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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

周海嬰(魯迅の息子)の、魯迅は須藤医師に毒殺されたという・・・

2018年06月13日 | 思考の断片
 周海嬰(魯迅の息子)の、魯迅は須藤医師に毒殺されたという荒唐無稽の説(「~のではないか」という疑問提起や可能性の指摘に止まり、言い出しっぺの自分が立証できていないという意味で)は、「それだけ日本の中国侵略が深い不信感を中国人に残しているからではあるまいか」と、近現代中国文学研究の某大家は仰る。だがその周説をコテンパンに批判もしくは全否定する複数の中国人専門家がいることを、その2頁前で報告しておられるのは同じ某大家であるのはわけがわからない。この人たちは中国人ではないという論理的結論か、あるいは、自分は「~ではあるまいか」と疑問形で断定はしていないという返事が、この某大家から返ってくるのであろうか。件の書は2011年3月刊。

「<訃報>文豪・魯迅の息子、周海嬰氏が北京で永眠―中国」 を見て

2011年04月07日 | 
▲「レコードチャイナ」2011-04-07 12:59:57、翻訳・編集/愛玉。
  〈http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=50469

 2011年4月7日午前5時36分(日本時間同6時36分)、中国の文豪・魯迅の息子である周海嬰(ジョウ・ハイイン)氏が、入院先の北京の病院で永眠した。享年81歳。香港の衛星TV局・フェニックステレビが伝えた。


 不肖の息子死す。この人は、「魯迅酒」などという名前の酒を売り出そうとしたり、世間の反日感情に便乗して「魯迅は須藤(五百三)医師に殺された」などと根拠もなしに妄りなことを喋々するといったふうな人物だった。

「中国元国家主席の次女が墓参り 佐世保、父の病気治した医師にお礼」

2009年04月11日 | 抜き書き
▲「龍~なが 長崎新聞ホームページ」2009年4月11日。 (部分)
 〈http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20090411/03.shtml

 戦後の混乱期、後に中国の国家主席となる故・李先念氏の病気を治した恩人にお礼を言いたいと、次女の李小林・中国人民対外友好協会常務副会長(55)が十日、佐世保市八幡町の井上芳雄医師の墓を訪れた。対面した遺族には父から託された感謝の言葉を伝えた。
 〔中略〕
 墓参した李副会長は花束をささげ中国式の三度の礼で井上医師を追悼後、遺族と懇談。「父だけでなく湖北省住民の病気を治してくれた」と、元主席から聞いた井上医師の分け隔てない医療姿勢を遺族に紹介した。「井戸水を飲むとき、井戸を堀った人の恩を忘れない」という中国の格言を引き、同省にある李元主席記念館に井上医師の写真を展示したいと提案、訪中を求めた。

 もちろんただの美談というだけではあるまい。しかし、この李先念の娘さんの態度は須藤五百三を殺人犯呼ばわりした魯迅のドラ息子のそれとは天地の差がある。

→2003年3月17日、「許広平著 松井博光訳 『魯迅回想録』(筑摩書房)
→2003年7月25日、「周海嬰著 岸田登美子・瀬川千秋・樋口裕子訳 『わが父魯迅』(集英社)