紅白歌合戦の歌唱曲が発表されました。松田聖子だけは後日発表というのは事情が事情だけに仕方ないとして、相変わらず石川さゆりは「津軽海峡冬景色」ですし、郷ひろみは「2億4千万の瞳 -エキゾチック・ジャパン-」だし坂本冬美は「夜桜お七」だしと定番過ぎて飽き飽きしています。せっかく毎年出場させているなら、たまには「そうきたか」とファンが唸るような楽曲を歌わせたらいかがでしょうか。ちなみに水森かおり「いい日旅立ち」と山内惠介「有楽町で逢いましょう」は昭和の名曲カバー対決というつもりでの選曲だと思われます。
そんな中、乃木坂46が「きっかけ」を歌うというのはちょっと驚きでした。今年発売されたシングルが3曲あるのに、敢えて5年前に発売されたアルバムの中のリード曲です。生田絵梨花が年内で卒業なので、昔の曲を歌うとしたら彼女の唯一のシングルセンター曲「何度目の青空か」が有力かなと思っていたのに、「きっかけ」という選択は意外でした。意外でしたが悪くありません。むしろ良くぞ紅白でこの曲にしたなとNHKの決断に拍手を送りたい気分です。
「きっかけ」は乃木坂ファンの間ではとても支持が高い曲で、人気投票をすれば必ずトップクラスの順位になる名曲です。サビ頭の「決心のきっかけは 理屈ではなくて いつだってこの胸の衝動から始まる」という人生の決断の後押しする歌詞がこの曲のコンセプトを表しています。当時深川麻衣の卒業があって作られて深川がセンターを務めた曲ですが、今回卒業する生田の門出にも相応しい選曲です。当然紅白でのセンターは生田が務めるのでしょう。
こういう選曲を他の歌手でももっとしてくれたら良いのになと思います。石川さゆりだって郷ひろみだって、それぞれのファンにしてみればいつも同じような曲を順番に歌うのではなく、時にはファン人気が高い曲を歌ってほしいだろうと思いますし、ファンでなくてもたまには他の曲を聴いてみたいですし。