2010年03月01日「南方熊楠著 飯倉照平監修 『南方熊楠英文論考 〔ネイチャー〕誌篇』」より続き。
本巻収録の英文論考('Nature' および 'Notes and Queries' ほかに寄稿したもの)は、校訂者の岩村忍氏によれば、基本的に掲載誌に掲載された文章を底本としているとのこと(本巻所収、岩村氏「英文著作解題」)。つまり原稿ではない。よって原文がどれほど編集部によって変改されたかはわからない。原文で熊楠がどのような英語を書いているかを知りたかったのだが。
ただ、ひとつ分かったことがある。それは、帰国してからの熊楠の日本語論文/論考の多くは、英語ですでに発表していたものの翻訳・抄訳であり、その日本語文章が原本たる英語のそれにくらべてややもすれば冗舌で、しばしば脱線し、ときに没論理とさえ見うけられるのは、海外に比べて低い(と熊楠は思っていた)日本の関係学界の水準にあわせてのことだった(同上、岩村氏「南方熊楠の英文著作」)。
(平凡社 1973年11月初版第1刷 1991年11月初版第11刷)
本巻収録の英文論考('Nature' および 'Notes and Queries' ほかに寄稿したもの)は、校訂者の岩村忍氏によれば、基本的に掲載誌に掲載された文章を底本としているとのこと(本巻所収、岩村氏「英文著作解題」)。つまり原稿ではない。よって原文がどれほど編集部によって変改されたかはわからない。原文で熊楠がどのような英語を書いているかを知りたかったのだが。
ただ、ひとつ分かったことがある。それは、帰国してからの熊楠の日本語論文/論考の多くは、英語ですでに発表していたものの翻訳・抄訳であり、その日本語文章が原本たる英語のそれにくらべてややもすれば冗舌で、しばしば脱線し、ときに没論理とさえ見うけられるのは、海外に比べて低い(と熊楠は思っていた)日本の関係学界の水準にあわせてのことだった(同上、岩村氏「南方熊楠の英文著作」)。
(平凡社 1973年11月初版第1刷 1991年11月初版第11刷)