書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

西村ミツル原作 かわすみひろし漫画 『大使閣下の料理人』 1-24

2006年10月30日 | コミック
“料理に国境はありません/ただひたすらおいしい料理を作り続けること/それが僕の矜持であり誇りです!・・・・・・食べた人が心の底から喜んでくれる料理を作りたい/この気持ちが僕の大和魂です!” (第19巻 「呉越同舟」)

 主人公のこのせりふを読みたさに、第1巻から再読したのである。
 このせりふの剛毅さは古色蒼然たる“男らしい”、“勇敢な”、“愛国者”たちには、到底解らないであろう。

 「奴は敵だ」
 「敵は殺せ」
 「敵を殺さない奴は殺せ」

 愛国者なるものは、この三つのルールしか理解しないらしい。そしてこのルールを、同胞に対しても適用する。 
 外国人は敵であり敵を殺すことが愛国的であるとするのが、愛国心のグローバル・スタンダードである。言い換えれば、人間の生命を平気で断つことを「男らしい」「勇気ある」もしくは「果断」などと賞賛し、国境の向こうにいる人間に対してそうすることを奨励するのが愛国主義=ナショナリズムと称ばれるものである。

 ああそれから――。
 ベトナム編を久しぶりに読み返した。それ以後のスケールや派手さはないが、やはり素敵だ。しっとりとしていて、可憐な華がある。

(講談社 2002年11月第11刷ほか)

▲「中央日報」2006年10月29日、「『独島はわが領土』の日本語歌詞が登場」
 →http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=81240&servcode=700§code=710

 韓国の典型的な目立ちたがり愛国者の言い草である。韓国語の歌詞を「日本人を殺せ」、日本語部分の歌詞は「日本人は死ね」にすれば、もっと「胸がじんとする」と思うから、次に作る歌は是非そうされるようお奨めする(一番お奨めなのは実際にご自分で日本人を殺してみることだと思うが)。

▲「中央日報」2006年10月30日、「『太陽、金正日将軍に忠誠を誓う』文発見」
 →http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=81263&servcode=200§code=200

 これも韓国の典型的愛国者といえるか(愛する国は北の)。逆らう奴は同胞でも容赦するな、か?

▲「MSN毎日インタラクティブ」2006年10月30日、「北朝鮮:軍事訓練 ミサイル発射など例年より強化」
 →http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20061030k0000e030066000c.html

 「敵は殺せ」の、剥き出し。