駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

『記憶ティアラ』マイ初日雑感&再びのトップ娘役絶対必要論

2024年08月26日 | 日記
 初日が開いて一週間、宝塚歌劇星組大劇場公演『記憶にございません!/Tiara Azul』を観劇してきました。
 原作映画は未見。三谷幸喜氏自身がプログラムに書いていますが、彼の作品は舞台より映画はライトなので、まあそれをさらにダーイシがどこまでいじってくるかによるかな…など思いつつ、とりあえずフラットに観ました。わりと映画まんまだったらしいですね? 田原坂46以外は、かもしれませんが…これもご当地アイドルというよりは選挙のキャンペーンガールみたいな感じで、まあまあ意味も出番もあり、楽しかったのでよしとしましょう。
 プロローグが今の政治や総理に不満を抱く民衆の声ソングで、そこからセットがハネたら大階段で、組閣のときによく見る赤絨毯の階段になっていて、大臣らしきスーツ姿の男女がバリバリ踊ってトンチキな「献金マンボ」を歌う…まあ、つかみはオッケーでしたね(笑)。その後も、暗転は多いかなとは思いましたが、それなりに上手く舞台化できていると思いました。わりとみんなに役があるのがいいな、とも思いましたしね。
 そもそもの映画からして、政治風刺の意図はなく、単なる政権コメディ、群像人情喜劇として作られているわけで、現実の政治がもはや笑い事では済まない事態になっていることを考えるとちょっとどうなんだ、と思わなくはないのだけれど、でもやっぱりそれを描くのは宝塚歌劇の役割ではないなとも思うので、そう割り切って観れば、こっちゃんの上手さ、達者さ、チャーミングさが光り生かされた、良き演目に仕上がっていたかと思いました。ちょっと『食聖』なんかにノリが似ているというか…こういうわちゃわちゃした群像コメディが今の星組は上手いんだな、と感じました。あと、現代ものなんだけどファンタジー、みたいな塩梅もちょうどいい気がしました。ざらりとした気にさせられるところもないこいもないことも含めて、ですが…
 私が意外に萌えて、かつおもしろく観てしまったのがありちゃん井坂(暁千星)さんとひっとん聡子(舞空瞳)さんの不倫ターンです。これは映画ママなんでしょうが、宝塚版ではカットされるのでは?など予想されていたかと思います。でもがっつり浮気していて(笑)、でもそれが自然だし当然だしなんかフツーですごくよかったんですよね。だって記憶をなくす前の黒田(礼真琴)さんってホント嫌な奴だったんだろうし、息子もほぼ育ち上がってて嫁の義務は果たしたんだし、関係が冷え切っているなら浮気のひとつやふたつしない方がむしろ不自然でしょう。聡子が、それでも彼を好きだから帰りを待つの…みたいなキャラにされていなくてむしろよかったです。
 聡子が井坂にどこまで本気なのか、とかはよくわかりませんでしたが、そのグダグダ具合も私にはちょうどよく見えました。アルゼンチンとかタンゴ云々とかも原作にあるのかな? とまれそんな縁があって、かつ夫の首席秘書ということでまあまあいつも近くにいて会うのに便利なんだろうし、ついしなだれかかっちゃって、井坂さんの方でも抵抗しとおすのも面倒でつい…って感じで後悔しているような、仕方ないかと思っちゃってもいるような…ってテキトーな感じが、わりとリアルですごくいいなと思ったのです。井坂さんも以前の黒田さんのことは仕えていても人間として嫌いだったんでしょうし、ぶっちゃけ仕事もできない男だと見下していたんでしょうが、その異種返しとか暗い復讐みたいな側面があまりなさそうな感じが、またよかったです。私がクール眼鏡スーツ男キャラが好みってのもありますが、ありちゃんの井坂さんが冷酷になりきれていない、かといって人間臭すぎもしない、絶妙なしょーもない感じでフラフラしそうなところを懸命にスッキリ立って見せているような感じだったのに、きゅんとしたのかもしれません(笑)。
 あと、ちゃんとダブル不倫なのもよかった(笑)。ひとつの場面で上下に区切って並行で見せるのはよかったですね。まあこのときの黒田さんには記憶がないので、ややかわいそうではありますが…前日に月組全ツ梅芸公演『琥珀色の雨にぬれて』を観たんですけれど、1920年代のフランスの四角関係がロマンチックで、令和(かな?)の日本のそれがダメってのはないだろう、と考えたというのもあります。男性の、とか男役の名誉?を取るならカットするとかマイルドにするとかもありえたのかもしれませんが、ダーイシの露悪っぷりなのかやっぱりある種のミソジニーの発露なのかはたまた何も考えていないのか、そのままやっていて客席もまあまあ笑っていたので(ホンと言うとマジョリティはフツーの主婦なんじゃないの?と思うと、こっそり青筋立てられてるのかもな…とも案じはしますが)、よかったのではないでしょうか。ギリギリの品もあったと思いますしね。
 記憶を取り戻した黒田さんが、記憶がなかったころの純粋さや真面目さも混ぜた新人格の黒田さんになって、心機一転やり直し、聡子さんともやり直したいと願い井坂さんに「妻と別れてくれ」と言う…というのも、情けないっちゃ情けないギリギリでしょうしそれこそ宝塚歌劇でなかなか観ないシチュエーションですが、こっちゃんがやっぱり上手くてちゃんと笑いを取るし、なんとなくほのぼのよかったね、とみんな丸く収まる感じになるのは、やはりトップコンビの魔法があるからだと思うのですよ…!
 なので、ひっとんの後任は立てない、という発表翌日の観劇だったのですが、「六人のオンナ」の場面はしょんぼり観ることになりました…妻のひっとんはともかくとして、ここで黒田さんを囲むのは家政婦の白妙なっちゃん、愛人の小桜ちゃん、秘書のうたち、政敵(?)のルリハナ、元カノ?の都優奈ちゃん…他にも田原坂に今回新公ヒロインの綾音美蘭、新公ヒロイン経験者のひよりんとなのたんがいるというこの多士済々の中で、誰も、ダメなんだ…?って気にさせられるじゃないですか…それは、ないよ……後述。

 カルナバル・ファンタジアは竹田悠一郎先生の大劇場デビュー作。とーってもよかったです! お祭りものは鉄板ではありますが、とても景気のいいショーで、終始楽しく観ました。アルゼンチンのグアレグアイチュ(ってどこ???)で行われているカルナバルからインスピレーションを得たのだとか…
 お祭りに、山車を出してグループで踊りまくるようなダンスチームの、お祭り当日の昼間から夜の本番、そして翌朝まで…といった一応の流れはあり、こっちゃんルカ、ひっとんエリアナ、ありちゃんイグナシオ…という通し役があるような、まあでもプロローグやフィナーレはないっちゃないような…なんですが、とにかく景気が良くて観ていてだんだんハイになって細かいことがどーでもよくなるタイプのショーで、楽しかったからいいのです(笑)。羽飾りがふんだんに使われて、ダルマもガンガン出てきて、ホッタイアレンジかな?のギラギラお衣装やらトンチキお衣装までゾロゾロ出てきて、進化系ひき潮みたいな裸足のデュエダンに泣かされ、フィナーレのデュエダンはこれまでアクロバティックな競技ダンスみたいなバリバリしたものを踊ってきたふたりがゆっくりと、空気を抱き合い動かし合うような、流れるように美しくシンクロする綺麗な振りを踊り、最後に銀橋に出てきて、こっちゃんがティアラをひっとんの頭に乗せる…ハイ、百億点です。
 あと、基本的には小桜ちゃんとシンメでしたが、でもやっぱり二番手娘役格はうたちだったと思うのよ…なんでダメなのよ、何がダメなのよ…正直、こっちゃんがゴネてるの?と邪推してしまう…だってきぃちゃんにもくらっちにもNG出したんでしょうからね。てかそもそも当人が卒業したがっているのを劇団が慰留しているんだとは思いますが…じゃあもういいじゃん、ありうたちかりん政権になっても問題なくない??
 そのありちゃんですが、二番手スターのセンター場面でショーの名場面って生まれていくものだと思うのですけれど、今回のタンゴはマジで絶品でした! こっちゃんとはまた違ったタイプのダンサーなんですよね、そして下級生のころにやたらただ踊らされていたのとは全然違う踊りが、いまやできるようになっているんですよこれは全ファンが惚れ直すヤツ…!! いやぁ圧巻でした。
 早くまた観たい! 次回は月バウとハシゴで行きます!! 台風、遠慮して!!!



 というわけで、これが「星組トップ娘役について」というニュースが出て翌日の観劇だったので、以前、宙組トップ娘役についての発表があったときに書いた「2016年観劇総括(と、トップ娘役絶対必要論と、年末のご挨拶)」の一部を加筆修正して、以下、再掲します。組や個人の名を変えたくらいでほぼ変えていません。つまり、そういうことです。恐ろしいことに、事態は、劇団はまったくなんの前進もしていないのです…

※※※

 さて、今年はまたまたあれこれ激動ですね。雪組トップスターと星組トップ娘役の卒業がすでに発表済みなワケですが…
 ひっとんの後任を立てないとされたことについては、発表が遅かったので怪しいなと思わないでもなかったのですが…正直、ショックです。
 だって夢白ちゃんの相手役を固定せず柔軟に対応します、とは絶対にならないわけじゃん。博多座『ミーマイ』だって『BIG FISH』だって十分柔軟な対応だったじゃん。なんなの?
 小桜ちゃんでは足りない、うたちでは早いというなら、あわちゃんでもみちるでもはばまいちゃんでもじゅっちゃん(これはないか)でも、誰を組替えさせてでも、とにかく誰かを次期トップ娘役として就任させていただきたかったです。誰でもいいわけではもちろんない、しかし誰かが必要です。あまとくんやつんつんを娘役に転向させるとか? でなきゃひっとんを慰留してほしかった。乱暴な物言いなのは承知しています、仮に名を挙げた生徒さんのファンの方々、すみません。
 でもそれくらい、トップ娘役の空位って意味がないことだと私は考えているのです。百害あって一理もないと言いきりたい。
 今のようなトップスター制度、トップコンビ制度が確立されたのは宝塚歌劇100年の歴史の中で昭和『ベルばら』ブーム以降のたかだか30年かそこらでしかない、だからそんなに大騒ぎすることではない…という言い方もできるでしょうが、しかし1/3近くも歴史があるなら十分に伝統だと思います。そしてトップ娘役の不在は過去にほぼ成功例を見ていません。てか成功例ってナニ? 歴史から学ばずして何をどう改善させ、未来につなげていけるというのでしょう。
 ターコさんの前にモックさんが卒業して、ターコさんが卒業するまでの1公演。サエちゃんの前にエミクラちゃんが卒業して、サエちゃんが卒業するまでの1公演。そしてまぁさまの前にみりおんが卒業して、まぁさまが卒業するまでの1公演…これらは暫定的な処置として、まだわからなくもありませんでした。
(イチロさんは、トンちゃんが卒業したあとすぐハナちゃんだった…よね? 違っていたらすみません)
 でもアサコのときは本当に観ていて楽しくなかった、つらかった。当人はミホコと一緒に卒業したかったのを慰留されたのかな、と私は思っていましたが、卒業までの3公演、結局はほぼほぼあいあいが各作品のヒロインを務めながらもトップ娘役扱いはされないという不遇を受け、男役二番手スターのきりやんがショーなどで女役に回ってデュエダンの相手を務めたりと、不規則で不自然な状態が続きました。あまりにもあまりでした。
 のちに当人も相手役がいなかった時期はつらかった、みたいなことを語っていますし、この空位のあと月組トップ娘役に就任したまりもも見本がなくて困惑した、みたいなことを語ったことがありました。あいあいも、打診されて断ったとかではなく、なる選択肢がそもそも与えられなかったのだ、というようなことをのちに語りました。みりおも、当時の娘役たちに目標がなくなって空気が悪かった、とのちに語りました。だからみりおは、何人替わっても必ず相手役を持ったのではないかしらん…
 生徒たちにそんな負担をかけてどーする、と劇団には言いたい。
 何より、常に主演する役目を負うトップスターとって、固定された相手役がいないことは負担になると思うのです。トップ娘役という固有の相手役が持てることはトップスターだけの特権、というよりむしろ権利だと私は思う。そういう共闘するパートナーがいないとしんどすぎて耐えがたいくらい、トップの大任は重いのだと思う。だから劇団には相手役を与える義務があるのではないか、とすら私は思うわけです。
 多様な作品でたくさんの娘役に個性を発揮する機会を、なんておためごかしにすぎません。だってぶっちゃけそんな筆力ある作家がいないじゃん。ヒロインひとりですらまともに描けていないくらいの作品を平気で上演しているくせに、ちゃんちゃらおかしいです。
 誰かを次期トップ娘役にしないということは、みんないいから選べない、と言われているというより、みんなダメだと言われている気が私はしてしまうのです。それが悲しい。
 仮に帯に短し襷に長しだろうがなんだろうが、立場が人を育てるということは絶対にあるんだし、誰かに決めてやらせてみればいいんです。絶対的と思われる二番手格がいたって、そのトップ就任にはガタガタ言う人は必ず存在します。誰に決めたって文句は必ず言われるんですよ劇団は、だからそういうことは無視して誰かに決めるしかないんです。そのために他の生徒をやめさせるようなことだって、今までさんざんしてきたじゃないですか。トップスターを1公演でやめさせることすらやってきたのに、何を今さら日和っているの? 何が怖いの? 何を目指してるの?
 女性は、あるいは日本人は、あるいは宝塚歌劇ファンは、清く正しく美しく、確立された規律に従い遵守する傾向が強いと思います。だから例外を嫌う、不測の事態を嫌う、ということもあるかと思います。でもそれより何より、この措置の意味がわからないから嫌なのです。いいことだと思えないから嫌なのです。
 逆に言えば誰が就任しても、そう決められれば、文句を言いつつも結局は受け入れるし観に行くんですよ。だってファンだから、だって決まったことだから。
 でも、トップ娘役を置かない、という決定は受け入れがたい。少しも早く収拾して、星組次期トップ娘役を決定していただきたいです。
 キムお披露目の際に相手役たるトップ娘役を定めず、ヒロインをダブルキャストで上演したときも、結局その状態は1公演で終わりましたよね。あれもなんの意味もなかったと思っています。今回も早々にそういう判断が下され、方向転換されることを祈ります。
 セクシャルマイノリティなど、多様な愛と性の在り方が顕在化してきた現代において、変わらずマジョリティであるのが男女の異性愛だと思われますが、現実においてはまだまだ幸せな帰結を見ることが少ないじゃないですか。お互いの無理解や無理強いや、不平等な婚姻制度を始めとする社会制度の不備、さまざまな抑圧や偏見、家事育児仕事の不均衡の問題などなど幾多の障害が山とあり、美男美女がお互い対等に愛し合い信じ合い許し合い支え合い幸せになることなど、まさしく夢物語の中にしか存在しないのが現状です。
 その夢物語を紡いでくれるのが宝塚歌劇でしょう。そして私たち観客はそれを観て、ただの夢物語に現実をひととき忘れるだけの逃げ場とするのではなく、現実が目指すべき理想の姿、あるべき未来の指針を見て、より良い明日目指して日々の現実を生きる心の支えにしているのだと私は思うのです。愛し合い、支え合い、人と関わり合いつながり合うことは美しい、と思いたいから、信じたいから、それを見せてほしいのです。だから宝塚歌劇を観るのです。
 青春を捧げて己を鍛え光り輝く生徒たちの真ん中に、常に結ばれるカップルを演じてくれる最も美しい一対の男女(役)がいる…そのことがどれだけ大切で重要なことか、想像できないというのなら、それはあまりに鈍感にすぎませんか? 組のトップスターとトップ娘役は、その男女のカップルを常に演じ、舞台の上で真実の愛を生き、美しい輝きを放ってくれる存在なのです。大切でないはずがない。
 そしてそこにはただひとりのトップスター、そのただひとりの相手役、という魔法が必要なのです。現実はそう単純にはナンバーワンにもオンリーワンにもなれず、一対にもなれていないからこそ、絶対に絶対に必要な魔法なのです。
 誰でもいいなら、どんな組み合わせでもいいなら、その魔法は消えてしまう。というか、それでもファンは、各自の贔屓をすでにそのように愛しているのです。トップになることがすべてではないこともちゃんとわかっているから、トップになれなくても、ならなさそうでも贔屓を愛している。その上で、それでもそこにトップコンビが存在していること、それが大事なんじゃないですか!
 ただひとりの男と、そのただひとりの相手の女、という幻想を女が手放したら、人類は滅亡します。今、その幻想が手放されつつあるから、非婚化と少子化が加速度的に進んでいるんですよ…それでいいの? いいわけないよね??(いやホントはソレでもいいんだけど、それが人類の進化の行き先なんだけど、それはここでは置きます)
 ことありは仲良しだし相性もいいからトップコンビの代わりでもいいじゃん、とは私には思えません。ありちゃんが娘役に転向するとかでないなら、二番手男役スターがトップスターの相手役だとは私は言いたくない。そもそも男女の異性愛すらなかなかまともに描けていないのにBLやろうなんてちゃんちゃらおかしい。というかそもそもそういうニッチなジャンルにメジャーは手を出すべきではないのである! メジャーの矜持を持たんかい!!
 私はトップ娘役の不在に反対です。できる手段で劇団に意見を伝えていきたいと思います。
 …でも「高声低声」に投稿してもボツなんだろうなー……がっくし。
 















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初ソウルひとり旅日記

2024年08月18日 | 日記
 ひとり海外旅行なるものをしてみむとてすなり、と50歳の誕生日を迎えにマカオに旅立ってから5年…コロナ期は都内ホテルステイで誕生日を迎えてきましたが、そろそろ!海外に!行きたい!と思い立ちまして、冬の終わりにはさくっと予約していました。11年ぶり、14度目のソウル、初めてのひとり旅です。
 私は2003年末の『冬のソナタ』再放送にハマったクチで、そこから約10年間くらいが絶賛韓流期でした。ご多分に漏れずペ・ヨンジュンにハマったので(ジャニーズのアイドル俳優が俺様キャラでブイブイ言わせていた当時、あの優しさ、柔らかさは本当に新鮮で衝撃的だったんですよ奥さん…!)「トモトモのヨンヨン日記」というブログを始め(笑)、のちに「トモトモの韓流侃々諤々」と改名して、韓ドラの感想や韓国旅行記を書いていたのですが、ブログサービスの中止でよそに移せないまま塵と消えたのが本当に悔やまれます…(初期のプリントアウトはまだ実家にとってある気もするのですが)
 何故か初ソウル旅行の記録が残っていないのですが、おそらく04年には行っていて、05年、06はともに3回出かけており、以後年1ペースで行っていて、13年9月に行ったのが最後になっていました。14年に仕事でわりと大きな異動をしたので、そんなことも関係していたのかもしれません。チェジュとプサンにも行きました。『冬ソナ』に一緒にハマった母親と行ってロケ地巡りをしたこともありますし、友達とも景福宮などのたいていの観光地は回って、後年はほとんどソルロンタンを食べてチムジルパンに行って、ロッテ百貨店の地下食品売り場でキムチを買って南大門で韓国海苔を買って明洞でシートマスクを買って…みたいな買い出し旅をしていたと思います。
 今回は、初の韓国ミュージカル現地観劇!がメインとなりました。東京以上に暑いとは思っていませんでしたが、楽しい旅となりました。その簡単な日記です。

 飛行機はお昼すぎの便だったので、9時過ぎに自宅を出て羽田空港第三ターミナルへ向かいました。飛行機とホテルだけのフリーツアーでしたが(ちなみに2泊3日で11万円オーバーとか、私は初めてのことだったと思います。たいていは8万円台くらい、安いと4万円台のツアーで行っていたので…)、今どき事前にeチケットが発券されず、チェックインカウンターでおたおたしていたらスタッフのお姉さんが声をかけてくれて、予約番号とパスポートの登録だけでパパパっと紙チケットを発券してくれました。まあまあ前方の窓側席が取れていたようで、ラッキー! スーツケースは機内に持ち込めるサイズだったので預けず、契約しておいたWi-Fiルーターを受け取り、3階のフードコートで豚玉をブランチにいただいて、出国審査に向かいました。パスポートの写真は眼鏡をかけていないんですけど、マスクだけ外して眼鏡のままで立っても顔認証はパスしました。トイレに行ったらもう搭乗時間、くらいだったかな…そんなに混んでいたわけではないんですが、やはり空港って何かと手間取りますよね。
 あ、念願の募金ができてよかったです。私はバブル育ちとはいえ同世代の旅行好きから比べたら全然あちこち行っていないほうだと思うのですが、旅先で両替した現地通貨の余りをずっとしつこく持ち続けていて、でももうドルとユーロと台湾元と韓国ウォン以外はそうそう使わないだろうし、寄付してしまいたい!とずっと思っていたのです。パンダ用の募金箱みたいなのが確か空港にはあったはず…と重い思いをして持参してきたものを、やっと手放せました。能登半島地震復興支援、とされていたようなので、少しでも役立つならうれしいです。まあ量があるだけで額はたいしたことがなかったかもしれませんが…(><)
 飛行機は2、3、2席の小さいもので、お隣は韓国人のおじさまでした。羽根の前で見晴らしが良く、ご機嫌で着席し、映画『ソウルメイト』を再生し始めました。2時間ちょっとの映画でしたが、なんと残り15分ほどというところで到着してしまってオチが見られず、オンタイムが過ぎる…!と歯噛みしました。機内食はチキンと蒸し野菜みたいなの。コチュジャンペーストが付いてきましたが、味がなくてあまり美味しくなかったかな…
 入国審査にはまあまあ並びましたが、並んでいる間にスマホにWi-Fiルーターのパスワードなど入れて、特に問題なく通過。現金は150,000Wほど持っていて、15,000WほどチャージされたT mоneyカードも持っていたので、両替などには寄らずにそのまま空港鉄道と地下鉄で街中へ向かいました。鉄道駅まではまあまあ歩かされる印象でした。11年前もこんなだったかな…? たいてい4人組とかで来ていたので、さくっとタクシーに乗っていたのかもしれません。割り勘すればたかが知れてますからね。
 でも今回は、地下鉄の安さのありがたみを感じたなあ…空港からは300Wプラスでしたが、地下鉄だけならけっこう乗ってもどこでも1,400Wですもんね。東京の地下鉄って4、5駅乗ったらもう運賃が上がるじゃん…ただ、東京の方がバンバン来るし、乗り換えも近いな、とは感じました。ソウルの地下鉄は乗り換え案内アプリが示す移動時間では絶対に着かないです。
 ホテルは新羅にもロッテにも泊まったことがありますが、たいていはロイヤルか世宗、あとはコリアナなんかに泊まってきて、今回は以前も泊まったことがあるサヴォイホテルにしました。というわけで最寄り駅は明洞です。4号線、実は不便なんですよね…2号線が乗換駅がたくさんあって最強という印象です。なので乙支路入口駅から歩いてもよかったんだけど、荷物があるし暑そうだし…と、二度も乗り換えて(ソウル駅の乗り換えは歩かされそうで嫌だったので)明洞駅まで行きました。ホームを降りたとたんにシスターに行き会い、明洞聖堂があるからかシスターをよく見かけるよな、ああ明洞に来たなあ…!と感慨深かったです。
 そして駅も地下街も別に全然綺麗になっていなかった(笑)。ファッションビルとしてのミリオレはなくなってしまったのかな? でもあいかわらずゴタゴタした感じは変わらない出口で、平日の昼間からゴタゴタ屋台が出ている大通りも変わらず、石畳みも綺麗になっていないし、白人さんも日本人観光客もわあわあ沸いてるし、逆に中国人らしき観光客はそれほど見かけないような…?というゴタゴタした中を歩いて、ホテルにチェックイン。ツアーのバウチャーも見せようとしましたが、パスポートを見ただけでキーをくれました。クレカの提示もナシ。
 部屋はダブルベッドのシングルルームで、サイトではシャンプーしかないとなっていましたが、リンスもボディソープも何故かボディローションもありました。洗顔フォームや歯ブラシ、歯磨き粉はナシ。一応小さな環境保全活動として、遠征とかでもマイ歯ブラシと歯磨き粉は持参しているので問題ナシ。もちろん浴衣もありませんが、これも遠征用のパジャマ代わりのTシャツとズボンを持参しているので問題ありません。タオルが2組用意されていたので、なら翌日も掃除やタオル交換は頼まなくていいや、と荷物を心置きなく広げて巣作りしてから、16時過ぎのまだ暑い街へ出かけました。
 化粧品店など流行りで入れ替わっているのかもしれませんが、昔とそう大差はない印象でした。韓流にハマっていたときは、広告に使われているスターを見つけてはキャアキャア言っていたなあ、と思うと懐かしいです。ネットでいい感じのカフェをピックアップしていたのですが、地図のところになく、閉店してしまったのかな…と、流れで別に見かけた、明洞にしては小洒落たお店に入って、マンゴーピンスで一服…てかめっちゃ暑い。滝汗。水筒減る減る。ホテルのエレベーターに天気予報が貼られていましたが、予想最高気温が連日36℃とかでした…
 明日行くつもりの神仙ソルロンタンの前まで行ってみたら、二軒ほど右手に移転していて、元の店舗は工事中でスシローになるようでした。おおお…でも、あってよかった!
 乙支路入口から新沙まで地下鉄で移動して、カロスキルをお散歩。ここもなんかあまり別に綺麗になっていないというか、あいかわらず工事中のビルも多くて、スッキリ栄えきっていない印象でした。以前も何かを購入した記憶があるアクセサリー屋さんがまだあったので覗いてみて、いい感じのお安いピンキーリングがあったので購入。そのまま付けて出ましたが、やや緩くて、旅行中に三度落としました…(^^;)
一本裏手の通りも散策して、ガイドブックでチェックしていた「オーサム・ローズ」というイタリアン・レストランに入りました。店名も看板も内装も薔薇のモチーフで、メニューにも食用の薔薇が取り入れられているそうで、翌日の『ベルばら』気分を盛り上げるためにもここで食事がしたかったのです。店内はカップルもいたけれど基本的に女性客ばかり。小洒落ていて、いい雰囲気でした。グラスの赤ワインも美味しかった! 帰りにピンクの薔薇一輪をお土産?にいただいたのですが、旅先でもらっても…という感じで、ホテルの部屋で愛でて、そのまま置いてきました。お掃除のスタッフさんとかがもらっていってくれたかしらん…
 その後、女性専用スパ「スパ・レイ」に行ってみました。チムジルバンもあちこち行き倒しましたが、ここは初めて。いわゆるスーパー銭湯で、ガイドブックで謳われているような高級スパでは全然ありませんが、小綺麗でコンパクトながらお風呂もサウナもいろいろあって、私はとても満足しました。入場料だけなら20,000Wでした。
 下駄箱に靴を入れて、その鍵を受付に預けて入場料を支払うと、ロッカーの鍵とタオルと館内着をくれる、よくあるシステムです。受付はビルの地下、ロッカーや大浴場は地下2階、ビルの3階には露天風呂もありました。お風呂はぬるめのも熱めのもジェットバスもあり、ミストサウナや、なんかいろいろ効能がありそうな熱い小部屋もいくつもありました。もちろん頼めばアカスリやマッサージ、エステなんかも受けられるようです。露天風呂はぬるめで、雨天でも入れるような屋根がかかっていたので、露天感はあまりありませんでしたが、屋外の解放感はあってとても良きでした。館内着でくつろぐ屋外テラスや、レストランなんかもあります。寝ころべる休憩室には何やら素敵な美術品なんかも飾られていて、雰囲気よかったです。ホテル代わりに泊まっちゃう人も多いようですね。ただし私がいた数時間は、観光客はおそらく私だけで、あとはフツーに現地の方々が老いも若きもゆっくりしに来ている…という感じでした。
 久々の汗蒸幕が本当に気持ち良くて、出たり入ったりぐーたらしたりを繰り返して、フリーWiFiもあるのでネットなどもして、すっかりのんびりしてしまいました。
 でも私には24時を回った誕生日当日は素敵バーで迎えるのよ…!というしょーもなくバブリーなプランがあったので、ぼちぼち支度してまた地下鉄に乗り、緑莎坪まで行きました。新しいのかやたら大きく、深い駅で、地上に出るまでにものすごく時間がかかり(六ヒルみたいなエスカレーターでした)、出たら地図にない歩道橋ががんーんとある大きな道路が通った街で、お店を目指すのに難儀しました。歩道橋からちょうどソウルタワーが綺麗に見えたのですが(あとで知ったのですが『梨泰院クラス』のロケ地だったそうです)、そのソウルタワーが眺められるバーにたどり着きたいのよ…!とウロウロしているうちにラストオーダーの23時に間に合わなさそうになってしまいました。なので、途中で向かうのをあきらめ、手前に朝5時までやっていてバーだけどデザートも出す、みたいなお店の看板があったので、そちらにふらりと入ってみました。ほんのり暗いけれど怖くはない、小さな洒落れたお店でした。
 カウンターで注文と支払いを済ませるシステムで、ガトーショコラとグラスの赤ワインをオーダー。お店の奥のハイテーブルに着いたら、お兄さんがケーキのお皿とグラスとボトルを持ってきてくれて、いいところで止めるよ、という感じでワインをどドボドボ注いでくれました(笑)。グラスの真ん中ぐらいで止めてもらって、超濃厚なチョコレートをパクついているうちに日が変わり、無事にお誕生日を迎えたのでした。満足!
 まだ地下鉄がギリギリある時間でしたが、混んでゴタゴタするのも嫌なので、さくっとタクシーを拾いました。「ミョンドンヨクカジ、カジュセヨ」くらいならちゃんと通じて、何度か通った記憶がある南山をくぐるトンネルを進む道路をスイスイ行って、10分千円くらいで戻れました。
 ホテルのバスでゆっくり洗髪して、ベッドのマットレスもいい感じだったので、ころっと寝ました。まあホテルあるあるですが、冷蔵庫と水道管の音が何やらうるさかったかな…

 翌朝は9時過ぎに起床、昨日よりは薄曇りな感じ。
 支度して神仙ソルロンタンに向かうと、まあまあ行列ができていました…20分ほど待って入れましたが、中は新しく綺麗になっていましたが以前の店舗と作りはほぼ同じ。そしてアジュンマの数が足りていなくて席の回転が遅いんだな、という印象でした。でもソルロンタン(10,000W)はやっぱり美味しかった…! 私はスープを一口飲んだらすぐごはんを投入し、後半は胡椒とキムチを足して味変し、最後までいただきつくすスタイルです。はー、しゃーわせ…
 地下鉄で安国駅へ行き、ぼちぼちお店が開きだした仁寺洞を散策。まあサムジキルが好きなんですけど…アンニョン仁寺洞は以前からあったかなあ? 中庭がフリマみたいになっていて、チャミスルと辛ラーメンのピンバッジを購入(笑)。あとはお土産屋さんで、韓服を模したような可愛い封筒を見つけ(1,500W)、チケット代のやりとりなんかに使ってもらえるかな、とお友達たち用のお土産にまとめて10枚買いました。途中、小洒落たカフェでストロベリーラテで一服…
 僧服というのか、お坊さん姿の男性をここではよく見かけますよね…
 今度は駅の北側に行って、三清洞を散策。景福宮の外壁だけ眺められましたが、やはりいいものですよね…ガンガン歩きすぎて目当てのお店を通り過ぎてしまったりもしましたが、無事にランチにコンスンドゥブチゲがいただけて満足しました。冷房キンキンの室内で熱い鍋、コレですよ…!
 再び地下鉄で、東大門歴史文化公園駅まで移動。私が知っている東大門じゃなかった…! イヤよく見たら通りの向かいにミリオレもドゥータもハローapМもありましたが、なんせ新しくできたらしい東大門デザインプラザが、なんかこう近未来的な、SFチックなどかんとした建物で、みっつの棟がおそらくわざとわかりにくくあいまいにつながっていて、まあ迷子も楽しいっちゃ楽しいんだけどとにかく広くて、オシャレ雑貨のデザインラボなどいろいろ覗きつつウロウロしましたが、やや鼻白んで撤収…
 地下鉄で弘大入口駅へ。乗り換えでは何度も使ってきた駅ですが、街へ出たのは初めて…かなあ? 記憶がありませんでした。というか、まったく趣味でない若向きの服屋ばかりが並ぶ大通りが激混みで、滝汗になりながら撤収…二駅移動した梨大は、大学が夏休みだからか大通りに屋台も出ていなくて、お店もスッキリ上品で、こちらのほうが趣味に合いました。またまた小洒落たカフェでアイスラテをいただき、特に買い物もなく、一度ホテルに戻りました。
 新堂まで移動して、忠武アートセンターへ。韓国ミュージカル『ベルサイユのばら』を観劇。いやーめっちゃよかったおもしろかった、良きバースデー・ナイトになりました! 飲んで帰りたかったけれどいい感じのバーがなかったので、地下鉄でまっすぐホテルに戻り、下のコンビニでロゼのスパークリングワインなど買って部屋飲みしました。ここで150円分くらい持っていた硬貨をすべて使い終えて、満足(笑)。お呂に入って就寝…

 早くも最終日、やはり9時過ぎに起床。荷造りしてチェックアウトし、スーツケースを預けて、最後の一回くらいが足りなくなりそうだったのでコンビニでT mоneyカードに10,000Wチャージ。このあと南大門市場に行くつもりで、そこでは現金しか使えないかなと思ったのですが、それも残り少なかったので1万円を両替。92,000Wになりました。まあまあのレートかな? ちなみにタッチ式のクレカを持参してきましたが、すべて差し込み式で、暗証番号なしで決済されました。
 10時半開店の明洞餃子に並び、開店一番に入れて、カルグクス(11,000W)をぺろりといただきました。付け合わせのキムチがめっちゃ辛かった…!
 で、南大門市場で韓国海苔を買い込みたかったのですが、どうもあまり安くない…まあここから値下げ交渉をがんばるものなんでしょうけれど、なんせ暑いし面倒になっちゃって、何も買わずに、またまた小洒落たカフェがあったのでマンゴーラテで一服。地下鉄で銅雀まで行けば途中は地上に出て、漢江を渡れて眺めがいいので、最後に見納めに往復してから明洞に戻り、コリアマートでがさっと海苔を買い込み、テキトーな化粧品屋さんで十枚セットの一袋を買ったらもう一袋ついてくる、みたいなシートマスクをお土産に買って、ミッション・オールクリア、となりました。
 ホテルに戻ってスーツケースを引き取り、来た道を帰って金浦空港へ。最後の乗り換えで空港鉄道の表示が途中から変わっていて、混乱して迷子になりましたが、なんとか無事に着けました。帰りの便はオンラインチェックインの案内が事前にショートメールで来ていたので、そのまま出国審査。搭乗まで1時間弱あったので、ハイネケンとフライドポテトなどつまんでしまいました。そういえば今回は韓国ビールを飲まなかったな…
搭乗もスムーズで、またしてもオンタイム離陸。『ソウルメイト』の続きを見て、さらに短いからと選んだ『プリシラ』は全然おもしろくなくて、しょんぼり…機内食はシーフードのトマトソースパスタでしたが、これが美味しかった! まあバストはソフト麵みたいな感じでしたが、具もソースも美味しくて、空港で食べたばかりなのに完食しちゃいましたよ…!
 着陸もオンタイム。機内で税関申告書をもらわず、申告する物もないしいいか、と思っていたらなくても出さなくてはならないようで、急遽その場で書いたりもしましたが、問題なく入国できて、京急など乗り継いで帰宅しました。やはり東京の方が早朝や夜はちゃんと気温が下がってマシな気がしました。ソウルは夜中でもホント暑いままでした…!
 なんせ旅慣れすぎているのもあって荷解きは一瞬で終わり、お風呂に入って旅の埃を落とし、一息ついてもまだ20時くらいだったでしょうか。若いころはギリギリいっぱいまで遊んで帰ってきたものでしたが、もうオトナなので早めに帰ってゆっくりするのです…前日とこの日の分の朝ドラの録画再生なんかしていると、無事に日常に戻って来られたぜ、と思えて、旅の疲れも取れるようでした。
 翌日も夏休みにしていたので、洗濯しまくり、足裏マッサージに行って疲労をリセットし、二度目の海外ひとり旅も無事終了…と思えました。スリにも引ったくりにもぼったくりにも遭わず、やりたいことはだいたいやってこられました。テツとしては、楽園駅という名の、線路を囲んで韓屋が並ぶような作りだそうなカフェに行きたかったんですけれど、うまく時間が取れなかったのが残念でしたかね…(あと、行くのにめんどくさそうな場所にあって、暑い中に迷子になりながら向かう元気がなかった…)
 ま、ホント近いし、一応ハングル読めるし、物価がバカ高い気もしなかったので、また気楽に観劇旅行とかにホイホイ来たいな、とは思いました。
 そしてそれとは別に、誕生日にやたら出歩くのももういいかな、と思うくらいにはオトナになりました(笑)。海外旅行は友達と行ってもいいし、ひとりで行くんでも仕事が休めるなら別の時期でもいいんだし、来年以降はまたしばらく実家に帰って、ぐーたらしつつ親に祝ってもらう誕生日にしよう、と考えたのです。うちの親はありがたいことにピンピンしていますが、しかしそれも限りある時間かもしれませんしね…

 とりあえず、来月には親友とふたりで、さくっとロンドン旅行に行ってくる予定です。旅支度は今回でだいぶ準備ができたので、あとは何をしてどこに行くか、いろいろ調べないとなー…ガイドブックは買いました。翻訳アプリと通貨換算アプリは、今回スマホに入れたものそのまま使えることでしょう。
 ロンドン、25年くらい前に仕事で一昼夜くらい行っただけで、全然記憶にございません、なのです…
 楽しみです! おくわしい方いましたら、オススメなとコメントくださいませ!!














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韓流侃々諤々neo 12『ピノキオ』

2024年08月11日 | 日記
 2014年SBS、全20話。BS Japanextの放送で全20話で見ましたが、時間的におそらくカットあり。

 第一話がちょっと変わっているというか、え?テレビの高校生クイズ番組の話? こういうの、韓国にもあるんだねえ…みたいな感じで、なんの話かさっぱりわからないようなところがありましたが、その後はなかなかおもしろかったです。萌え萌えで見ました。後半はちょっと失速したかな…
 簡単に言うと、デマとか偏向報道による被害、みたいなものをテーマにした、なかなか重い物語でした。それをちゃんとラブコメというかホームドラマに落とし込んでくるんだから、韓ドラってやっぱりすごいです。
 主人公はイ・ジョンソン演じるキ・ハミョン。モデルもやっている俳優さんだそうですが、私は初めて見たかな? ハミョンを名乗っていた時代はほぼ子役です。時系列で説明すると、彼の父親が消防士で、とある出火に出動して人命救出に奮闘するんだけれど、悪く報道されて、追いつめられた長男はテレビ局に訴えに出て逮捕され、母親は次男である彼と無理心中しようとして、彼だけが生き残り、ヒロインの祖父に助けられるのです。
 ヒロインは『相続者たち』でも見たパク・シネ演じるチェ・イナ。こういう庶民派ヒロインが絶妙にハマる女優さんですよね…! タイトルは彼女が、嘘をつくとしゃっくりが出るという「ピノキオ症候群」に罹っている、という設定から来ています。童話のピノキオは嘘をつくと鼻が伸びるんでしたっけ? それで周りにすぐバレるので嘘がつけない、ということでしたよね。しゃっくりかどうかはともかく、嘘をつくことに過剰にストレスがかかるような神経症みたいのものは実際にあるのかな?とか思ったのですが、ドラマの中ではイナは嘘だとわかっている話をしゃべるとしゃっくりが出る、というだけでなく、疑わしい、信じ切れないというだけの話をしてもしゃっくりが出ることになっていて、そんな嘘発見器みたいな機能はさすがに人間にはないだろう、とはちょっと思ってしまいました。というか人間は1時間も話せば、大小含めて嘘のひとつやふたつ出るものなのでは…
 それはともかく、イナの祖父はややまだら呆けみたいになっていて、それはイナの父親の兄である長男を子供のころに亡くしているショックのせいもあるようで、助けたハミョンを長男ダルポだと思い込み、記憶がないようだし家族もいないようなので引き取って、一家四人で暮らし始めるのです。イナの父も話を合わせて彼を「兄さん」と呼び、イナも彼を「伯父さん」と呼んで暮らす、のどかで愛ある家族です。イナとダルポは同じ歳で、幼馴染み兼同級生として育つわけです。韓ドラあるあるですね…!
 イナには離婚して家を出ていった母親がいて、彼女がほぼセカンドヒロインです。『キム・サブ』で私が萌え萌えだった、だいもんにしか見えないチン・ギョン演じるソン・チャオクです。家庭人には向かないタイプの職業婦人で、今やプライムタイムのニュース番組のアンカーウーマンを務める敏腕報道記者、有名人です。イナには母親への思慕があって、ずっと母親の携帯電話に近況メールを送っていたのですが、実は彼女はもうその電話を使っていなくて、イナのメールをずっと読んでいたのがキム・ヨングァン演じるソ・ボムジョでした。彼は文面からいつしかまだ見ぬイナに恋をしてしまい…というような関係性です。
 イナとダルポは報道記者を目指すことになり、同期にユン・ユレ(イ・ユビ)という女性も登場してきて、ひょんなことからダルポが自分のことを好きなのでは、と誤解するのですが、そこで四角関係になるというよりは、あくまで気のいい同僚、という感じで好もしかったです。
 また、イナを好きになりやはり報道記者を目指すボムジョは、実はデパートなどを手広く営む財閥の女社長のひとり息子で、よくあるケースなら悪役の恋敵になりそうなものですが、終止好青年だったのもよかったです。母親がビジネスのため、と法律ギリギリ、あるいは裏で悪いことをしているのを知って苦悩するところがまともだし、イナとダルポが惹かれあっていることを知ってからの言動も人としてちゃんとしていました。ここが気持ちよかったのは、この物語においてけっこう大きかったと思います。
 結局、ダルポの父親を偏向報道で悪者に仕立てたのはチャオクであり、イナはダルポにとって親の敵の娘になるという、これまた韓ドラあるあるの絶妙な構造です。チャオクは出世欲や功名心があるバリキャリで、真実よりもテレビ受けを狙うレポートをするタイプの記者なのでした。ここに、ダルポの兄が復讐を謀って…とか、兄弟の邂逅があって…とか、イナとダルポの恋にふたりは「親戚同士」なのだから、と父や祖父が反対したり…とかでドラマはテンポ良く進んでいくのでした。おもしろかったです!
 チャオクがある種の悪役の座を降りてからの後半は、そういう偏向報道には実業家や政府への忖度があって…とか金権政治の弊害が…みたいなことにもなっていくのですが、やや大味というかステロタイプでリアリティがそれほどなく、中身が薄い展開になっていってしまう印象はありました。そこまではドラマでも踏み込めない…ということなのかもしれません。でも偏向報道や報道被害についてドラマでテーマにするところだけでも、十分すごいよな、と思いました。もう十年も前の作品なわけですが、このテーマはまだまだ響く問題です。
 そんな中で、家族として幼馴染みとして惹かれ合ってきて、でも素直になれなくて…みたいな恋をじりじり進めていく主役ふたりがとても愛しいドラマでした。ラストは結婚式の衣装選び?みたいないちゃいちゃで終わるのですが、いじらしくすがすがしく、楽しく見ました。
 ボムジョの母親の女社長が、毎度のアボジオモニーズで(それでいうとイナの祖父もですが。あとチャオクの後輩のおじさん俳優とか、ホントめっちゃよく見る…!)、でもわりと貧乏オモニをやることが多い女優さんだと思うので、女手ひとつで息子を育て上げるためとはいえ、ビジネスや利権のためなら悪いことも悪びれずやる、という冷酷なビジネスウーマンを鮮やかに演じていて、感心しました。役者さんってホントにすごいなあ。だから、息子可愛さに自爆しちゃうような展開はちょっと残念でもあったんだけれど、ボムジョがいいヤツだったこともあって、いいバランスではあったかと思います。食べていくために必要以上の富は、悪さをしてでも得ていいものではやはりないよね…
 各話のサブタイトルは童話から来ているようでした。良き一本でした。












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占いに行ってきました。

2024年08月05日 | 日記
 これは「FP相談に行ってきました。」と対になる日記です。
 昨年末くらいからなんとなく、この先の人生をどうしよう…みたいなことを考え始めていて、お金の相談はFPにして、心の持ちようみたいなものは占いで何かいいことを言ってもらえたりしないかしらん、とか、うっすら迷っていたのです。
 基本的には、占いなんて眉唾だと思っているんですよね(^^;)。星座とか血液型の性格診断とかはまあ当たっている気がしているのですが、人間がそんなに簡単に分類できるものかい、とも思いますし、しいたけ占いとか毎週読んでますけど、読み終えた瞬間にきれいに忘れている気がするので。でも、カウンセリングみたいな部分もあるんじゃないのかな、なんとなく気になるときには頼ってみてもいいんじゃないかな、でもどこへ行ったらいいのやら…などモヤモヤしていたら、たまたま会社の同期と話していて占いの話になり、いい占い師さんがいるよ、とオススメされたので、予約を取ってみたのでした。
 高田馬場のとある占いカフェにて、30分5千円。相場としてどうなのかはよくわかりません…結局少し延長したので、6千円のお支払いでした(カフェのお茶代は別)。
 生まれた日時で占ってもらう、いわゆる四柱推命でした。それで思い出したんですけれど、2008年に行った台湾旅行で友達と一緒に占いに行ったことがあり、そのときも四柱推命でなんか鑑定書みたいなものをもらったな…と引っ張り出してきたら、生まれた時刻の申告が20分ズレていましたが、結果としては今回とほぼほぼ同じでした。まあ、あたりまえか…読めないような漢字ばかりですが、今回の結果と同じものが並んでいることはわかるからです。でも当時何を言われたかはあまり覚えていません。占い師さんが多少は日本語が話せたんだとしても、けっこうたどたどしかったんだと思いますし…
 さて今回は、まず職業を聞かれて会社員だと答えたらものすごく驚かれたのですが、なんかそんなような星回りだそうです。起業とか独立とかしたら大成功するはずで、今からでも副業でもなんでもしたらいいのに、と言われました。でも、全然ピンとこなかった…そりゃ子供のころは漫画家になりたい、とか思っていたこともありましたが、プロになる才能なんてないな、とは中学生になるころには気づいていましたし、あとは勉強して大学行って就職して自分の食い扶持は自分で稼ぐ…という漠然とした人生プランしかない、ごく普通の昭和の子供だったからです。ビジネスで成功って…タカノユリとか? APAホテルの女社長とか?? どうにもロールモデルがなくて上手く想像が出来ません。というか今もサラリーマンであることに十分満足しているので、今さら組織や人に雇われることに向かない星、とか言われても…と困惑しました。まあ社内でも好き勝手やってるから出世していないのかもしれないけどさ…
 それでまたまた思い出したのが、15年かもっと前くらいにやはり煮詰まって占いに行ったことがあり、そのときは当時していたいわゆる不倫の恋愛に関して、相手の離婚を待っていていいんでしょうか、みたいなことを(すみませんすみません)聞きたくて行ったような気がするのですが、やはり四柱推命で、やはりとてもいい星回りだと褒められて、そんな目先のしょーもない恋愛なんてどーでもいいからもっとビッグなことをしなさい、ビッグになれるわよ、みたいに焚きつけられて、でもやはり全然ピンとこなくて撤収したことがあったのでした…
 というわけで、とても強い星のもとに生まれているんだそうな、ということは改めてよくわかりました。
 食べるには困らない、と言われたのは嬉しかったかな。定年後の再就職とかはする気がなくて、遊んで暮らしたいとか考えているので、何かやれば億万長者ですよ、みたいに言われても全然想像がつかないんですもん。テキトーに食べていけるらしい、ならそれで十分です。
 芸術的な志向があるし、なんなら占い師になるのにも向いてますよ、と言われたのはちょっとおもしろかったです(笑)。健康面では来年あたりに不安が出ているようで、今年の人間ドックくらいから何か出るかも…と言われて、ドキドキしています。節制せねば…
 あとは、最後の最後におまけのように手相も見てくれたんですけれど、「晩婚ですね」と言われたのがおもしろすぎました。結婚!? これから!? まあご縁があるならやぶさかではないですけれど! ロマンスの訪れがあるのかも、と思えるだけでときめきますね!? わかった、そこはあまり鎧で固めずに行こう、と思えました。単純すぎます(笑)。まあ手相って所詮手のひらの皺だし、10分で変わるものだそうですけどね。

 というわけで気休めにも参考にもなったようなならないような、でしたが、まあ星回りに恵まれているというなら、大船に乗ったつもりで今後もあまり迷わずやりたいように生きていくか、とは思えました。星が示すほど偉大な人物として偉大な人生を歩めてなくて、そこは申し訳ないんですけれど、もうしょうがないですしね…
 たとえば、私は石橋を叩いたら渡ります。叩いたのに渡らない、という臆病さはないと思う。ただ、ある程度取捨選択してハナから叩かない、みたいなところはあると思うので、今後は大船に乗ったつもりで(どんな船なんだ)、気になるなら叩かずに渡ってみちゃってもまあまあ大丈夫なんじゃない? だって星回りがいいんだもん! って考えることにして、もっと気軽に、気安く生きていってみてもいいのかもしれない、などと思いました。
 そんな占い体験だったのでした。鑑定書などいただけたので、忘れたころにまた眺めてみようかな…
 みなさんには、どんな占い体験がありますか?(^o^)
 さて、誕生月に入りました。さらに夏を楽しむぞー!(^o^)










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もしかしてアレはコロナ感染だったのだろうか、日記。

2024年08月02日 | 日記
 実は年末年始と6月末に、喉の痛みと発熱があり、数日様子を見る事態になりました。
 緊急事態宣言開けも、いわゆる5類になってからもずーっとマスクはし続けていて、ワクチンも4回打っていますし、野放図な人よりは気をつけているつもりです。まあ観劇も遠征も旅行も出歩いているのでソレはアレなんですが…
 近くにめっちゃ咳こんでいた人がいた、とかは思い当たりません。どこからもらったのかは謎です。全然心当たりがなく、まず、あれ?喉がいがらっぽいかも?とか思っていたら半日ほどして微熱が出てきて、おいおいヤバくない?と常備していた解熱剤を飲んで、冷えピタ貼ってゼリー飲料飲んで寝ました。年末は帰省していたので病院もお休みだったし、6月末はたまたまちょうどなんの予定のない週末に入るところで、週明けも3日ほど在宅勤務予定にしていましたし、たまたま観劇予定もなく、様子見てから必要そうなら発熱外来に行くか…と自己判断してしまったのです。本当はそこでちゃんとお医者に行って、陽性か判定してもらい、自己負担になったたっかい解熱剤とかを買わされて、国の無策を憂う怨嗟のツイートをするところまでがセット…だったのでしょう、すみません。6月末のときは、以前会社からもらった抗原検査キットが自宅にあったので、一応やってみたのですが、陰性だったんですよね…ただ、試薬の期限が去年末で切れていました(^^;)。なのでこの判定は怪しいのかもしれません…
 解熱剤は日に2回飲むものだったのできちんと服薬して、熱自体は丸2日ほどでほぼ下がりました。丸1日は水とゼリーだけで寝て暮らしてちょっと体重が減ってラッキー、とかはありましたが、あとはわりに元気だったので、おとなしく家にこもりつつ自炊していました。コロナ・地震・台風対策として水やレトルト食品の買い置きはバッチリでしたしね。ちなみに味覚や嗅覚にはまったく異常ありませんでした。
 年末のときは実家の自室にこもり、熱が下がってからは普通にリビングのこたつでおせちなどつつきましたが、親も弟もその後もピンピンしていたので、やはり単なる風邪で、疲れでも出たのかなあ…とナゾです。ただ、その後も喉の違和感が全快するのに2週間以上かかり、やはり怪しかったのでは…とも思っています。6月末のときはだるさも残ったので…ただ、これも家に籠もっていたための軽度の熱中症によるものだったのかも、と思うとますますナゾです。自宅の冷房は効きがそれほど良くないので…
 それ以外の症状は出ず、喉元過ぎればあとはまたすっかり元気なので、あれがもしコロナ罹患だったのだとしてもワクチンのおかげで軽く済んだのだろうか、と考えています。でも、それまでは罹らないでこられた気でいたので、半年で二度も?と思うと情けないやら怖いやら…です。また流行ってるんだそうですよね。今は会社の同僚たちも取っ替え引っ替え誰かしらが体調崩して休んでいるようなところがあって、陽性だったとか陰性だったけど体調悪いとかインフルだったとかいろいろで、完全に健康でやり過ごせている人は誰ひとりいない状況です。それでもマスク率が上がらないんだ、馬鹿なのかきみたちは…(><)
 4回目のワクチンは一昨年末だったので、自費でもいいからまた打ちたいです。秋にはまた自治体での接種が再開されるんでしたっけ? ちゃんとしてくれよ国!とホント思います。
 そもそも数字がきちんと発表されなくなっちゃいましたけど、どこかで地味にカウントされ続けてはいるはずで、でもこうして怪しいな、くらいだったり日和ったりで発熱外来に行かない人も多いと思うので、実際の感染者数は本当はもっと膨大なのでしょう。上手くつきあっていかないといけない病気になりつつあるのかもしれませんが、しかし後遺症もひどいものはひどいとなると、やはり罹るのはなるべく避けるに越したことがないはずなんですよね…
 ああ、不覚。「アレがダメだったんだ」と思い当たることがないのがまた悔しいし、反省して善処する、ということが出来ないのでまた罹るのかも、と思うと不安です。しょぼん…
 みなさまもどうぞお気をつけて、マスクして換気してうがい手洗いして手指消毒して、猛暑も大変ですが引き続き身を守り、生き抜きましょうよね…!という話でした。




 



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