映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

白雪姫、スノーホワイト、、、、あれこれ ~その②~

2016-08-29 | 番外編
 その①のつづきです。


◆白雪姫の主役は、実母である魔女
 
 さて、そんなダークな白雪姫のお話ですが、その世界観を形成しているのは、白雪姫が猟師に連れ込まれた広くて深い森や小人の家といった環境要素が5%、7人の小人の存在そのものが5%、残りの90%は魔女、、、というのが、私の勝手なイメージです。

 そう、このお話は、白雪姫orスノーホワイトというタイトルがついていますが、主役は実母である魔女です。というか、白雪姫とは、魔女の物語であり、白雪姫の物語ではないと思うのです。だって、白雪姫自身、話の中で何もしていないですもん。

 まあ、、、こういうハナシについては、これまでさんざん、女性学においてジェンダーの視点から語られておりまして、今回“白雪姫&フェミニズム”というワードで検索を掛けたら、案の定ありました。ジェンダーから見るおとぎ話のお姫様を斬った『お姫様とジェンダー アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門』(若桑みどり著、ちくま新書)、いわゆる“フェミ本”批判のブログ記事が。私は当の書籍を読んでおりませんが、なるほど、批判を書かれたブログ主さまがツッコミを入れたくなる分析が多々あったようですね、、、。

 まあ、単純化すると一般大衆にはウケやすいのでこういう書き方をしたのでしょう、著者は。でも、こういうことをやってるからフェミは攻撃されるんです。脇が甘いというか。


◆童話の功罪

 ただ、ブログ主さまの主張と思われる“ただのオハナシだと、どーして受け止められねーんだ、おめぇら”、というのには、一応、反論を。

 そう、これは童話。ただの童話。元はといえば民話。ただの民話、、、? え? ただの? 民話ってのは、人々の暮らし、風習から自然発生的に生まれたものである以上、そこには人間の営みに根差したお話であって、ただのオハナシと片づけられるものじゃないんですよねぇ。これが厄介なのです。

 確かに、フェミ的な切り方である“お姫様信奉”には、それこそバイアスが掛かっておりまして、ミイラ取りがミイラになっている感がありますけれども、なぜ、オハナシとして聞き流せないかというと、何より、これが童話だからです。こういうオハナシを思考が固まらぬ幼少期から繰り返し聞かされることで、“刷り込み”が起きるのは火を見るより明らかでしょう、今の社会のありようを見れば。

 ちょっと昔、アメリカのTVドラマ『アリー my love』で、アリーとルームメイトのレネが暖炉の火でマシュマロをあぶりながら話しておりました。

アリー「ねぇ、何で? 何で女って結婚にこだわるんだろ。何で?」
レネ「洗脳されてるの。子どものころ読んでもらったのは、白雪姫、シンデレラ。どれも男に見初められたり助けられておしまい。最近だと、リトルマーメイドにアラジン、ポカホンタス。男をモノにしておしまい」
アリー「てことは、女を毒してるのは、あの……」
レネ「ディズニー!!」

 これ、結構、的を射ていると思うのですよねぇ。アリーは、毒されているのが女だけだと言っているけど、男もそうだと思います。ディズニーに限らずですが、「(王子様と)結婚して幸せに暮らしましたとさ。おしまい」というオハナシの終わり方を、念仏のように聴かされては、そら、洗脳されますわ。

 だから、ただのオハナシで済ませられないと思っちゃうのね、女性学を齧った人間としては。そもそも、結婚してからの方が現実は大変なことの方が多いわけで。おとぎ話でそんな現実にヴェールを掛けちゃって良いのか、という見方もありますし。

 男も女も、ディズニー(だけ)で毒されているわけではなく、そういう社会の風潮に、もう知らず知らずのうちにどっぷり毒される。気がついたころには、中毒状態。ここから毒を抜くのは容易でないのは、これまた、現実の社会を見れば明らか。、、、まあ、一昔前よりはマシになったのかも知れませんが、まだまだこの猛毒ははびこっていると思いますねぇ。


◆ジェンダーは過激思想ではない

 男も女も一緒だーー! と、本来のジェンダーは言っているのではありません。いつぞや国会で性教育本を取り上げてお怒りだった議員がいましたけれども、あれはジェンダーではありません。“性別による社会的役割分業”をなるべく減らしましょう、というのが趣旨であり、生物的に差異があるのは前提です。この辺を、フェミ自身も踏み外している人々が多いので、目の敵にされがちなのですよねぇ、悲しいことに。

 まあ、しかし、世の中が変わりつつあるのを肌で感じている筆頭が、当のディズニーかも。最近のヒロイン像は、もはや男に助けられるだけでおしまいのお姫様ではありませんものね。そんなヒロインを描いていてはウケない、と分かっているのだと思います。

 実際、ステキな男(がいるのかどうかは別として)と結婚して、メデタシメデタシなんて、ウソ臭すぎる世になっているのよね、現実が。

 大体、ステキな男って、何でしょうか。逆に、ステキな女ってどんなんでしょうか?

 白雪姫ってステキな女ですか? 美しい女であればステキな女とは限らないでしょう。少なくとも、物語の中の白雪姫は、7人の小人に何度注意されても魔女の罠に引っ掛かるという、かなりオツムの弱そうな女です。これが果たしてステキな女なのか。

 王子様だって、ステキな男でしょーか? 白雪姫の死体に一目惚れして、棺ごと運ぶんですよ? ネクロフィリア、かつロリコン、、、と言っては夢がなさ過ぎ? ハッキリ言って気持ち悪いと、私は子ども心にちょっと思ったんですけど、この王子様、、、。いえ、ネクロ……なんて言葉はもちろん知りませんでしたけれども。

 まあ、そう考えると、今回見たポルノ白雪姫は、あながち元のオハナシの要素を外しているとは言い切れないのかも、、、。頭悪そうな白雪姫と、変態王子様のセックス。他の要素はまるで見当たりませんケド、、、。


その③につづく)





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