運動部系と文化部系

　人間の性格を大雑把に分類することは、それで相手のことがわかったつもりになって危ういところもありますが、浅い付き合いならそれが効率的という場合もあります。なにせ社会人は幅広い人と付き合わなくてはならないので、いちいち知りあった人の個人的なパーソナリティを深く理解しようとしていたら手間がかかりすぎるからです。

　もちろん血液型占いのように全く科学的根拠のない分類もありますが、あれにしてもそう思い込むことで、無意識にＡ型的なパーソナリティやＢ型的なパーソナリティを獲得している人たちがたくさんいます。一種の洗脳ですが、信じている人ほどそういう占いに影響された行動をとりやすいだろうということは推察されます。

　そんな分類の定番で「文系」「理系」というのがあります。「リケジョ」なんて言葉が流行したりしましたし、いま一部マニアの間で人気のマンガ『決してマネしないでください。』はそんな理系人間の「あるある」をネタにして描いていて笑えます。もちろん人は完璧に白黒に分けられるものではないので、ほとんどの人がグレーのまだら模様の中に収まるのですが、文系理系は誰しもわかりやすい分類ではあります。

　それに加えて僕は「運動部系」「文化部系」の分類も加えてはどうかと思っています。もちろん「帰宅部だった」という人もいますし、完全に２分割はできないのは当然です。ただ僕のようにずっと部活は運動部で今もテニスをガッツリやりながらも、仕事で文章を書いたりクリエーターと一緒に作業するし、読書や楽器演奏を趣味にしていると、両方の世界の人たちと交流があるので、その差をハッキリと感じられて興味深いのです。

　運動部系の人は単純明快でオープンなことを好みます。複雑でこみいったことが苦手です。上下関係にうるさいし、身内と外部をハッキリ区別する傾向があります。団体行動が好きで和を乱す者に厳しいです。逆に文化部系の人は細かくてこだわりが強いです。個性的で独創的なものが好きで、ありきたりを嫌います。団体行動が苦手で人に合わせるのもダメなので、個人行動の方が楽ですし、上下や内外どころか強制されるのが嫌いなので組織に属することに拒否反応を示します。

　どちらも楽しいところもあるし、面倒なところもあります。なるべく付き合っていく上では長所を見るようにしていますが、短所の部分を理解していないと時々手痛い目にあうこともあるので気をつけています。ちなみに僕は長年の仕事の影響か、若い頃よりも文化部系にシフトしてきた気がします。とは言え、ルールを守れない奴が多いアーティストという人種と一緒にいると、昔からの運動部気質が炸裂しますので、なかなか難しいのですが。