書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

ユヴァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳 『サピエンス全史』 上

2017年05月04日 | 世界史
 貨幣に関する章。金がどうして全世界的にもっとも価値ある物として“信じられる”(流通するではない)ようになったかの説明がわからない。ある地域でそう信じられその信仰に基づく価格がついているのを見聞した、そしてそこに売って金儲けした、他のそうでない地域の人間もそう信じ始めるというのだが、それならここでも名の出る中国の絹や磁器が逆にヨーロッパでそうなっていておかしくないだろう。“金の福音”条、同書228-230頁。(下巻は未読。)

(河出書房新社 2016年9月)