書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

オグデン/リチャーズ著 床並繁訳述 『意味の意味』

2014年04月07日 | 人文科学
 書き抜き。

 すべての指示物はいっしょになって一つの序列をつくり、その指示物もその序列の中でただ一つの場所を占める。アリストテレスの時代以後、思考の原理として次の三つがあげられる(原注1)。
 (1) 同一原理(Law of Identity)
  『AはAである』。すなわち、どの象徴も一つの指示物を持つ。

 (2) 矛盾原理(Law of Contradiction)
  『Aは非Aでない』。すなわち、いかなる指示物も指示物の全序列の中で、一つ以上の場所を占めることはない。
 
 (3) 排中原理(Law of Excluded Middle)
  『AはBであるか、または非Bであるかである』。すなわち、すべての指示物は指示物の全序列の中で一定の場所を占める。

 原注1. このほかに選言原理と充足理由の原理を加えて五つにすることもある。


(本書37頁。下線部は原文では傍点)

 以下は引用者による注記。

 選言原理:論理学で、思考の原理の一。「AはAであるか、非Aであるか、いずれかである」または「AはBであるか、非Bであるか、いずれかである」という形式で表される。排中(はいちゅう)原理の反面を表現するもの。選言律。離接原理。 (デジタル大辞泉「選言原理」項)

 充足理由:充足理由律(じゅうそくりゆうりつ、英:Principle of sufficient reason)とは、「どんな出来事にも原因がある」、「どんなことにも、そうであって、別様ではないことの、十分な理由がある」という原理。すなわちどんな事実であっても、それに対して「なぜ」と問うたなら、必ず「なぜならば」という形の説明があるはずだ、という原理のこと。なお、充足理由律とは「すべての真なる思考は根拠づけられているべきであるという法則である」とする見解もある。(ウィキペディア「充足理由律」項)
     :《(ラテン) principium rationis sufficientis 》論理学で、思考の原理の一。十分な理由なくしてはいかなる事実も成立せず、いかなる判断も真ではないという原理。ライプニッツによって初めて唱えられた。充足理由律。充足律。理由律。理由の原理。 (デジタル大辞泉「充足理由の原理」項)

 思考の原理:《(ドイツ) Denkgesetze 》論理学で、正しい思考をするために従わなければならない基本法則。通常は同一原理・矛盾原理・排中原理・充足理由の原理の四つをさす。思考の法則。 (デジタル大辞泉「思考の原理」項。太字は引用者)

(研究社 1958年11月初版 1980年9月4版)