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玉肌日記

2022年05月21日 | 玉肌日記
【知内温泉(北海道上磯郡知内町)】
「北海道最古の温泉」というコピーが目立つが、知内(しりうち)と読むこの温泉。北海道新幹線の北海道側の最初の駅は木古内(きこない)だが、そこから20kmほどの南方に位置する。函館市内から爆走してきたが早朝でも70分の所要。遠い。その開湯は1247年に遡り、現在の湯守で17代目とのこと。脱衣所に掲示されている「試験成績書」も相当な年代物だが、その日付は昭和4年!昭和4年(1929年)はウォール街大暴落があった年…とふと自室の本棚を見るに『大暴落1929』(ジョン・K・ガルブレイス)が…。折しも本日まで米国株が8週続落していて、これは90年前の大恐慌以来の記録。その90年前の「試験成績書」はその保存状態の良さから見て琺瑯製と思われる。年代モノはこの成績表のみにあらず、温泉による長年の析出物によって浴場の床は黒褐色の鱗状になっている。写真を見てもわかるが、浴室全体が黒褐色の床、温泉、そして壁面の木材と黒褐色一色で覆われる。泉質は「ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉」だが、泉温49.6℃の湯を掛け流しで近くの源泉から注いでいるためか非常に熱い。浴槽温度は43℃となっているが、体感的には45℃程度でとてもではないが長湯できない。湯に沈むとビリビリ来るほどの熱さのため出たり入ったりを繰り返さざるを得ないが、厳冬期にはこれぐらいの方がちょうど良い湯温になるのかもしれない。なお、浴場自体もこの高温の湯のため加温・加湿されておりサウナのよう。湯は薄く濁っているが塩味と鉄味が少々で、いかにも体が温まりそうな湯。こちとら入浴後まで全く気が付かなかったが、こちらの温泉旅館は北海道には少ない「日本秘湯を守る会」に所属。この結果、北海道の同会温泉は無意識ながらほぼ踏破していたことに気が付く…。

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