原題「The Truth about Viet Nam-China Relations over the last 30 Years」(1979年10月4日)他。
東南アジアは、中国の歴史の中に古くから伝わっている拡張主義の進撃方向であり、中華人民共和国の指導者が以前から併呑の夢をもっていた地域である。 (「第一部 中国の戦略におけるベトナム」 本書17頁)
中国指導部のベトナムに対する現在の政策がたとえどのように巧妙にカモフラージュされても、それはいぜんとして、ベトナムを併呑し、ベトナム人民を屈服させ、ベトナムを中国の衛星国にかえようとした、四千年におよぶ中国王朝の歴代皇帝の政策にすぎない。 (「第一部 中国の戦略におけるベトナム」 本書26頁)
同年2月から3月にかけての中国によるベトナム侵攻をうけて出された文書だから、中国側の非を鳴らし、責任はすべて相手側にあるとし、自らの全き正義を主張する、おおいに誇張をほどこされた政治的宣伝であることはいうまでもない。しかしそのようなぎりぎりの切所であるからこそ、逆に、ベトナム人あるいは国家の中国に対する伝統的、典型的な見方(四捨五入して言えばステレオタイプ)が、露わになっているとも言えるのではなかろうか。
つまりベトナムとベトナム人にとっては、中国と中国人は、いにしえから一貫して侵略者なのである。そして史実に照らしても、この見方は正しい。10世紀まで中国の一部として支配され、10世紀に独立するがモンゴル・元・明王朝時代にも全面的な侵攻を受け、とくに明代にはしばらくの間ふたたび中国の一部として併合される状況に陥った。中国人が日本と日本人とを歴史上一貫した自らに対する侵略者と断定するのであれば、中国人はベトナム人のこの中国観を、無条件に受け入れなければならない。中国がベトナムを侵略・占領していた時期は1,000年を越える。14年どころではない。
(日中出版 1979年12月)
東南アジアは、中国の歴史の中に古くから伝わっている拡張主義の進撃方向であり、中華人民共和国の指導者が以前から併呑の夢をもっていた地域である。 (「第一部 中国の戦略におけるベトナム」 本書17頁)
中国指導部のベトナムに対する現在の政策がたとえどのように巧妙にカモフラージュされても、それはいぜんとして、ベトナムを併呑し、ベトナム人民を屈服させ、ベトナムを中国の衛星国にかえようとした、四千年におよぶ中国王朝の歴代皇帝の政策にすぎない。 (「第一部 中国の戦略におけるベトナム」 本書26頁)
同年2月から3月にかけての中国によるベトナム侵攻をうけて出された文書だから、中国側の非を鳴らし、責任はすべて相手側にあるとし、自らの全き正義を主張する、おおいに誇張をほどこされた政治的宣伝であることはいうまでもない。しかしそのようなぎりぎりの切所であるからこそ、逆に、ベトナム人あるいは国家の中国に対する伝統的、典型的な見方(四捨五入して言えばステレオタイプ)が、露わになっているとも言えるのではなかろうか。
つまりベトナムとベトナム人にとっては、中国と中国人は、いにしえから一貫して侵略者なのである。そして史実に照らしても、この見方は正しい。10世紀まで中国の一部として支配され、10世紀に独立するがモンゴル・元・明王朝時代にも全面的な侵攻を受け、とくに明代にはしばらくの間ふたたび中国の一部として併合される状況に陥った。中国人が日本と日本人とを歴史上一貫した自らに対する侵略者と断定するのであれば、中国人はベトナム人のこの中国観を、無条件に受け入れなければならない。中国がベトナムを侵略・占領していた時期は1,000年を越える。14年どころではない。
(日中出版 1979年12月)