映画 ご(誤)鑑賞日記

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イタリア式離婚狂想曲(1962年)

2020-09-12 | 【い】

作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv13125/

 

以下、上記リンクよりあらすじのコピペです(途中まで。なお長いので一部編集しています)。

=====ここから。

 フェルディナンド・チェファル(マルチェロ・マストロヤンニ)はシチリアの没落貴族で、結婚生活十二年の彼は、口うるさい妻ロザリア(ダニエラ・ロッカ)との息の詰りそうな毎日にあきあきし、当時十七歳だった美しい従妹アンジェラ(ステファニア・サンドレッリ)に年甲斐もなく憧れを抱いていた。

 彼女も秘かに自分を愛していると知って固く愛を誓ったものの、二人の恋に希望はなかった。この国では離婚出来ない上、落ちぶれたとはいえ古い家柄の彼はやはり人々の注目の的だからだ。罪に問われずにロザリアを殺す方法はないものかと毎日彼は妻の死を思い描いた。

 そんな時彼は“刑法五八七条自己ノ配偶者、娘、姉、妹ガ不法ナル肉体関係ヲ結ブトキ、コレヲ発見シ激昂ノ上殺害セル者ハ、三年以上七年ノ刑ニ処ス”を見つけて躍り上った。妻が不貞を働けば名誉を守るためなら殺しても軽い刑ですむのだ。彼は妻の浮気の相手に彼女の初恋の画家カルメロ(レオポルド・トリエステ)を選び、邸の壁画修理に名を借りて二人を近づけた。

 とうとう二人は駈落し、フェルディナンドは妻を寝取られた男として街中の嘲笑をあび……

=====ここまで。


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 9月になったというのに、連日の酷暑。どーなってんの? おまけに、このクソ暑いのにマスクしなきゃならないし。あ゛ーーーー、コロナもイヤだが、とにかく早く少しでも涼しくなって欲しい。秋ちゃんよ、どこにいるんだい?

 そんなわけで、この夏は、休日はほとんど外出せずに巣穴に引き籠もり。まぁ、それ自体は全く苦にならないんですが、いかんせん動かないから身体が重い、、、。確実に太っている気がするけれど、我が巣穴には体重計がないので正確な体重は年一の検診でしか分からない。分からないが、大体分かる。……マズいなぁ。でも、今日も三越のジョアンで、あんドーナツ(あんドーナツをあれこれ食べ比べたが、ここのが一番美味しいと思う)とかクロワッサンザマンドとか、高カロリーパンを4つも買ってきてしまった。ウチの人は食べないから、この週末でこれ全部私が消費するんだろうなぁ、、、。大丈夫か、私、、、??

 さて、本作もリストに入れた経緯は忘れたけれど、送られてきたので見てみたら、、、意外に面白かった!!


◆濃い女房

 当時のシチリアでは、妻が浮気したら、その妻を殺しても刑が減軽されるなんてことになっていたのか、、、?  しかも「娘、姉、妹ガ」って、息子や兄弟はええんか?っていう、今のインドやパキスタン等で行われている“名誉殺人”と発想が同じ。

 で、これを悪用し、自らの欲望を全うさせようとするフェルディナンド。正直、これだけにフォーカスすると笑えないんだが、まあ、その辺はさすがにイタリア映画。かなりひねりが効いていて、ブラックコメディに仕上がっている。

 とにかく、フェルディナンドの、妻に不倫を仕向けたり、その証拠を確実に得ようとしたりという涙ぐましい努力が、乾いた笑いを誘う。こんな卑劣でちっちゃくてセコい男を、実にコミカルに演じるマストロヤンニの巧さが際立つ。顔の造作はイイのにすっとぼけたような、どこか間抜けな表情とか、ホントに巧い。

 さらに、強烈なのが、妻ロザリアを演じているダニエラ・ロッカ。この妻、設定上は、不美人で暑苦しい女、ということなんだが、確かに個性的な顔立ちだけど、不美人ではないし、単純な罪のない人である。ダニエラさんの眉が濃くてつながっている上、口元にはうっすら髭まで生えているという、“濃い”顔なのが、実にロザリアのキャラにピッタリ。

 このダニエラさん、すごく個人的な話で恐縮だが、学生時代のサークルの後輩(仮にD子とします)にソックリで、どうにも可笑しかった。何となくキャラも似ていて、私はD子がちょっと苦手だったんだが、同級生の男の子がこのD子に一目惚れしていた。サークルの勧誘に新入生D子がやって来たんだが、そのときD子を見た彼はフリーズし「すっげぇタイプ、、、」とボソリと呟いていた。私は、へぇー……? としか思わなかったが、その後、D子はサークルに入ってきて彼と付き合い、卒業後数年してお二人結婚なさった。

 ……いや、そんなことはどーでも良いんだが、とにかくD子のキャラはキョーレツで、サークル内でも何かと話題を提供してくれていた。そのほとんどは、彼女の独特の喋り方や、立ち居振る舞いに拠るもので、その雰囲気がこのダニエラさん演ずるロザリアにメチャクチャ被るのだ。もう、途中から、ロザリアがD子にしか見えなくなってしまって、終盤、フェルディナンドに射殺される辺りでは、見ていて困ってしまった、、、。

 ちなみに、D子と彼は、今じゃ4人の子の親である。ロザリアとフェルディナンドとは大違い。


◆離婚できないなんて地獄。

 世の殿方の大半は「あんな妻なら、殺したくもなるわ」ってなところじゃないですかね。でも、フェルディナンドは、当初の目的を達成し、無事にアンジェラと再婚を果たすんだけれど、それが波乱含みであることを予感させて、本作は終わる。このエンディングがイイ。

 そうなのだ。この妻がダメなんじゃなく、要はフェルディナンド自身がダメなんである。……そんなことは、本作を見ていればよぉぉく分かることだが、そうすると、殺されたロザリアはただただ気の毒でしかない。フェルディナンドに徹頭徹尾ハメられただけなんだからね。

 ……してみると、離婚できないという掟自体が、罪なのだよね。やはり、離婚は、できなきゃ困る。フェルディナンドも、離婚ができる社会なら、慰謝料がっぽり取られるくらいで、殺しなんかせずに済んだ。ロザリアも死なずに済んだ。

 今の日本でだって、離婚が法的に禁じられていたら、こういう事件が頻発するのでは。人生を豊かに暮らすには、合わない人間とはなるべく距離を保つことが必須だ。ウマが合う者同士だって、ストレスが全くない関係でいるのは不可能に近いのに、合わない者同士が一緒にいたら、人生真っ暗である。

 恐らく、遠くない未来、結婚制度そのものが破綻しているだろうと、私は思っている。そうすれば、本作のような設定自体が無意味になる。

 あと、フェルディナンドの父親もセクハラ爺で、お手伝いのお姉ちゃんのお尻や胸を堂々と触るのである。しかも妻がいる前で。妻も「もうしょーがない爺さんねぇ~」みたいな感じで咎めないし。この家のだめんずは血筋かもね。

 イタリア映画を見ているとよく感じるが、イタリア人ってあんなに騒がしいものなんだろうか。皆、ものすごくおしゃべりで、しかも声が大きい。人の話聞いていない。自分の言いたいことを、口角泡を飛ばして喋りまくる。、、、コロナが蔓延するのも道理かも。

 まぁ、あまり色々考えずに見て楽しめる映画だと思います。私は、何度か睡魔に襲われて、その度に巻き戻てしまったけれど、、、。  

 

 

 

 

 


フェルディナンドのその後はいかに、、、。

 

 

 


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