踊りは良いですね、ひとつになれて。花火は踊りが終わった後(商工会主催)
3委員会合同研修の報告も、今日でやっと終われそうです。
4.長野県東御市のゆうふるtanaka
ここも東御市の公共施設で、東御市振興公社が指定管理者として運営しています。
健康増進施設として市民の人気を得ているようです。
ここでは振興公社の常務取締役のお話を聞くことができました。
よく公共施設に関してある疑問で、「投資に見合った効果」というのがあります。私も、ありきたりで抽象的かな、と思いつつ、この問題に対する考え方を事前に質問しておきました。(7月2日の記事を参照してください)
これについて常務さんは、「多くの利用があり住民に喜んでもらえるならば委託料がかかっても行政として必要な支出だ」ということを述べられました。これは投資に見合った効果を考える上で重要な考え方で、公の施設の維持費について考えるとき、単に「赤字かどうか」では計れないということを示す上で重要だと思います。常務さんは市職員出身だそうで、常務さんのお話を聞き、行政マンらしい的確な説明だな、と思いました。
民生委員会だけの研修になってしまった!
ゆうふるtanakaでの研修に先立ち、東御市北御牧支所で、保健師さんたちの説明を聞きました。民生委員長である中川議員が「ゆうふるtanakaを特定健診と関連させた保健指導の場として利用できるか」という事前質問をし、ゆうふるtanaka側が「北御牧支所で聞いて欲しい」と事前回答を寄せたため、東御市当局が北御牧支所での研修を設定してくださったから。
特定健診・保健指導は今年から始まった制度で、どこの保険者(国保を運営する市町村や健保を運営する健康保険組合など)も苦労しているようですが、東御市でも現場スタッフが苦労しながら工夫しているというお話が聞けたのは、それなりに有意義ではありましたが…、まるっきり民生委員会のテーマではないですか!
経済建設委員である私は、黙って話を聞く他ありませんでした。
(保健指導という事業に多くの住民に参加してもらうためには、特定の施設に誘導するというやり方ではなく、住民の元に出向くという姿勢が求められるのではないか、という保健担当職員のお話は印象的で、参考になりましたが…)
支所で、東御市議会の議長さんの代理で私たちを迎えてくれた方は、経済関係の常任委員長さんでした。
「3委員会合同」の意図は、なかなか理解しがたいもののようです。
来年度以降は、3委員会合同だろうがなんだろうが、全員そろって行く研修は絶対すべきではない!
東郷町議会の特殊な風習であり、先方にも意図を理解してもらいにくく、「3委員会の共通テーマで研修」という目的もまともに達成できないような研修のやり方は、今年までで終わりにすべきだと強く思いました。
いろんな場所、テーマで研修をうけ勉強したいから、などという理由で議会全体で研修しようと考えている議員が多いようですが、そもそも視察・研修というものは、その委員会にとってどうしても調査する必要がある事項について実施すべきものです。いろんなテーマで勉強したい、という議員さんは、視察・研修を単なるお勉強会と勘違いされているのかもしれません。
勉強したいなら、各自がやれば良いことです。勉強したいテーマも議員によっていろいろでしょうから。
また、もし「研修の予算があるから行く」という考えならば、本末転倒です。必要がなければ行かなければ良いだけの話です。
経済建設委員会の予算を使って民生委員会の研修に付き合った、とまでは決め付けられませんが、それに近いものがあるならば、血税の無駄遣いです。
3.長野県東御市の湯楽里館(ゆらり館)
湯楽里館は、市が作った温泉・物産販売・レストラン等の複合施設で、東御市振興公社という第3セクターが指定管理者として運営に当たっています。
研修前の事前の質問で、地域での雇用創出について質問しましたが、この公社では、「人物本位で採用しているから考えていない」とのことですが、結果として地元の人の採用が多くなっているようです。
また、取扱商品については、特に地産地消を強く意識しているということです。このこだわりが、ブランド確立へ寄与しているものと思われました。
ところで、東御市はクルミ生産日本一だそうで、全国的にも東御産のクルミは人気が高いそうです。湯楽里館での取扱商品にも地元のクルミをはじめ、多くの地元産の原料を使いたいそうですが、特にクルミは全国的な人気ということもあり、半年分しか確保できないそうです。そういった中で、生産者との信頼関係を大切にしながら原料確保に努めるというのは、当然の話のようではありますが、地産地消へのこだわりがあってこそ、地元産の原料の確保につながり、それが消費者の信頼へもつながるのではないかと思いました。
湯楽里館には地ビール工場もあり、レストランでも出しています。研修の1泊目の宿泊先(アートヴィレッジ明神館)も振興公社が指定管理者になっている施設でしたが、そこで飲んだ巨峰エールは、さわやかで、それでいてしっかりビールのコクがあるものでした。地ビールは振興公社の中では不採算部門だそうですが、集客のための宣伝には必要な投資だと思いました。
ところで、地ビールの原料で地元産は、湯楽里館周辺のおいしい水だけだそうです。地元で質の良い小麦を安定して仕入れるのは、なかなか大変だそうで、これからの挑戦の課題とのことです。
湯楽里館は、県内で類似の温泉施設が競合している中、有数の集客力を誇っていますが、それを実現している努力の一端を見ることができました。
地元客も大切に
観光客の呼び寄せだけでなく、温泉利用の回数券など、地元客の定着に努力している点は、東郷町のいこまい館でも当然やられてますが、参考になるでしょう。なにしろ温泉施設の利用者は、毎日のように来る方が大半を占めているそうです。
8月9日の記事「東郷町の赤旗読者の皆さん、不十分な情報を提供して申し訳ありません!(子ども医療費無料化について)」では、蟹江町、阿久比町、東浦町が、7月から通院医療費の無料化を就学前→小学校卒業までに拡大していることと、美浜町が10月から通院医療費無料化を就学前→小学校3年生までに拡大する予定であることを紹介しました。
ひょっとして美和町や碧南市と同じように、今年度に入ってから制度拡大を決めたのかもしれない、と思い、それぞれの役場や議員さんに確認の電話をしてみました。
私にとって意外だったのですが、いずれも今年度に入る前の3月議会で、7月や10月に制度拡大を実施することを見越した当初予算案が提出されたそうです。
ある役場の方は、「対象を拡大する方針が、当初予算の提案の直前になってやっと決まり、新年度当初の4月からの実施は難しかったため」と説明してくれました。
そんなわけで、今年度になってから方針を変えた美和町や碧南市とは事情が異なります。
2.田園福祉の実践について(社会福祉法人くりのみ福祉会 くりのみ園)
小布施町役場の次に、同町内にある知的障害者通所授産施設のくりのみ園に行きました。
この施設は、知的障害を持つ人たちが地域で生活できるようにすることを支援することを目的に作られました。農作物の生産・販売で通所者に賃金を払い、自立を援助しています。このことを「田園福祉の実践」と呼ぶそうです。
くりのみ園の生産物は有機農法で作られ、安全なのが魅力です。販売実績は年々増加しているそうで、販路拡大は主に口コミによるそうです。
年間を通じて安定供給できる鶏卵が主力商品で、鶏卵を加工した卵油も人気商品だそうです。
有機農法を徹底して実践しているため、肥料や農薬などの原材料費は少ないそうですが、ニワトリの飼料は主に外部からの購入で得ているので、このところの物価高騰の影響を避けるために、飼料も園での自給を模索しているそうです。
通所者の賃金についても「グループホームで十分生活できる水準」を目指しているとのことで、目標実現へ頑張っているところだそうです。
営利が目的ではない福祉施設ではありますが、年間を通じてさまざまな作物の栽培への取り組みや、鶏卵を生産の主力にすえていることなど、消費者への供給を絶やさないための取り組みが注目されると思います。
また、有機農法や地産地消へのこだわりは、ブランド力を確固としたものとする上で、欠くことができな姿勢だと思いました。
説明では、「素人と見られたくない」という「農業のプロ」への強いこだわりも見えましたが、障害者の居場所作りという施設の目的自体も、ブランドを形成する上での武器になるのではないかと思いました。
印象的な研修でしたが、経済建設委員会の研修テーマとしては?です。