駒子の備忘録

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宝塚歌劇雪組『Bow Singing Workshop~雪~』

2016年08月02日 | 観劇記/タイトルは行
 宝塚バウホール、2016年7月29日11時半。

 宙組版の感想はこちら、星組版の感想はこちら
 一幕では男役が黒燕尾に緑のシャツとポケットチーフ、銀のタイにベスト。娘役はペパーミントグリーンのドレスに黒のチョーカーと長手袋。二幕になると男役は白のシャツとタイとベストの黒燕尾、胸元にグリーンの花。娘役の長手袋は白になりました。組カラーの使い方など、前2回を踏襲していましたね。
 今回は男役が10人に娘役が6人、計16人なのは変わらず。新公主演経験者はひとこ(永久輝せあ)とみちる(彩みちる)のみ。くらっち(有沙瞳)はバウヒロインしかしていませんよね?(後記:『前慶』新公ヒロインでしたね、失礼いたしました!) でも場数としては一日の長があったように見えました。
 雪組の下級生にくわしくないので、やや辛口かもしれませんが、感想は以下のとおり。総じて端正というか、ややおとなしくは感じられたかな…?

 第1幕のオープニングは「Jouful!!」。手拍子で初めてきっちり盛り上げたあとは、座長のカリ(煌羽レオ)のしっかりしたMCのもと全員が自己紹介。
 トップバッターは諏訪さきちゃんの「君の瞳に恋してる」。私は観ていませんが、『るろ剣』新公でだいもんの役をやった注目株ですよね? 手拍子を煽るわりには当人のノリが乗り切れなかったように見えたり、リズムが変わってせっかく起きた手拍子が途切れてしまうのが痛かったかな…
 続いてみちるの「ポピュラー」、『ウィキッド』より。ちゃぴがMPで歌ったのが超キュートだったからなあ…がんばっていたけどまだまだ歌いこなせていなかったかな? 押されているので、がんばれ!
 縣千くんの「僕は怖い」はそりゃ怖かったよ、今までの3組でこれが一番、残念ながら学芸会芸だったもん…緊張していたんだろうとは思うけれど、立ち姿もなっていないし、まだまだ板に乗せるレベルになっていないのでは…こちらも押されているはずなので、死ぬ気でがんばれ!(><)
 優美せりなちゃんの「So In Love」は、最下級生ですが歌ウマ枠なのかな? ただちょっとカラオケ臭がしたかな…上手さに酔っていて自己陶酔しているというか、歌の世界の楽しさや美しさがこちらに届いていない気がしました。
 目が覚める思いがしたのは桜庭舞ちゃんとゆめ真音くんの「愛と青春の旅立ち」。上手い! ゆめくんは顔がシャープになれば化けそうだし、舞ちゃんは胸がなくてドレスの着こなしが残念だったけれどメイクが可愛くて、ふたりとも即戦力になりそうな感じでした。期待!
 野々花ひまりちゃんの「リフレクション」…とりたてて記憶がない、すみません。というか顔があまり好みじゃない、ということが今回きちんと判明しました(><)。
 眞ノ宮るいくんの「Le gamin de Paris」はもっとはっちゃけられるとよかったのになー、惜しい。でも上手い!
 そして以前から顔が好みだと思っていた星加梨杏くんの「いつか」、ヤバい上手い!(笑)これまたまだ下級生だけれど顔が痩せてシュッとなったらすぐ化けそう…
 叶ゆうりくんは『レ・ミゼラブル』より「独白」。おもしろいというか難しい曲を持ってきたなあ。というか編曲どうにかしてくれないと、あの切り上げ方はちょっと…今回、歌い終わりの拍手が入れづらいものが多かったのが気になりました。ポーズする、お辞儀する、後奏が終わる、のどこかで気持ちよく入れたいものだけれど、あいまいなものが多くて…
 天月翼くんは「Bamboleo」、これも客席を乗せきれていない気がしました。宙ファン以上に雪ファンはおとなしいのかなあ? 確かに日本もの続きで海外ミュージカルとかコンサートをやっていないし、NW!もやっていませんしね。ショー力の研鑽の場が足りなかったのかな?
 8人で「Volare」を歌い踊って、1幕ラストスパート。妃華ゆきのちゃんの「Saving All My Love For You」もいい歌い上げだったけど、やっぱりちょっとカラオケっぽかったかな?
 橘幸くんの「マック・ザ・ナイフ」も、陽気な世界観が出せきれていない気がしました。
 カリは「黒い鷲」。台詞の声はぶっちゃけ悪声だと思うんだけれど、歌は実はいいんだよねカリって。さすが座長、世界を作り上げて場をきちんと保たせ、魅せてくれました。
 そして女優くらっちが「シェルブールの雨傘」。芝居が上手すぎて路線に向かない、みたいなことを言われがちだけれど、メイクが可愛くなっていてよかったし、上手いわ物語が作れているわ映画が見えたようだわで圧巻でした!
 トリはひとこ、『ラブ・ネバー・ダイ』より「Til I Hear You Sing」。私は観ていないミュージカルで、知らない曲でした。残念…というか私はひとこは素化粧の方が断然好きなのである…スターオーラは素晴らしい。

 第2幕の幕開きは8人で「It Don’t Mean A Thing」。
 ここから宝塚の歌が続くのがちょっとよくて、まずはゆめ真音くんの「My Life Your Life」。上手ー! キムよかったねえ、いい後継者がいるよ!
 桜庭舞ちゃんがクリスティーヌ、「My True Love」。上手ー! ロングヘアの鬘を胸元に垂らして、ない胸を隠せていたのもよかった。せめてパッドを入れるかボディスをもっと絞ってもらえばいいんだよ、ドレスのフォルムが泣くよー。可愛いのにもったいないよー。
 叶くんの「散らば花のごとく」、これはよかった。えりたん、いい後継者がいるよ!
 サウザンくんとせりなちゃんのデュエットで「恋の笹舟」、これはボロが出てなくてよかったよ…
 ひまりちゃんの「聞かせてよ愛の言葉を」は、スミカが歌ってたなあ、とつい思い出に浸ってしまい…
 諏訪さきくんの「Blues Requiem」は名曲だよね、てか『凍てついた明日』また再演すればいいのに…
 くらっちの「Amazing grace」は素晴らしかったです。白眉!
 続く星加くんと眞ノ宮くんの「JUMP!」が楽しい! 魅せる! 踊る! キラキラ! 雪組の未来は明るいなあ!!
 みちるの「オン・マイ・オウン」はナイストライだ、がんばろう!
 ひとこの「青い星の上で」はスカステであっきーが歌ったばっかなので私的にノーカンですすみません。
 MCは上級生4人、これから歌うソロ曲について想いを語ってくれました。
 ゆきのちゃんの「あなたを見つめると」は1幕ソロよりずっとよかった! プリマドンナ感がありました!!
 アンサーソングで橘くんが「ひとかけらの勇気」、手堅く上手い。
 天月くんが「足跡のない道」。うん、ユミコで思い出深い曲だよね…
 大トリがカリの「This is The Moment」、これがよかった! 宙でずんちゃんが1幕ラストに歌い上げた曲でしたが、もちろん全然違った味わいがあって、でも上手かったしハートがありました。そして当人が楽しそうで気持ち良さそうで、でも酔っていない。こちらにちゃんと投げかけていて、その反応を楽しんでいるのがわかりました。さすが上級生!
 ラストは全員で「スイート・タイフーン」でした。だいぶレトロな選曲だけれど、まあええか(^^)。

 星同様に雪にも疎いもので、ごく雑な、個人的な感想ですみません。でも真面目に仕上げてきている感じはしたので、千秋楽まではもっと進化したのではないかな。
 そしてこの経験がさらに大きく育ち生かされていくことを、熱く祈っています!
 



コメント (4)
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