▲「asahi.com」010年10月23日11時43分、ロンドン=伊東和貴。 (部分)
〈http://www.asahi.com/international/update/1023/TKY201010230129.html〉
民間ウェブサイト「ウィキリークス」が22日、イラク戦争を巡る米軍などの機密文書約40万件を公表した。事前に情報提供を受けていた米英メディアは電子版で、市民の死者数は民間団体の集計より1万5千人多く、米軍がイラク当局による拷問を黙認していたと報じた。
ウィキリークスは7月にアフガニスタン戦争を巡る米軍などの機密情報を公表。個人名の公開が人命を危険にさらすと批判を受けた。このため今回は、報復に発展しそうな文書からは名前を削除したという。
数の大小で問題の重大さが変わるわけではないが、6万人とは大きすぎる人命の数ではないか。「正義のためにはやむを得ぬ犠牲だ」と言い切れる人は、次は自分が率先して犠牲になってほしい。あるいは、自分がそうなったらと考えてみて何のためらいもないかどうか、試してみてほしい。ためらいがないのなら、あなたは特別な人だ。私は何も言わぬ。
しかし私個人の倫理と国家(を動かす立場の公人)の倫理とは異なるのもまた確かである。ウィキリークスの配慮は、私人の倫理が公人の倫理に配慮したものだ。社会関係上は配慮すべきだし、また運営者自身の個人としての利害からいっても配慮せざるをえなかったのだろうが、それが正しいことかどうか、私にはまだ分からない。
〈http://www.asahi.com/international/update/1023/TKY201010230129.html〉
民間ウェブサイト「ウィキリークス」が22日、イラク戦争を巡る米軍などの機密文書約40万件を公表した。事前に情報提供を受けていた米英メディアは電子版で、市民の死者数は民間団体の集計より1万5千人多く、米軍がイラク当局による拷問を黙認していたと報じた。
ウィキリークスは7月にアフガニスタン戦争を巡る米軍などの機密情報を公表。個人名の公開が人命を危険にさらすと批判を受けた。このため今回は、報復に発展しそうな文書からは名前を削除したという。
数の大小で問題の重大さが変わるわけではないが、6万人とは大きすぎる人命の数ではないか。「正義のためにはやむを得ぬ犠牲だ」と言い切れる人は、次は自分が率先して犠牲になってほしい。あるいは、自分がそうなったらと考えてみて何のためらいもないかどうか、試してみてほしい。ためらいがないのなら、あなたは特別な人だ。私は何も言わぬ。
しかし私個人の倫理と国家(を動かす立場の公人)の倫理とは異なるのもまた確かである。ウィキリークスの配慮は、私人の倫理が公人の倫理に配慮したものだ。社会関係上は配慮すべきだし、また運営者自身の個人としての利害からいっても配慮せざるをえなかったのだろうが、それが正しいことかどうか、私にはまだ分からない。