Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

レコーディング日記(34)

2005年08月01日 | SideSteps
ここで、教訓その4は”リスニング・ポイント”。これまでの録音との大きな違いは、スピーカー中心の音決めだったこと。本来、「ミックスはスピーカーで聴いて行うもの」というのが定説(この定説という言葉、どこかの新興宗教を思い出す...)だろうが、これまでの作品は「そうでなかった」というのが事実。というのも、これまでの作品はスタジオミックス(「Steps on Edge」まで)とそれ以降の自宅ミックスとに分かれるが、前者では完全なアナログミックスだった(そういう時代だった)こともあり、パッチベイのガリやコンソールのポッドのガリ等で上手くエフェクトが定位しないとか、最悪エフェクトが片チャンネルしか聴こえないといったトラブルも多く、これを回避するためにチェックとしてヘッドフォンを使用していたのだが、その頻度があまりに高く、エンジニアの信頼性も低かったため、結果としてヘッドフォンによるミックスに。当時は「世の中には住宅事情も相俟ってヘッドフォンでしか聴けない人もいる」(現に当方はそうだった)ということも考慮して、納得するも、以降、自宅ミックスとなってからは、当時ミックスをしていた田村邸、伊東邸における住宅環境により、大きな音での作業が出来ないということで、ヘッドフォンを多用、という具合なのだが、今回は初めて大きな音でチェックできる環境。スタジオにあるスピーカーはYAMAHA NS10という定番のニア=フィールド・モニターなのだが、重要なのはリスニング・ポイント。
※写真は前回にある、AVALONのDI内部の抵抗やコンデンサーの配列