになったり、草が茂って歩きにくくなったりして昔の遍路道がへんろみちでなくなってしまうということは各地で見られるけれど、この道が赤線でなくなる理由が判りません。地図にも赤点線を付けてほしいし、道しるべもはっきり設置してほしいものだと思いました。

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