幹事クリタのコーカイブログ

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河村勇輝のファウル

2024-07-31 23:59:34 | スポーツ
 男子バスケのフランス戦。4Qに八村塁が退場になってからの日本は素晴らしいプレーを見せていました。特に河村勇輝の奮闘は目を見張るものがあり、このチームはいよいよ河村のチームになったと感じさせました。見ていた日本のバスケファンも思ったでしょうし、そして恐らくキャプテンで同じポイントガードの富樫勇樹が一番それを感じたのではないかと思います。そしてNBAの選手がいなくても、国内Bリーグの選手だけでも、強豪のフランスと互角に戦えるというのは世界的に見ても奇跡に近いと思います。

 残り16秒、日本が84-80と4点差をつけてリードした状態でフランスのターン。ここで日本がすべきことは2点シュートをフランスに決めさせることであり、最悪スリーポイントでも問題ありません。それが4点差という点差です。一番してはいけないのはファウルで、とにかくフランスにフリーに打たせて2点差で日本のターンになれば、ほぼ勝利は確定となるところでした。後は日本がゴール下からボールを入れて、フランスはすぐにファウルで止めてくるから、最後に日本がフリースローさえ決めてしまえば良いのです。

 ところが日本は勝てそうだということでアドレナリンが出まくってしまったのか、フランスに対してかなり厳しいチェックにいっていました。僕は見ていて「そんなに激しいプレーをする必要ないのに」と思っていました。特にゴール下にフランスがボールを入れた時には、そのまま何もせずにシュートさせてしまえば良かったのです。ところが日本の厳しいチェックで、フランスに外にボールを出されて、残り10秒というところでスリーポイントを決められてしまいます。しかも最悪なことに、河村が執拗にディフェンスにいき、不要なファウルを取られワンスローを与えてしまったのが致命的でした。4点さえ防げば良かったのに、最悪の形になりました。フランスからしたら棚から牡丹餅のような奇跡の同点劇です。あのファウルを「世紀の大誤審」などと報じているメディアがありますが、仮に誤審だとしても、それを招くようなプレーそのものがミスです。

 プレッシャーのかかるフリースローをフランスにいとも簡単に決められて同点で5分間の延長戦。こうなると八村を欠き、薄い選手層で走り続けて疲労が溜まっている日本に勝ち目はありません。大黒柱のホーキンソンが足を攣ってしまいます。延長では完全にフランスペースで押し切られてしまいました。日本は金星をほぼ手中にしていたのに逃してしまいました。

 思い出すのは競技こそ違いますが、1993年サッカーの「ドーハの悲劇」です。勝ち慣れているチームなら、こんな下手な試合はしません。サッカーは初のW杯出場を目前にして、バスケは初のオリンピックでの勝利を目前にして、エアポケットに落ちてしまいました。河村だって普段のBリーグでの試合なら、もっと冷静にプレーをしたことでしょう。あそこで間違ってもファウルを取られるようなプレーはしなかったと思います。

 サッカーは「ドーハの悲劇」を乗り越えて、4年後にはW杯出場を決め、それからコツコツと前に進んで、前回のW杯ではドイツ、スペインを破るまでに成長しました。またラグビーも1995年の第3回ワールドカップで、オールブラックスに145対17という記録的な大敗を喫してから、組織を変えて今や世界の強豪国と互角に戦えるところまできています。バスケットボールもまだ変革の途中です。このフランス戦での痛い負けがきっと次の飛躍へのステップになると思います。後に「河村のファウルが日本バスケを変えた」と言われるかも知れません。

 
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