映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

エクソシスト(1973年)

2022-05-05 | 【え】

作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv1133/


以下、上記リンクよりあらすじのコピペです(長いので編集しています)。

=====ここから。

 北イラクの古代遺跡。アメリカの古生物学者でありカトリックの神学者でもあるメリン神父(マックス・フォン・シドー)は、発掘中に悪霊バスズの偶像を発見し、いつか再びこのバズスと対決することを異様な戦慄と緊迫感のの中で全身に感じていた。

 アメリカ・ワシントンのジョージタウンでは、ロケのため臨時に借家住まいをしている人気女優クリス(エレン・バースタイン)は1人娘のリーガン(リンダ・ブレア)の身に異変が起こり始める。また、クリスが主演した映画を監督したバーク・デニングス(ジャック・マッゴーラン)が恐ろしい死に方をする。

 医者もお手上げ状態に万策つきたクリスは、“悪魔払いの儀式”を行なってもらおうと、カラス神父(ジェイソン・ミラー)に頼み込む。カラス神父は一旦は断るが、リーガンの状態を見て“悪魔払いの儀式”を行なうことを決意する。カトリックの中でも数少ない悪魔払いの経験者、メリン神父が呼ばれカラス神父を助手に悪魔との壮絶な闘いが始まった。

=====ここまで。

 オカルト・ホラー映画の金字塔。

 
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 先日BSでオンエアされていたので、懐かしさもあって録画してしまいました。最初から最後まできちんと見たのは初めて、、、。


◆怖いか、怖くないか

 本作を初めて見たのは、高校生の頃だったか(大学生だったかも)、深夜放送でたまたま、、、だった。私が見始めた時点では既にリーガンの顔が特殊メイクになっていて、怒涛の後半へ向けた辺りだったと思う。

 とにかく目が離せなくて、怖いというよりも「なんだこれは、、、すげぇ、、、」という感じだった記憶がある。

 その後も何度かTVで目にしたけれども、いずれもながら見で、きちんと画面に向き合って見たことがなかったので、今回、冒頭にイラクでの発掘シーンがあったのを初めて知った次第。なので、そーだったのかぁ、、、なことがいっぱいだった。

 白状すると、今回見るまでは本作のことを、ただのホラー映画であって、あの時代だから話題になったんでしょ? くらいの認識だった。でも、それは大間違いだった。

 本作は、ホラーというよりは、深みのあるオカルト映画であると認識を改めた。オカルトで深みがあるって、かなりレアだと思う。いや、オカルトにも優れた作品はあると思うが、扱っている素材がナンセンスと紙一重なわけで、往々にしてB・C級になりがちという意味。

 序盤のイラクのシーは、何気ない発掘描写に見えるが、その風景や音、人物や犬の戯れ、時計が突然止まるなどの不可思議さ、、、といった細かい描写が積み重なって、マックス・フォン・シドー演ずるメリン神父の顔に緊張が表れ、パズズの像と対峙するカットは不穏そのもの。

 本作は、悪魔祓いに目が行きがちだけれども、主眼はそこではなく、人間の弱さ、葛藤、自身との向き合い方、、、だと強く感じた次第。

 リーガンの顔が特殊メイクになる前までは、怪異現象だけでなく、カラス神父の心情やバークの人としての厭らしさ等が丁寧に描かれる。リーガンについても、そもそも父親とは別居していて、母親も不在がちであることを割と念入りに描いている。こういった心の隙を悪魔に憑かれるということの暗示である。

 ネット上の感想で(みんシネでもあったが)、「何でリーガンに悪魔が憑いたのかの説明がない」というようなことが結構書かれていたが、いやだからちゃんと描かれていたじゃないの、、、と思ってしまった。

 あと、多かったのが、「怖くない」からツマラナイ、系の感想。まぁ、確かに、ホラー映画としての怖さは薄いと思う。けれど、これは前述したように“人の心”の問題を描いているのであり、そういう視点で見れば、本作はかなり怖い話である。“悪魔憑き”だと思うから怖くないという感想になる。

 みんシネでの魑魅さんのレビュー「この映画が怖くないと云うヒトは感性が鈍いか、現実しか見つめないヒトでしょう。」という一文が、まさに的を射たものだと思う。昨今の展開の速いホラー映画が「ホラー映画」だと定義している人から見れば、本作は、余計なことに尺を割いて肝心なことが描かれていない、と見えるのかもね。

 けれど、神父VS悪魔の壮絶な闘いシーンでの、リーガンの首が360度回るのとか、身体が完全に宙に浮くのとか、リーガンの背後にパズスの像が現れるのとか、、、これらは神父たちに見えたものではあるが、事実だったかどうかは分からない。神父にそう見えただけ、かも知れないではないか。

 という具合に、オカルト映画でありながら、実に立体的な作品なのである。オカルトをバカバカしいと思わせない丁寧な制作の姿勢に志を感じる貴重な映画だと思う。


◆その他もろもろ

 メインの舞台であるジョージタウンの街並みが実に美しい。ロケシーンの大学(?)と思しき建物の大きさ、荘厳さに圧倒される。やっぱり欧米の建物はデカい。デカさが根本的に日本と違う。

 悪魔祓いの舞台となるクリスの家もすごく素敵。間取りも内装も、一時停止してじっくり見てしまった。あんな素敵な家に、短期滞在でいいから寝泊まりしてみたい。悪魔はご遠慮願うが。……でもあの家も、借りている設定なんだよね。あんな事件があった後、次の借り手がつくのだろうか、、、。

 カラス神父のジェイソン・ミラーが、どことなくスタローンに似ている気がしたんだけど、そんなことを感想に書いているレビューは目にしなかった。カラス神父がスウェット着てランニングしているシーンがあるんだが、ロッキーのテーマソングが頭の中で鳴っていました、、、ごーん。

 あと、メリン神父がクリスの家にやってくるシーンの画が美しい。霧がかったモノトーンの画面に「チューブラー・ベルズ」の音楽が被り、雰囲気もサイコー。

 ちなみに、この当時、マックス・フォン・シドーは40代だったというのだから、ビックリ。特殊メイクとはいえ、80代くらいに見える。息絶えているシーンでの彼の顔は蒼白で、実に怖ろしい。

 wikiによれば、カラス神父の役をポール・ニューマンやジャック・ニコルソンが希望していたというのがビックリ。ポール・ニューマンのカラス神父、、、かなり見たかったかも。ジャック・ニコルソンはどっちかというと、憑かれる方でしょ。また、クリス役には、オードリー・ヘプバーンも候補に挙がっていたそうで、それはそれで見たかったなぁ。

 この後、続編が色々作られたみたいだが、意外に、3が評判が良いらしいので、見てみようかな、、、などと思っている。

 

 

 

 

 

 

 


悪魔より怖いのは、やっぱし人間ですかね。

 

 

 

 

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