映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

“推し”について

2023-04-23 | 推し活

 以前にも書いたのですが、昨年から“推し活”に励んでおります。おかげで、日常にハリとツヤ、、、じゃなく、ハリと楽しみができました。以下、私の“推し”の紹介をさせてくださいまし。


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◆ヴァイオリニスト金川真弓さん

 私の推しは、ヴァイオリニストの金川真弓さん。

 金川さんの演奏を初めて聞いたのは、昨年の2月、N響の定期でヒラリー・ハーンの代役で、だった。代役が立った理由は、もちろん、コロナの“まん延防止措置”。このときは指揮者のパーヴォ・ヤルヴィも入国できなくなり、代わりに尾高忠明さんが振ることに。

 ヒラリー・ハーンは、世界的に実力・人気ともにあるヴァイオリニストなので彼女を目当てにしていた人は多かったんじゃないかなぁ。私は、もう何年も前になるけど、彼女の演奏(チャイコだった)を聴いて、確かに凄かったけど、ゼンゼン感動はしなかったので、彼女に代役が立ったことについては何とも思わなかった。

 ただ、彼女の代役を務めなければならないというのは、結構プレッシャーだろうな、大変だなぁ、、、と心配していた。しかも、曲はバーバーのコンチェルトで、難易度が高い。代役が決まってから本番まではあまり日数もなかっただろうし、こりゃタイヘンだ、、、と。

 金川真弓さんのお名前は、もちろん聞いたことはあった。2019年のチャイコフスキー国際コンクールで入賞(4位)してニュースになっていたので(ちなみに、金川さんのプロフィールはこちら)。ただ、このコンクールでは、ピアニストの藤田真央氏がピアノ部門で2位になって、こっちの方が大々的に報じられていた。その後、藤田さんの演奏は、都響とのシューマンのコンチェルトを聴く機会があったけど、こちらもスゴいとは思ったけど、感動はしなかった(ファンの方スミマセン)。私、なかなか感動しないんです、、、ハイ。

 で、昨年の2月17日、金川さん登場のバーバーのヴァイオリンコンチェルトは2曲目。

 ……いやもう、、、、最初の1音でKOされました。

 何という美しい音、、、。もう、圧倒されて、あっという間に曲が終わっていました。それくらい、引き込まれ、息をするのも忘れていたような気がします。曲自体もとても美しくメロディアスなのだけど、それだけに歌い方も個性が出る。金川さんの奏でるバーバーは、実に艶やかでのびやか、表情豊かで、何より歌心のセンスが抜群に素晴らしい。さらに格別の美音。もう、夢のように美しいバーバーでした。

 私は、ギル・シャハムの同曲のCDを持っていて、大好きな演奏なんだけど、シャハムには悪いが、金川さんの演奏はそれを圧倒していたと思う。

 演奏が終わった瞬間、うわ~~っと込み上げるものがあり、一瞬拍手するのも忘れていたほど。ライヴで感動することは本当に少ないので、これは貴重な貴重なコンサートでした。ギル・シャハムも大好きなヴァイオリニストで、何度もライヴで聴いているけど、こんな感覚になったことは一度もない。ブレハッチのライヴを初めて聴いたときもメチャクチャ感動したけど、比じゃなかった気がする。

 正直、この日の他のプログラムの演奏、ゼンゼン記憶にない、、、ごーん。


◆2回目で完全にハマる。

 その日を境に、私の日常は大激変! ……いや、大げさでなく、ホントに。

 まず、金川さんの出演情報を検索しまくる。で、5月に都響と共演すると知り、すぐチケットを買う。でも、結果的に、私が決定的に金川さんの追っ掛けをすることになったのは、このコンサートだった。

 曲は、バーンスタインの「セレナード」(プラトン『饗宴』による)。あんまり演奏機会は多くない曲だと思うけど、五嶋みどりが生前のバースタイン自身の指揮で演奏し、一躍有名になった曲だったはず。難易度はよく分からんけど、多分、かなり難しいと思う。バーンスタインらしく、曲想がコロコロ変わり、実に面白い曲なんですが。

 で、楽しみに聴きに行って、私はここで、滅多打ちにされた。もちろん良い意味で。

 バーバーとは全く趣の異なる曲で、スコアを見ていないから分かんないけど、おそらく変拍子もかなりありそうだし、技術と音楽性をかなり問われる曲だろうけれど、金川さんは当然暗譜で、あまりにも颯爽と弾ききってしまった。難曲を難曲と聴衆に感じさせないその弾きっぷりに唖然、、、。この人、何者、、、??

 アンコールは確かバッハだったけど、これもねぇ、、、もう凄過ぎで口あんぐり状態。魂を抜かれた感じだった。

 以来、私はゾンビのように彼女の追っ掛けをすることに。

 ……いや、ちゃんと意志を持って楽しく追っ掛けしております。

 Twitterでも、前述のバーバーの演奏はもちろん、バーンスタインの演奏も、絶賛のものがいっぱいあり、やはり皆さん、その完成度の高さに驚愕していらっしゃる様子。……分かるわぁ、、、驚愕するよ、あれは。


◆裏切らない“推し”
 
 そんなわけで、昨夏以来、金川さんのコンサートやリサイタルに、既に7回ほど通いました。

 こんだけ通えば、一度くらい“裏切られる”こともあってもおかしくないのに、これがウソ偽りなく、一度も無いのだ。ホントに、毎回毎回、あの美音と美しい音楽に酔いしれている。今後も、いくつか既にチケット購入済み。ドイツ在住でありながら、日本でも演奏の機会を増やしてくれているのは嬉しい限り。先日は、初のCDも発売になり(もちろん買いました)、今後、さらなるレコーディングも期待したいところ。

 世界中にスゴいヴァイオリニストはゴマンといらっしゃいますが、あの美音に勝る音を奏でるヴァイオリニストは世界広しと言えども、そう多くはないだろうと思いますね。

 演奏のほかに私が良いな、と思うのは、演奏スタイルにもある。無駄な身体の動きがほとんどないし、姿勢がとても良い。人気ヴァイオリニストの中には、パフォーマンス過剰な人は結構いるが、ああいうのは好きじゃない。金川さんは、そういう部分でもとても知性と品性が感じられて好感度高し。

 あと、衣装も。シンプルだけどハイセンスなドレスばかり。同じ衣装を別の演奏会でもサラッと着ていて、そういうところも好きだ。衣装って、やっぱりその人の感性とか如実に表れると思うのよね。

 ……というわけで、最後に、彼女のライヴ演奏動画を貼っておきます。

 これは、昨年9月、サントリーホールで行われた「明電舎presents N響名曲コンサート2022」での、ブルッフのスコットランド幻想曲。もちろん、ライヴで聴きましたが、この動画も何度も聴いてます(全視聴回数のうち200回くらいは私が稼いでいるかも)。特に「Ⅲ アンダンテ・ソステヌート」(15:49~)が有名かな。映画「北京ヴァイオリン」でも使われていた曲です。

 この演奏会のリハの模様を、Cl首席の松本氏がツイートしていたのが印象的でした。「リハーサル2日目は2コマ目にに金川真弓さんをお迎えして「スコットランド幻想曲」を練習しました。あまりの素晴らしさに聴き入ってしまって仕事になりません」……そうでしょうとも。松本氏は、バーバーの際も絶賛ツイートされていました。

 では、どうぞ、この素晴らしい演奏をご堪能あれ!! 

 

 

 


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2 コメント

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まさにこちらが・・・ (フキン)
2023-04-23 17:09:05
そうですか!!この方だったのですね。

すねこすりさんの推し、教えていただきました!!(^v^)
一目惚れならぬ、ひと耳惚れと言った感じですね♪

まったく知らない世界の方でしたが、すねこすりさんのご紹介でちょっと異世界を見学した気分で見分広がりました!!ありがとー!!!笑
金川さん、ドイツ生まれなんですね。
すねこすりさん、そのうち彼女を追っかけて海外まで行きそうですね🎵楽しそうでうらやましいな。

「北京バイオリン」、ありましたね。
よさげなのですが、私未見です。見て観ようかな。
そういえば、「1秒先の彼女」が岡田将生でリメイクされたみたいですね。
返信する
こちらがmyおしです♪ (すねこすり)
2023-04-23 22:12:15
フキンさん、こんばんは☆
そうです、まさにひと耳惚れ!!
こんな経験、初めてでした。CDで一度ありましたが、ライヴではこの歳で初の体験!きゃっ!!
金川さんはまさにcosmopolitan、国籍は米国なのかな。
異世界と言わず、フキンさんもこっちにいらしてください~~♪
外国まではアレですが、日本国内なら遠征する気満々です!(現在計画中)
京都でもコンサートがあるので、行けたらいいな、と思っています。
そうそう、「1秒先の彼女」のリメイク、男女逆で大丈夫??って思いましたが、どうなんでしょう?
余談なんですが、昔、「北京ヴァイオリン」が公開中、ウチの人に「今日、帰りに映画見に行くから遅くなる」と言ったら
「何の映画?」と聞くので、「北京ヴァイオリンって映画」と答えたら、
「え?北京ヴァイオレンス??」とめっちゃ前のめり。
そっち系が好きなんですけど、聞き間違えるか??と呆れてボー然としたの、思い出しましたので、書いちゃいました。
失礼いたしました。
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