★★★★★★☆☆☆☆
どうやら、ベッケル作品を見たいと思ってレンタルリストに入れていたらしい・・・。
あれれ。ベッケルにしては、なんというか穏やかな序盤。いや、アントワーヌの操る裁断機が怖い。操作を間違えれば指の数本あっさり切り落とせそうなもの凄いグロテスクな裁断機。正直、たった数十秒のシーンだけれど、小心者の私は正視出来なかった・・・。
何事もなくアントワーヌは仕事を終え、ホッとする私・・・。今度は女性陣の髪型が気になる。すごい朝のスタイリングが面倒くさそう。スーパーには豊富にモノがあるんだなぁ、とか、地下鉄のドアないんだぁ、とか、、、思う。
中盤までの特筆事項は、スーパーの店主の爺ィが非常に気持ち悪いってことかな。言動もだけど、なにより顔が気持ち悪い(役者さん、ゴメン)。なんつーか、スゴイ生理的に嫌な顔である。
そうこうするうち、果たして、「それ」は起きる。アントワーヌ、かなりマヌケである。救われるのは、アントワネットの賢妻ぶりかな。アントワーヌの身に何か起きたことを察し、アントワーヌの失策を責めずに明るく迎える。しかし、ここで「貧しい夫婦はそれはそれで幸せに暮らしましたとさ」で終わらせないのがベッケルなのか。思いも掛けない珍騒動が巻き起こり、結果的にアントワーヌの失策は見事ハッピィエンドにて落着・・・。
うーん、なんだかなぁ。まあ、面白いといえば面白いけど、ベッケルもこんな作品撮るんだぁ、って感じかな。当時のパリの風俗がすごくよく分かるのは、お世辞抜きに面白いんだけど。
本作で一番存在感があったのは、あのキモワル爺ィであり、一番印象に残ったシーンは、冒頭の裁断機のシーンでございましたとさ。