今日はサックスの発表会でした。ホールでピアノ伴奏だけの発表会はサックスを始めて以来ずっと苦手意識があります。過去に10回以上経験していますが、大抵ミスをして我ながら情けなくなるからです。しかも練習ではミスをしなかったところでミスが出るのが常です。予測していたミスにはそれほど動じませんが、想定外のミスは立ち直るのに時間がかかります。これだけ経験を積んでも相変わらず変なミスが出るのですから、もうホールでピアノ伴奏の発表会は封印しようかなと思うほど残念でした。
ただ今日の発表会の成果は、その後にあった懇親会にありました。同じ先生に教わっている生徒さんたちが一堂に会して食事をしたのですが、お互いの演奏を聴いた直後だけにサックスの話を中心にいろいろと盛り上がりました。僕は年末の発表会で知り合ったNくんと一緒にいたのですが、2人でいると他の生徒さんたちとも話しやすく、何人かの生徒さんと楽器の話や練習環境の話などを中心にいろいろ情報交換ができました。
その中で思ったのが経験年数だけではレベルはわからないということです。僕はもうすぐサックス歴13年になりますが、これは今日話をした数人の生徒さんたちの中で2番目の長さでした。しかしレベルは僕よりも歴が短い生徒さんたちの中にもずっと上達している人もいましたし、数年のキャリアで同じくらいのレベルの人もいました。Nくんはまだ歴2年ですが、すでに発表会のトリを任されるほど上達していて、半年前の発表会の時に「1年半でこれだけ吹けるなんて天才だ」と思いましたが、今日はそれを再確認しました。
僕はキャリアだけは長いですが、最初の10年間サックスを練習できるのは週に1、2回でそれも30分程度でした。月間練習時間が3~4時間程度では10年やっても大して上達はしません。上達の早い人は自宅に防音室を作ったり、それが無理ならカラオケボックスや貸しスタジオを借りて熱心に練習をしていました。僕の3倍も4倍も、なんなら10倍くらい練習しているのですから、僕の10年分を2~3年くらいで追いつくのも当然です。
サックスを始める前に他の楽器経験があればさらに上達は早いですし、子どもの頃にピアノを習っていて音楽の基礎ができている人も強いです。もちろん生まれついての才能の差もありますが、あるレベルまでなら才能よりも努力の差の方が大きいような気がします。この2年間は在宅勤務になって少し練習量は増えましたが、改めて「努力に勝る天才なし」という言葉が身に沁みた日でした。