その②のつづきです。
◆母娘の確執の“核”
ジェンダーだの何だのと書いてきましたけれども、お姫様が王子様に見初められて幸せになりました、というのは、白雪姫においてはサイドストーリーです。メインストーリーは、飽くまで“母と娘の確執物語”。
そう、実に普遍的なテーマが白雪姫の本質で、この辺りも女性学では割と論じられてきたところでして、、、。
“母と娘の確執”については、いろいろな人がいろいろな所でいろいろなことを言っておられますけれど、経験から、母と娘に確執が起きるその原因は、ひとえに、“母の娘に対する嫉妬心”だと思うのですね。
母娘の確執の根っこ、コアな部分にあるのは、まさに母の娘に対する“嫉妬”です。
これは、私自身が経験し、あれこれ苦しんで悩んで20年ちかく考えた末にようやくたどり着いた結論です。ここに気が付いたとき、私は母親に対する全ての不可解・疑念・疑問が一気に氷解し、腑に落ちました。
比較的、問題の少ない母娘関係を築いてこられた方々はもちろん、現在、母娘の確執を抱えているご本人でも、「母親が娘に嫉妬??」と疑問に思われるかも知れません。私自身、そこに気付くまでに、いろいろな書物等の活字で「娘に嫉妬する母親」というものを読んでも、まったくもってピンと来ませんでした。「そんな母親いるんだ、、、? ウチも母娘の確執を抱えてるけど、ウチはこれはナイわぁ~」と真剣に思っていました。
でも、ナイどころか、まさしく“それ”だったのでした、ウチも。
◆娘に嫉妬する母親
娘に嫉妬する、とはどういうことか。
それは、“娘が自分の人生を自力で歩もうとすることを全力で阻止する”ってことです。
なぜ全力で阻止するのか。娘に執着しているから、娘の人生を利用して生き直しをしようとしているから、、、、等々言われていますが、もっと単純なんだと思います。多かれ少なかれ、自分が果たし得なかった、抑圧されてきた部分を、娘が超えようとしてしまう様を目の当たりにし、我慢ならなくなるのです。
精神的に自立できている母親は、自分が果たせなかったことを娘が果たそうと挑む姿を見守ることができるはずですが、自立できていない母親には、それがもの凄く難しい、というより不可能なことなのです。
自立できてない母親というのは、大抵、何かに依存している。ある人は家族に、ある人はお金や権威に、、、。一番タチが悪いのが、子に依存している母親。子が親離れしようとすることを“裏切り”と受け止めるんだからね。子は地獄ですよ、マジで。
ここでいう自立は、経済的な自立ではなく、精神的な自立です。まあ、経済的な自立と精神的な自立は、比較的連動しているとは思いますが、必ずしもそうとは言い切れません。
いずれにせよ自立できていないということは、自分の意思が貫けないか、もともと意思を持てない人なわけです。だから意思を持って行動しようとする人に対し、反発心が自然に起きる。
でも、本人はそれを嫉妬心だとまるで自覚していない。特に、我が子、いえ、我が娘が意思を持って行動しようとすることが、“生意気”とか“偉そう”とかに見えるんです。だから、許せない。親を差し置いて何事か、、、とね。親である自分がないがしろにされたみたいな気持ちになるんでしょう。それが、裏切られた!になる。実に憐れな思考回路です。
白雪姫の実母である魔女も、まあ同じですよね。彼女の場合、依存しているのは魔法の鏡。ある日突然、魔法の鏡に裏切られる。鏡は鏡の意のままにモノを言っただけなのに。
そこで怒りは白雪姫に向かい、白雪姫を追い出すけれども、白雪姫が自分の知らない所で幸せそうにしていると、激しく嫉妬する。生意気な娘!! 許せん!! そして、毒りんごですよ、毒りんご そこまでして白雪姫の人生を破壊したいという衝動の恐ろしさ。
◆自分に自信がない人ほど攻撃的
でもこれは、詰まる所、“自分に自信がない”ってことでしょう。
魔女は鏡に確かめないと、自分の美貌を信じられなかった。だから、鏡に白雪姫の方が美しいと言われれば、それを真に受けてしまう。ホントは、魔女の方が美しいかも知れないのに。そして、過剰に攻撃的になる。周りはいい迷惑なんですけどね、、、。ちゃんと自己処理してくれよ、と言いたい。
でも自信を持つ、って難しい。根拠のない自信家なら、結構いますもんね。それはそれでまた周囲に対して害悪です。
自分なりの考え方を確立し、なおかつ独善的にならない、というのは実に難しいバランスの取り方です。でも、これは、日々意識していないとなかなかできるようにはならないし、油断すると、何かに依存したり、独善的になったりと、どちらかに針が振れてしまう。
そうすると、何か壁にぶち当たった時に、回りのせいにするか、あの時ああしておけば良かったと後悔するか、、、どちらかでしょう。魔女は、白雪姫のせいにして、自分の存在意義をなんとか保とうとしたけれど、それは虚しい結果に終わってしまった、、、。
依存ではなく、自分を確立すること。これが、魔女にならない唯一の道でしょう。
母親に嫉妬されて苦しんでいる娘は、世の中にたくさんいると思うけれど、彼女たちもある意味、そんな母親に依存しているのです。まずは、その魔女的な母親から自立すること、自分の足で立つことが、苦しみから解放される第一歩だと思うなぁ。
例の“ディズニー諸悪の根源説”も、今や昔。アナ雪では、♪ありのままの姿見せるのよ、ありのままの自分になるの~~、と歌っている。隔世の感がありまする。
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◆母娘の確執の“核”
ジェンダーだの何だのと書いてきましたけれども、お姫様が王子様に見初められて幸せになりました、というのは、白雪姫においてはサイドストーリーです。メインストーリーは、飽くまで“母と娘の確執物語”。
そう、実に普遍的なテーマが白雪姫の本質で、この辺りも女性学では割と論じられてきたところでして、、、。
“母と娘の確執”については、いろいろな人がいろいろな所でいろいろなことを言っておられますけれど、経験から、母と娘に確執が起きるその原因は、ひとえに、“母の娘に対する嫉妬心”だと思うのですね。
母娘の確執の根っこ、コアな部分にあるのは、まさに母の娘に対する“嫉妬”です。
これは、私自身が経験し、あれこれ苦しんで悩んで20年ちかく考えた末にようやくたどり着いた結論です。ここに気が付いたとき、私は母親に対する全ての不可解・疑念・疑問が一気に氷解し、腑に落ちました。
比較的、問題の少ない母娘関係を築いてこられた方々はもちろん、現在、母娘の確執を抱えているご本人でも、「母親が娘に嫉妬??」と疑問に思われるかも知れません。私自身、そこに気付くまでに、いろいろな書物等の活字で「娘に嫉妬する母親」というものを読んでも、まったくもってピンと来ませんでした。「そんな母親いるんだ、、、? ウチも母娘の確執を抱えてるけど、ウチはこれはナイわぁ~」と真剣に思っていました。
でも、ナイどころか、まさしく“それ”だったのでした、ウチも。
◆娘に嫉妬する母親
娘に嫉妬する、とはどういうことか。
それは、“娘が自分の人生を自力で歩もうとすることを全力で阻止する”ってことです。
なぜ全力で阻止するのか。娘に執着しているから、娘の人生を利用して生き直しをしようとしているから、、、、等々言われていますが、もっと単純なんだと思います。多かれ少なかれ、自分が果たし得なかった、抑圧されてきた部分を、娘が超えようとしてしまう様を目の当たりにし、我慢ならなくなるのです。
精神的に自立できている母親は、自分が果たせなかったことを娘が果たそうと挑む姿を見守ることができるはずですが、自立できていない母親には、それがもの凄く難しい、というより不可能なことなのです。
自立できてない母親というのは、大抵、何かに依存している。ある人は家族に、ある人はお金や権威に、、、。一番タチが悪いのが、子に依存している母親。子が親離れしようとすることを“裏切り”と受け止めるんだからね。子は地獄ですよ、マジで。
ここでいう自立は、経済的な自立ではなく、精神的な自立です。まあ、経済的な自立と精神的な自立は、比較的連動しているとは思いますが、必ずしもそうとは言い切れません。
いずれにせよ自立できていないということは、自分の意思が貫けないか、もともと意思を持てない人なわけです。だから意思を持って行動しようとする人に対し、反発心が自然に起きる。
でも、本人はそれを嫉妬心だとまるで自覚していない。特に、我が子、いえ、我が娘が意思を持って行動しようとすることが、“生意気”とか“偉そう”とかに見えるんです。だから、許せない。親を差し置いて何事か、、、とね。親である自分がないがしろにされたみたいな気持ちになるんでしょう。それが、裏切られた!になる。実に憐れな思考回路です。
白雪姫の実母である魔女も、まあ同じですよね。彼女の場合、依存しているのは魔法の鏡。ある日突然、魔法の鏡に裏切られる。鏡は鏡の意のままにモノを言っただけなのに。
そこで怒りは白雪姫に向かい、白雪姫を追い出すけれども、白雪姫が自分の知らない所で幸せそうにしていると、激しく嫉妬する。生意気な娘!! 許せん!! そして、毒りんごですよ、毒りんご そこまでして白雪姫の人生を破壊したいという衝動の恐ろしさ。
◆自分に自信がない人ほど攻撃的
でもこれは、詰まる所、“自分に自信がない”ってことでしょう。
魔女は鏡に確かめないと、自分の美貌を信じられなかった。だから、鏡に白雪姫の方が美しいと言われれば、それを真に受けてしまう。ホントは、魔女の方が美しいかも知れないのに。そして、過剰に攻撃的になる。周りはいい迷惑なんですけどね、、、。ちゃんと自己処理してくれよ、と言いたい。
でも自信を持つ、って難しい。根拠のない自信家なら、結構いますもんね。それはそれでまた周囲に対して害悪です。
自分なりの考え方を確立し、なおかつ独善的にならない、というのは実に難しいバランスの取り方です。でも、これは、日々意識していないとなかなかできるようにはならないし、油断すると、何かに依存したり、独善的になったりと、どちらかに針が振れてしまう。
そうすると、何か壁にぶち当たった時に、回りのせいにするか、あの時ああしておけば良かったと後悔するか、、、どちらかでしょう。魔女は、白雪姫のせいにして、自分の存在意義をなんとか保とうとしたけれど、それは虚しい結果に終わってしまった、、、。
依存ではなく、自分を確立すること。これが、魔女にならない唯一の道でしょう。
母親に嫉妬されて苦しんでいる娘は、世の中にたくさんいると思うけれど、彼女たちもある意味、そんな母親に依存しているのです。まずは、その魔女的な母親から自立すること、自分の足で立つことが、苦しみから解放される第一歩だと思うなぁ。
例の“ディズニー諸悪の根源説”も、今や昔。アナ雪では、♪ありのままの姿見せるのよ、ありのままの自分になるの~~、と歌っている。隔世の感がありまする。
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