勝って当たり前の大補強

　巨人がまた昔に戻ったかのような大補強をしています。ＦＡで山口俊、森福に続いて史上初の３人目となる陽岱鋼まで獲得。これだけでも随分金をかけたのに、さらにトレードで日本ハムから吉川光、アメリカに戻っていた元楽天のマギーと、見境なく補強をしています。マギーは村田、阿部と守備位置が被るので、高額年俸を払って誰かはベンチに座るわけで、随分と贅沢なことです。

　今季広島に大差をつけられて優勝を逃したことが引き金となっているのでしょうが、それだけフロントは現場を信用していないということでもあります。高橋監督の采配はもちろん、コーチたちも広島や日本ハムのように若手選手を育成できないと見限られているからこその大補強なわけで、だったらそんな監督やコーチこそ交代させたらどうかと思います。

　高橋を無理やり現役引退させて監督に据えたのは観客動員を考えた人気取りだということも、フロントが自ら証明したようなものです。誰が監督でも勝って当たり前の戦力を整えるということは、誰が監督でも一緒ということです。高橋は「顔」としてベンチに座ってくれていれば良いと言っているようなもので、これほど監督にとって屈辱的なことはないだろうと思います。

　しかもこれで優勝すれば大補強のお蔭、負ければこの戦力でも勝てない監督のせいということになり、高橋にとっては重圧でしかありません。その点、中日なんてＢクラスが続いた後ついに今季は最下位に沈んだにも関わらずほとんどまともな補強もしていません。負けてもともとですから森監督にしてみれば気楽なものでしょう。まあ補強していないのだから勝てる見込みもありませんが。高橋と森、どちらが幸せな監督ライフなんでしょうか。