ぼちぼちいこか

私の大好きな登山や水泳、ラグビーを中心に私が感じたことを書いていきます。

春を背負って

2014年07月30日 | 読書
しばらく前に本屋さんで手に取って面白そうだと思い購入したものの、そ
のまま本棚に入れっ放しになっていました。
先日、映画が封切られてしまったので慌てて本を読み映画も観てきました。


先に書評から。
とても面白かったです。舞台が北アルプスではなく奥秩父ということで、
敷居が低くなっているような気がしました。ほのぼのと心が温かくなるよ
うな連作での短編が6編収められています。
人間ってホントはみんな良い人なんだよ。自然ってすばらしいよね。って
いう作者の気持ちが十分すぎるくらいに伝わってきます。
私的には心に残る言葉がいくつかありました。
それらは人間としての生き方の根本に関わることのような気がしました。
心の底から幸せや充実感を感じることが出来るのは、目に見える物質的な
豊かさではなく、やっぱり目に見えない部分が大きいのだなとしみじみと
感じました。


映画について
監督は前作で剣岳 点の記を撮った木村大作さんです。
どうも木村監督の感性と私の感性は、かなり離れているようです。
確かに北アルプスの映像はきれいでしたが、全体としてはチープで中途半
端な内容だと感じました。
冒頭で小さかった亨が父と一緒に雪山を登るシーンやオオメシ君と呼ばれ
る登山者が嵐の中で遭難する場面。
そして極めつけは心筋梗塞になったゴローさんを亨が背負って山を降りる
設定です。心筋梗塞で倒れた人間をあんなことして背負って動かしたら余
計に悪化してしまうと思いますが。

全体的には(前作もそうですが)演出がクサイのです。
そのために、どうしても感情移入できません。

繰り返しになりますが山の映像はきれいです。
剣岳にもつい先日登ったばかりだったので、もう少し純粋な映画を期待し
たのですが残念でした。