少し古いニュースになってしまいますが2024年、再来年の大河ドラマが紫式部を主人公にした『光る君へ』だと発表されています。主演は吉高由里子、脚本は大石静。チーフプロデューサーとチーフ演出も女性で、この4役全てが女性の大河ドラマは史上初だということです。これまでも女性を意識した大河ドラマは定期的に制作されてきていますが、ここまで徹底した女性向け大河は初めての試みになるでしょう。
なにせ時代が平安時代、それも舞台が平安王朝の権力闘争です。過去もっとも古い時代の大河はやはり平安中期の『風と雲と虹と』ですが、こちらは平将門が主人公で合戦シーンもある大河らしい大河でした。『光る君へ』は藤原道長を中心とした藤原摂関家が中心の話ですから、アクションよりも会話劇になるのは必然です。かなりこれまでと異なるアプローチになりますから、チャレンジですがリスキーでもあります。
これまでの女性向け大河は『花燃ゆ』『八重の桜』『篤姫』が幕末、『おんな城主 直虎』『江~姫たちの戦国』が戦国と、大河ドラマの定番の時代を舞台にしてきました。当然信長や秀吉、家康、西郷や龍馬といったいつものスターたちが登場しますから保守的な男性の大河ファンでも何とか見ることができたと思いますが、果たして合戦シーンのない平安絵巻モノで男性はどこまでついてきてくれるのでしょう。
正直、僕は前記のような女性向け大河ドラマは『篤姫』以外はあまり面白いと思いませんでしたから『光る君へ』もかなり期待薄です。今の三谷幸喜の『鎌倉殿の13人』は面白いですし、来年の『どうする家康』も脚本が古沢良太なので楽しみにしていますが、大石静とは相性が悪いので多分初回くらいしか見ないだろうと思います。