駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

『「源氏物語」女の怨み』

2013年07月14日 | 観劇記/タイトルか行
 川口総合文化センター・リリア音楽ホール、2013年7月11日ソワレ。

 リリア音楽ホールで楽しむ能・狂言VOL.2。
 能『葵上』の魅力を喜多流シテ方・佐々木多門が語り、朝海ひかるが瀬戸内寂聴訳の『源氏物語』から『葵』を読み語り、その後に能『葵上』をダイジェスト版で上演(シテは狩野了一)。
 私はお能をきちんと観たことはおそらくこれまで一度もないのですが(お出かけ気分で薪能に行ったことはあった…かも?程度)、『源氏物語』の女君の中では葵の上が一番好きですし、車争いから生霊騒ぎになる展開もいろいろと読んで知ってはいるので、チャレンジしてみました。
 まずはストーリー概略の解説ですが、語り手の方が六条御息所や葵の上のことを敬語で申し上げる(と言いたくなる)のがとても素敵でした。もちろん先の東宮の妃であらせられ…という身分の高さへの敬意でもあり、キャラクターへの敬意でもあって、とても好もしく思いました。
 能のタイトルが『葵上』でも主役であるシテが演じるのは六条でありワキが演じるのは横川の聖であり、葵の上は床に敷かれた小袖一枚がその病身をかたどったものとされる…というのはなかなかおもしろかったです。

 コムちゃんは和装のマダム然としたお姿でお出まし。でもさすがは舞台女優、ただの朗読ではない感情の入った読み語りでおもしろかったです。

 その後、お能が始まったわけですが…すみません、ときどきうつらうつらしました…
 だって地謡の言葉はワケわからないし、舞踊といってもほとんど動きはないわけで…
 ただ、ひときわ高く吹かれた笛の音とその後の静寂をもって、生霊が成仏したのだ、というのはわかりました。だからラストはなんとなく清らかであたたかい感じになって見終えました。
 ただその後、まだ舞台が暗い中で笛や鼓の方々がひっそりと撤収し、そのままなんとなく舞台と客席が明るくなるので、これで終わりなのかいつ拍手するものなのかそもそも能には拍手なんかしないものなのかではもう席を立って帰っていいのか、素人の私には全然わかりませんでした…
 語りの人が再度出てきてシメの口上をしても良かったと思いますし、ホールからのアナウンスとして「本日の公演はこれで終了しました」と言ってくれてもいいし、とにかくなんか区切ってよ…と思ってしまいました。いやこの幽玄さこそを味わえよ、というなら、素人なのでわかりませんでした、としか言えないのでした…しょぼん。
コメント
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